Appleの組立委託先フォックスコン、7月からインドでiPhone Xを生産開始か、その後最新機種も

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The Economic Timesの報道によると、Apple iPhoneの最大の組立サプライヤーであるフォックスコン(Foxconn)は今年7月にインドでiPhone Xの生産を開始する予定ということです。生産はインド東部にあるフォックスコンのチェンナイ(Chennai)工場で行われます。 同社の計画を熟知している関係者からの情報によると、フォックスコンは生産能力を増強し、「今後さらに新しいモデルへと多様化する」ことを望んでいるということです。

iPhone X

本日のレポートによると、今月初めのiPhone Xの試作に続いて、フォックスコンの生産の一部を中国ではないところに移転する計画が具体化し始めているといいます。ロイター通信の昨年末の報道によると、フォックスコンはインドでのハイエンドのiPhoneを製造する計画があるというニュースが浮上していました。具体的には、フォックスコンは既存の工場を拡張し、新しいiPhone生産を引き受けるために3億5,600万ドル(約398億円)を投資し、その過程で最大25,000人の雇用を創出したとされています。

フォックスコンは、台湾に拠点を置く同社の施設の大部分が集中する中国(大陸、内地)からサプライチェーンを多様化する方法として、インドでの生産工場の拡大を検討しています。AppleはフォックスコンにiPhoneの大部分の組立を委託していますが、フォックスコンの成長するインド生産基地は、貿易と技術に関する米国と中国との緊張の高まりについて、Appleが抱えるリスクや脆弱性に対し、安全な逃げ道を提供できる可能性があります。最近は少し事態は落ち着いてきているものの、トランプ大統領の気まぐれな予測不可能性のリスクは大きく、Appleは緊急時対応計画を実行しているのかもしれません。

以前、Appleは同じくiPhone組立委託先の台湾ウィストロン(Wistron、緯創資通)と提携してiPhone SE、iPhone 6s、iPhone 7シリーズの3世代の機種をインドで製造してきました。インドでiPhoneを製造すれば、Appleはインドに輸入するiPhoneとその部品に課される輸入関税を回避することができます。インド国内での生産量の増加は、Appleが自社の現地直営小売店ことApple Storeを開くことを可能にするための、現地調達率30%以上というインド政府が要求する要件を満たすのにも役立ちます。

インドでのiPhone Xの生産計画は、Appleの新しく刷新されたインド戦略の一部であるように思われます。その戦略にはこれまでよりも高い販売目標があり、そして更に持続的な小売取引を実現すること、インドでの公式Apple Storeのオープン、そして現地法人との関係の「見直し」もその戦略に含まれます。インド人により密接に寄り添う形で独立系の小売業者を選定し、またアプリやサービスを現地向けに改善することも盛り込まれているようです。特に小売販売代理店については、Appleは2018年の5社からたった2社に取引先を減らしおり(BrightstarとHCL Infosystems、そして今月RPTechとの提携を終了し、代わりにIngram MicroとRedingtonに集中するとAppleは発表しています)、またAppleと販売代理店とのパートナーシップの関係も変化しています。

またインドでのiPhone Xなど比較的新しいモデルの増産の目的は、現在および近い将来のプロジェクトの成功、および「次期政府への有利なインセンティブ制度の継続」など、いくつかの要素があるようです。

インドではiPhoneの価格が他社の製品に比べて高いことが主な原因で、インド現地市場では大苦戦しており、シェア率は非常に低いままです。Appleはインドだけで特別に最新機種のうちの1つiPhone XRを25%値下げして販売していますが、それでも悲しいほどに売れていません。そんな中、こんなインド市場での悲惨な現状を打破するためと、米中貿易戦争によるリスク回避のために、新しい戦略が立てられたのではないかと思われます。

記事は以上です。

(記事情報元:The Economic Times等)

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