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Appleのサプライヤーとの繋がりが強い台湾メディアDigitimesの報道によると、Appleは2018年全体でサプライヤーに2.5億〜2.7億枚のiPhone用ディスプレイパネルを発注する予定とのことです。この数字は、もし2.5億枚だとしても、AppleのこれまでのiPhoneの最高年間出荷台数2.2億台に比べると2000万枚も多いことになります。
今年のAppleのiPhone出荷台数はまた新記録を更新する？
もし2.5〜2.7億枚という数字が正しければ、これらは基本的には2018年のiPhoneの製造に全て注ぎ込まれることになり、今年iPhoneの出荷台数はまた新記録を生み出すことになる可能性があります。Appleがこれまで発表した財務レポートで、2017年全体のiPhone出荷台数は2億1680万台、そして最も売れた2015年でも2億3,120万台でした。Appleは今年も相当強気の計画を立てているのかもしれません。
ただ、DigitimesはこれらのパネルがいつAppleに納品されるのか、という具体的な情報は明らかにしていません。恐らくサプライヤーにこれまで発注された発注量などからの予測とみられ、最終的にApple内部で確認され確定された発注ではなく、今後も変化する数字ではないかと思われます。更に生産キャパや歩留まり、そして在庫の確保などの事情を考えると、最終的に完成品となってAppleに納品されるのは実際に発注される数量よりも少なくなる可能性もあります。
2018年のiPhone用ディスプレイ、有機ELディスプレイが半数を占める？
更にDigitimesは、2018年は有機ELディスプレイ（OLED）がiPhoneに用いられる量が非常に多く、その発注量は1.1〜1.3億枚に達するのではないかとされていて、全体量の約半数を占めるとされています。そのうち、5.8インチの有機ELディスプレイパネルは7000〜8000万枚で、これは現行のiPhone Xと同じサイズのアップグレード版（【iPhone X2】？）に用いられると予測され、残りの4000〜5000万枚は、6.5インチの大型版【iPhone X Plus】或いは、廉価なバージョン【iPhone X SE】？）に用いられるのではないかとされています。
また有機ELディスプレイ以外のAppleのこれまで用いられてきたLTPS LCDディスプレイの発注も、2018年全体で6000〜7000万枚となると予測されていて、これらはそれぞれ4インチのiPhone SE、4.7インチ、5.5インチのiPhone 8などの現行の製品の製造に用いられるのではないかと思われます。そして今年のLTPS LCDディスプレイの主要なサプライヤーは、ジャパンディスプレイ（Japan Display、JDI）とシャープ（SHARP）、そしてLG Displayの3社がメインになるとみられています。
ただ、Digitimesの記事には少々懐疑的にならざるを得ません。というのも全体量が2.5〜2.7億枚のうち、内訳が有機ELディスプレイが1.1〜1.3億枚、LTPS LCDが6000〜7000枚とされていて、その残りの7000〜9000万は何のディスプレイなのかが明らかになっておらず、数字的には矛盾しているからです。何らかの新しいディスプレイが採用されるのでしょうか？そして、有機ELディスプレイ採用モデルは現行の【iPhone X】と同様に価格が高くなり、6.5インチの【iPhone X Plus】は更に価格が上がるはずで、売上がそこまで伸びるかどうかは未知数です。寧ろ、6.1インチ廉価版iPhone X（【iPhone X SE】?）や、3月か6月にリリース発表されると噂されている【iPhone SE 2】などの廉価版なLCD採用モデルの方が出荷台数は多くなるのではないかと考える方が妥当かと思います。
今年後半からはLG Displayも有機ELディスプレイの供給を開始か
IHS Markitの以前の報道では、サムスンディスプレイ（SAMSUNG Display）が今年のAppleの主要な有機ELディスプレイのサプライヤーとはなるものの、今年後半からはLG DisplayもAppleの2番目の有機ELディスプレイのサプライヤーになると報じられています。これは秋にリリースされると噂されている、【iPhone X Plus】のために十分な数量を確保するためと思われます。ただ一方では、2019年より前には、LG DisplayがAppleの需要を満足できるほどの生産キャパを確保できないという報道もあります。
記事は以上です。
（記事情報元：Digitimes）