iOS 12.2ベータ2で、AT&TのiPhoneに誤解を招く「5G E」の表示がされるように

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先日リリースされたiOS 12.2ベータ2にアップグレードされたiPhoneに、アメリカの携帯キャリア”AT&T”のSIMを入れると、「5G E」という電波表示が出ることがデベロッパ(開発者)達の間で話題になっています。

なお、AT&Tは1月下旬にもAndroidでこの「5G E」表示をし始めましたが、それがiPhoneにも及んだ形になります。

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この「5G E」が表示されるのは特定の地域のみということですが、もちろん「E」が追加されていることでわかるように、これは本当の次世代通信規格「5G」の通信になったわけではありません。そもそも、AT&Tの基地局にはまだ5Gの設備は導入されていないため、本当の5Gのネットワークはまだないのです。

AT&Tによると、この「E」とは、以前のGSM 2Gパケット通信表示のEDGEの「E」ではなく、Evolutionの「E」ということです。このEvolutionは、AT&Tが一部のネットワークに採用している新しいブランド名で、現在のところは4G LTEと同様、理論上最大400Mb/sとなっています。

※ちなみにEDGEは恐らくGSM(2G)がないガラパゴスな日本の人達には馴染みが薄いと思いますが、海外にいる人は後遺症のように頭に残っていると思います、というより現在でも時々中国ではEDGEに切り替わることがあるので悪夢なのです。。笑

この「5G Evolution」とは、キャリアアグリゲーションのような仕組みで、データを送受信できるアンテナ数を2倍にする4×4 MIMO、データ転送をより効率的にするための256 QAMなどの他社の技術を組み合わせ、より高速・効率的に4G LTE通信ができるようにしたもので、AT&Tはこれが「5Gへの道の最初のステップ」と主張しています。AT&Tによると、この「5G Evolution」は既に400以上の市場で活躍しているとのことですが、ライバルのT-Mobileなどからは既に5Gであるかのような誤解を招くという指摘を受けています。

しかしAT&Tは全く悪びれていないようで、MacRumorsに対して「本日、一部のiPhoneとiPadユーザは、私たちの5G Evolutionインジケータバーを表示できるようになりました。このインジケータは、5G Evolutionの経験ができるようになるかもしれない場所であることを示すものです」と開き直りとも取れる発言をしています。

正直、実際LTEも実はLong time evolution(長期的発展)の略で、本来は実際の4Gとは違う、4Gまでのステップとされて導入が始まったものでした。しかしその後、4Gの定義が「3Gの発展型である」とされたため、本来は発展途上のはずだったLTEが4Gと同じものと認識され、現状ではLTE=4Gとなっているのです。

日本のキャリアでは最初から正直にLTEと表示され、現在でもそれが続いています。中国などでは普通に4Gと表示されていますが、実際のところはLTEなのです。そして本当の意味での4Gが実現する前に、今度は5Gの規格が登場し、そこに至るまでの発展途上として「5G E」が登場した。。というようなややこしい感じです。AT&Tしかこの用語を使っていませんが、いずれこれが一般化するのでしょうか?難しいかもしれません。

ただ、5G Evolutionも4G=LTEと実際の最大速度は変わらないので、やはり誤解を招くという指摘が正しいような気がします。ALTE(Advanced LTE)とか、4GE(4G Evolution)の方が実状に近いため、本来はそのような名称の方が相応しいはずです。今後、AT&Tはどうするのでしょうか?そして日本などのキャリアのSIMでも、いずれiPhoneに「5G E」の表示が出る日が来るのでしょうか?

ちなみに5G通信規格は現状では2019年後半にならないとサービスは開始されないとみられており、またAppleの今年2019年の新型iPhoneも5Gはサポートしないのではないかと見られています(インテルのベースバンドモデムチップを使用しているため)。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors

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