Appleティム・クックCEOのもう1つの訪中目的、工信部トップと会談したのは何のため?

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中国の工業和信息化部(日本的には工業情報化省、以下工信部)が本日インターネット上で公告を出し、苗圩部長(日本における大臣)が5月17日にアメリカのApple社のティム・クック(Tim Cook)CEOと会見したことを明らかにした。

公告によれば、苗圩部長はAppleの業界での近年の発展と広範囲にわたる提携に賞賛を送り、Appleが更に中国での業務を拡大し、研究開発と産業チェーンとの提携を深めること、また中国の消費者に便利で安全なユーザ体験を提供することを望んでいる、と述べたという。

Tim-Cook_工信部苗圩部長_2016

今回はクックがAppleのCEOになってからの8回目の訪中となるが、苗圩部長との会談も既に3回目となる。前回2回の会談の後、中国大陸地区はiPhoneの第一弾販売国の1つになることができた(iPhoneの販売には工信部の許可が必要で、会談によってその許可申請期間が短縮されたとみられる)。

今回のティム・クックCEOの訪中には2つの重点があったことになる。1つは配車サービス「滴滴出行(Didi Chuxing、ディーディーチューシン)」の総裁との会談、そしてもう1つがこの工信部の部長との会談だ。この訪中の前にAppleが既に10億ドル(約1,100億円)を滴滴出行に投資したことを明らかにしていたため、今回クックCEOが滴滴出行のJean Liu(柳青、Liu Qing)総裁と会うことは大方の予想通りだった。

しかし今回工信部の苗圩部長と3回目の会談をしたことは少々理解に苦しむところがある。というのも、中国大陸地区で突然中国政府からのサービスの停止を要求され、従わざるを得なくなったiTunes Movie(ビデオ)ストアとiBookストアはまだ閉鎖されたままだが、この2つのサービス停止を要求したのは工信部ではなく、工信部の所管ではないからだ(コンテンツの所管は広電局)。

今回中国での滞在を終えた後、クックCEOは既にインドに向かっており、これはクックがAppleのCEOとして初めてこの極めて潜在的価値が高いとみられる地区を訪問したことになる。前四半期の業績発表では、Appleのインドでの営業収入は前年同期比56%増加していた(ただしその数字は悲しいほど小さいものであるが)。

 

画蛇添足 One more thing…

ティム・クックCEOが工信部の苗圩部長と会った本当の理由はわからずじまいだが、推測されるのは何らかの根回しなのか、それともiPhone 7以降の発売をスムーズに行えるようにお願いしたのか。。または滴滴出行への出資について、何らかの通信に関わる新しい事業を始めるためのお願いをしたのか、更に踏み込んでApple Carなど、Appleの新しいサービスについても話し合われたかもしれない。

工信部の公告による苗圩部長の発言はよくありがちな大本営発表の政治的文体で、本当のところは何を会談したのかについては当然何も書かれていないため参考にならない。

いずれにせよ大きな金が動くことで苗圩部長のメンツが立つように何らかの土産話を持っていったに違いない(そうでなければ苗圩部長もわざわざクックCEOと会うことはしない)。また苗圩部長に何かをしてもらう見返りとして、もしかしたら苗圩部長の家族や隠し資産をアメリカに移す手続きをすることなどもやったかもしれない。。?笑

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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