Appleの会計年度2016年度Q1の財務レポートから数日経ったが、Appleは世界最高の市場価値を持つ会社であることから、それに関する各業界からの”反応”は続いている。
例えばAppleの現金貯蓄は2100億ドル(約25兆4349億円)となったことから、また一部のアナリストから、Appleに対して企業買収の提案が行われるようになった。なぜなら、Appleは自社でも研究開発を行う傍ら、多くの機能のコア・テクノロジーやコンテンツを買収によって手に入れ、自社製品の拡充に繋げているからだ。では、アナリスト達の買収提案の中で最も大物はどれだろうか?
ネットフリックスがApple TVのサービス拡充の切り札となるか
その答えはネットフリックス(Netflix)だ。ネットフリックスについては、アメリカのテレビドラマコンテンツが好きな人であれば聞いたことがあるのではないだろうか?ネットフリックスはアメリカ本国では非常に有名なオンライン動画コンテンツレンタルサービスを行っているところで、またオリジナルのドラマの制作もしている。同社が制作した≪ハウス・オブ・カード 野望の階段(House of Cards)≫は日本でも流行っている。
Apple TVのサービスは動画コンテンツが”キモ”
アナリストは、Appleが去年秋にリリースした新型第四世代【Apple TV 4G】について、このデバイスは確かにソフトウェアやゲームをサポートしており、更に独自のApp Storeを備えているものの、やはり動画コンテンツがこのデバイスの肝であると考えている。
ネットフリックスがApple TVのサービス拡充の切り札となるか
Appleはテレビのストリーミングサービスについてまだ商談を続けており、更にApple TVの現地(Apple IDの所属地)の動画コンテンツの充実を図らなくてはならないと考えているようだ。もしネットフリックスを買収できれば、Appleにとっては大きなコンテンツの拡充が可能になるのは間違いない。
これまでのAppleの最大の買収はBeatsだが、ネットフリックスの10分の1以下の価格
ただ、ちなみにApple設立以来、最大の買収は30億米ドルを投入したBeats(by Dr. DRE)の買収だった。しかしそれに比べネットフリックスの市場価値は400億ドルで、もしAppleが買収に動いたとしても多くの困難が待ち受けることだろう。
ちなみにAppleの最近の買収は、LearnSproutというベンチャー企業で、教育データ分析を専門とする会社だった。
Appleはストリーミングサービスの充実のためにタイム・ワーナーの買収も検討
以前の報道では、Apple TVのストリーミングサービスを更に充実させるために、Appleはタイム・ワーナー(TimeWarner)の動向に注目しているとされている。なぜなら最近タイム・ワーナーは投資家から身売りするようにという大きなプレッシャーを受けており、これはAppleにとっては絶好のチャンスだからだ。
画蛇添足 One more thing…
Appleの利益の68%を占める、ここ数年Appleが依存してきたといっても過言ではないiPhoneシリーズが、前四半期でとうとう成長がほぼ止まってしまっただけあって、Appleは今後はデバイスを売ることよりもデバイスによって構築されたエコシステムの充実に力を入れようとしているのかもしれない(サービス分野での収入の拡大)。
ただ、あまりに巨額な投資は危険も大きく、また業界からの反発も大きいだろう。Appleの前途は多難かもしれない。
記事は以上。
(記事情報元:BGR)