Appleが、会計年度2017年Q3の会計報告を発表しました。
多くの人の関心はまずiPhoneの販売台数でしょう。最終的に2017Q3でのiPhoneの販売台数は4,100万台となり、昨年同期の4,040万台に比べて増加しています。アナリスト達は、まだ昨年9月にリリースされたiPhone 7とiPhone 7 Plusを競うように購買しており、まだまだその人気が衰えていないことが、4,100万台の販売を達成した主な原因であると指摘しています。
そしてAppleの全体の営業収入も、ウォールストリートの予測を超えたものでした。2017Q3のAppleの営業収入は454億ドル(約5兆275億円)となり、昨年同期の424億ドル(約4兆6,953億円)に比べると30億ドル(約3,322億円)も増加しています。
同時に、Appleは2017Q4の営業収入予測も出しています。その金額は490〜520億ドル(約5兆4,262億円〜5兆7,584億円)となり、粗利率は37.5〜38%とされています。
2017Q3では、Appleの粗利率は38.5%となり、昨年同期の38%から増加しています。そして最もサプライズだったのが、iPadの販売台数がここ3年半ほど低迷していたところ復活してきたことでしょう。iPadの販売台数は昨年同期の995万台から1,142万台と大きく増加しました。AppleはiPad Pro 10.5インチモデルや、廉価版の新型iPadをリリースしたことは、その販売の回復によい影響を与えたといえるでしょう。iPadの販売台数は、2014年3月以来初めて前年同期比で増加したことになります。
そしてAppleのサービス部門の営業収入も周囲の期待を裏切らないものになっています。Appleのサービス業務規模だけでも、既に≪フォーチュン(Fortune)≫の100強企業の中に入るほどで、サービス業務単体で既にFacebookも超えてしまっています。2017Q3で、Appleのサービス業務の営業収入は72.6億ドル(約8,039億円)となり、前期の70.4億ドル(約7796億円)を超えているだけではなく、昨年同期の59.8億ドル(約6,622億円)よりも大きく成長しています。Appleのサービス業務の収入は、iTunes、iCloud、Apple Music、Apple Pay、Apple Watch、そしてApp Store等からもたらされています。
Macの販売台数も429万台となっており、昨年同期の425万台より増えています。
上記からわかるように、Appleの2017Q3の会計報告では、昨年同期比では全体的に、どの部門も伸びていることがわかります。
ただ、注意しなければならないのがアメリカ以外の市場です。アメリカ以外の市場は、Appleに61%の収入シェアをもっていますが、大中華圏ではAppleの営業収入は80.04億米ドル(約8,863億円)となりましたが前期では107.26億米ドル(約1兆1,878億円)で、前年同期は88.48米ドル(約9,798億円)だったことから、前年同期では25%、前期比で10%減少したことになります。大中華圏の他ではAppleは非常によい業績を上げており、Appleが今後大中華圏でその販売不振のテコ入れのためにどんな営業をするのか、またどんなキャンペーンを展開するのかが気になるところです。
ただ、Appleの次の四半期の予測が楽観的であったことは、周囲の心配を払拭しています。既に多くのメディアがAppleの新型iPhoneのうち10周年記念アニバーサリーモデルとされるモデルの発売が遅れるのではないかという情報を出しており、アナリスト達はもし本当に販売が遅れると、2017Q4の営業収入が450億ドル(約4兆9,832億円)を割り込むのではないかという見方までしていたからです。
なお、数字のまとまった情報は9to5Macのページで見ることができます。
記事は以上です。
(記事情報元:9to5Mac)