Appleは本日未明、自社のモバイル系OS全て(iOS 12/watchOS 5/tvOS 12)のメジャーアップデートの正式版をリリースしました。詳細は以下の通りです。
iOS 12
対応機種
iOS 11が動作するデバイスであれば使用可能です。
- iPhone:iPhone 5s以降(64bitデバイス)
iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR、iPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 5s - iPad:iPad mini 2以降
iPad 5、iPad Air、iPad Air 2、iPad mini 2、iPad mini 3、iPad mini 4、iPad Pro 12.9、iPad Pro 9.7、iPad Pro 10.5、iPad 6 - iPod Touch:第6世代
リリースノートはさすがにメジャーアップデートだけあって長いですね。。
パフォーマンス
- ユーザの操作により素早く機敏に反応するように、iOSを全体的に改良
- iPhone 5sおよびiPad Airに至るすべての対応デバイスでパフォーマンスを改善
- カメラの起動は70%高速化、キーボード表示は50%高速化、またタイプ入力の反応も改善(*)
- デバイスに高負荷がかかっている場合のAppの起動が最大で2倍高速化(*)
* 標準のピークパフォーマンスに対応するiPhone 6 Plus、リリース前のiOS 11.4、リリース前のiOS 12を使用し、2018年5月にAppleが実施したテスト結果によります。キーボードのテストではSafariを使用し、カメラはロック画面からスワイプしてテストしました。パフォーマンスは特定の構成、コンテンツ、バッテリーの状態、使用状況、ソフトウェアのバージョン、その他の要素によって異なります。
写真
- 新しい“For You”タブに“おすすめの写真”や“エフェクトの提案”などが導入され、ライブラリにあるたくさんの写真から素早く目的のものを探すことが可能
- “共有の提案”機能により、写真に写っている人たちと写真を共有するように能動的に提案
- 検索機能が強化され、複数のキーワード検索に対応、検索候補も賢くなり、より簡単に写真の検索が可能
- 撮影地、店舗名/会社名、または写真を撮影したときのイベントから写真の検索が可能
- カメラからの読み込み速度が改善、また写真を大きくプレビュー表示することが可能
- RAWイメージの編集に対応
カメラ
- ポートレートモードで、“ステージ照明”および“ステージ照明(モノ)”を使用したときに、被写体と背景間の詳細部分を保持するよう改善
- スキャンしやすいように、カメラフレームでQRコードをハイライトするよう改良
メッセージ
- ミー文字(まったく新しい、カスタマイズ可能なアニ文字)により、“メッセージ”で独自のキャラクター使ってより表情豊かで楽しいコミュニケーションが可能
- アニ文字にティラノサウルス、お化け、コアラ、トラを追加
- ミー文字およびアニ文字でウインクおよび舌を出す動作を認識
- 新しいカメラエフェクトにより、“メッセージ”で撮影した写真やビデオで、アニ文字、フィルタ、テキストエフェクト、iMessageステッカーパック、図形が使用可能
- アニ文字の録画が30秒まで可能
スクリーンタイム
- あなたやファミリーメンバーのAppやWebサイトの適切な使用時間を判断するための詳細情報やツールを提供
- Appの使用時間、Appカテゴリごとの使用状況、通知の受信数、デバイスを持ち上げた回数についての情報を表示
- “App使用時間の制限”で、あなたおよびお子様がAppやWebサイトで費やすことができる時間の長さを設定可能
- お子様のiPhoneまたはiPadの使用の仕方を、親/保護者が自分のデバイスから直接管理することが可能
おやすみモード
- 所定の時間、場所、またはカレンダーのイベントのあとで“おやすみモード”をオフにすることが可能
- “ベッドタイム中のおやすみモード”により、就寝中はロック画面にすべての通知を表示しないようにすることが可能
通知
- 通知の管理を簡単にするため、同じAppからの通知を自動的にグループ化して表示可能
- ロック画面から直接通知設定を操作可能
- 新しい“目立たない形で配信”機能により、サウンドやバナーを出さずに通知を通知センターだけに表示させることが可能
Siri
- Siriが使用可能なAppでSiriショートカットを使えば、今までよりももっと素早く作業を終わらせることが可能
- Siri対応Appの“Siriに追加”ボタン、または“設定”>“Siriと検索”で、ショートカットを追加可能
- ロック画面または検索内でショートカットの提案を表示
- モータースポーツの結果、スケジュール、Formula 1、Nascar、Indy 500、MotoGPの統計および順位表を入手可能
- 時間、撮影地、ピープル、最近行った旅行などで写真やメモリーを検索可能
- 40以上の言語の組み合わせで語句の翻訳に対応
- 著名人に関する事柄(例: 誕生日)や、食べ物に関する質問(例: カロリーや成分/原料)を調べることが可能
- フラッシュライトのオン/オフが可能
- 英語(アイルランド)、英語(南アフリカ)、デンマーク語、ノルウェー語、中国語(広東語)、中国語(北京語-台湾)でより自然で表現豊かな声が利用可能
拡張現実
- ARKit 2による共有機能により、デベロッパはほかの人とAR体験を共有できる革新的なAppを作成可能
- AR体験の保存/再読み込みが可能になり、デベロッパはAR体験を持続させることが可能
- オブジェクト認識およびイメージトラッキング機能により、空間を移動中に現実世界のオブジェクトを認識したり、イメージを追跡したりするツールをデベロッパに提供
- ARクイックルック機能により、仮想オブジェクトをNews、Safari、“ファイル”などの内蔵Appで表示したり、iMessageや“メール”で共有することが可能
計測
- 物体および空間を計測するための新しい拡張現実App
- 物体の表面や空間に線を引いて長さを計測し、線上のラベルをタップして詳細情報を表示
- 長方形の物体を自動的に計測
- 計測物のスクリーンショットの取り込み、共有、マークアップが可能
プライバシーおよびセキュリティ
- Safariの強化されたトラッキング防止機能により、Webサイトに埋め込まれたコンテンツやソーシャルメディア用ボタンが、あなたの許可なしにあなたを追跡するのを防ぐことが可能
- 広告主によるiOSデバイスの固有情報の収集を防いで、ターゲット広告の配信を減らすことが可能
- SafariおよびほとんどのAppで、パスワードの新規作成または変更時に、強力かつ固有なパスワードを自動的に提案
- パスワードを再利用している場合、“設定”>“パスワードとアカウント”で警告マークを表示
- セキュリティコードの自動入力機能により、SMS経由で送られた使い捨て(ワン・タイム)パスコードをQuickTypeバー上に表示
- “設定”>“パスワードとアカウント”から、AirDropを使用して登録済みの連絡先にパスワードを簡単に共有可能
- 認証済みのデバイスで、Siriにパスワードを尋ねることが可能
Apple Books
- まったく新しいデザインにより、本やオーディオブックを楽しく簡単に探して読むことが可能
- “今すぐ読む”機能により、現在読書中の本に戻ったり、次に読む本のおすすめを受け取ることが可能
- “読みたい”コレクションに本を追加して、次に読みたい本を管理することが可能
- 新しい“ブックストア”では、新刊、話題作、ベストセラー、Apple Booksエディターのおすすめなどから、お気に入りのブックをより簡単に探すことが可能
- 新しいオーディオブックストアでは、お気に入りの著者、俳優/女優、著名人のナレーターによる真に迫ったストーリーや有益なノンフィクション本などを探すことが可能
Apple Music
- 歌詞による検索に対応し、歌詞の一部を使って曲を検索することが可能
- アーティストのページが見やすいデザインに改良され、どのアーティストからでもパーソナライズされたステーションを作成可能
- 新しい“フレンズ・ミックス”により、友達が聴いている曲からプレイリストを作成可能
- 世界各国のトップ100曲を表示する新しいチャートを追加
株価
- まったく新しいデザインが導入され、iPhoneおよびiPad上で株価情報、インタラクティブなチャート、トップ記事を利用可能
- ウォッチリストに、一日の株価の推移が一目で分かる色つきの小さなチャート(スパークライン)を表示
- 各銘柄のインタラクティブなチャート、および時間外取引や出来高などの情報を表示
ボイスメモ
- より使いやすくなった新デザイン
- 録音/編集データをiCloud経由で各デバイス間で同期
- iPadで使用可能、横向きおよび縦向き両方に対応
Apple Podcast
- 番組でチャプタに対応
- 車内またはヘッドフォンで利用時に進む/戻るボタンで30秒進めたり、次のチャプタに移動することが可能
- “今すぐ聴く”画面から、エピソードの通知を簡単に管理することが可能
アクセシビリティ
- ライブリスニングがAirPodsに対応
- RTT通話がAT&Tで使用可能
- “選択項目の読み上げ”がSiriの声の使用に対応
その他の機能および改善
- FaceTimeのカメラエフェクトで、自分の顔をリアルタイムでアニ文字/ミー文字に変身させることが可能
- CarPlayで他社製のナビゲーションAppを使用可能
- Walletに追加した非接触型の学生IDカードを使って建物に入ったり、Apple Payで支払いをすることが可能(対応しているキャンパスのみ)
- “設定”>Safariで、iPadでタブにWebサイトのアイコンを表示可能
- “天気”に空気質指数を追加(対応している地域のみ)
- iPadで、画面の下端から上にスワイプしてホーム画面に移動するようにジェスチャを変更
- iPadで、画面の右上隅から下にスワイプしてコントロールセンターを開くようにジェスチャを変更
- マークアップに、より多くの色と、線の太さと各ツールの透明度を変更できるオプションを追加
- “設定”のバッテリー使用状況に、過去24時間または過去10日以内の使用状況を追加、バーをタップするとその期間のApp使用状況を表示可能
- 3D Touchに対応していないデバイスで、スペースキーを長押ししてキーボードをトラックパッドに変更可能
- 中国で、“マップ”が空港およびショッピングセンターの建物内部マップに対応
- ヘブライ語の辞書、アラビア語-英語およびヒンディー語-英語の二言語辞典を追加
- 新しい英語の類語辞典を追加
- iOSアップデートを夜間に自動的にインストールする機能を追加
一部の機能は、デバイスや国や地域によっては利用できないことがあります。詳しくは次のWebサイトを参照してください: https://www.apple.com/jp/ios/feature-availability および https://www.apple.com/jp/ios/whats-new
このアップデートのセキュリティコンテンツについては、次のWebサイトをご覧ください:
https://support.apple.com/kb/HT201222
寸評
Appleは今回のiOS 12では、パフォーマンスの改善やセキュリティの強化など、安定性の向上に重きを置いています。毎年アップデートされるiOSですが、今後奇数のアップデートでは新機能を、偶数のアップデートでは安定性の向上、というような流れになっていくと思われます。
今回のiOS 12の特徴としては、やはり旧デバイスでのパフォーマンスの向上が図られているのが大きいですね。また、計測などAR機能が追加されているのが特徴的かと思います。
ちなみにiPhone XでiOS 11.4.1からOTAアップデートをしようとすると、ダウンロード容量は1.65GBとなっていました。時間に余裕がある時にゆっくりアップデートするといいと思います。
watchOS 5
「watchOS 5」では、Apple Watchを使ってよりアクティブに、よりいろいろな人や情報とつながって、自分の健康をモニターできるような新機能など以下の機能追加・修正点などがあります。
対応機種
初のwatchOSアップデートによる旧機種の淘汰(切り捨て)が行われたOSになり、Apple Watch 初代(第一世代)がアップデートできなくなりました。なお、後に発売されたApple Watch Series 1はアップデート可能です。
- Apple Watch Series 4
- Apple Watch Series 3
- Apple Watch Series 2
- Apple Watch Series 1
以下がリリースノートです。
アクティビティ
- アクティビティを共有している友達と7日間の1対1の競争をすることが可能
- アクティビティのリングを完成させた割合(1パーセントで1点)が毎日得点に加算
- “アクティビティ”Appの共有タブで進行中の競争を表示可能
- 競争中は、進捗状況に応じて、賢くパーソナライズされた通知を受信
- 競争終了後に獲得したバッジは、デザインが改良された“バッジ”タブで表示可能
ワークアウト
- ワークアウトの自動検出機能により、多数のワー クアウトにおいて、すでにエクササイズを開始しているときには“ワークアウト”Appを起動するように (かつ、すでに動いた分についてのデータは遡って加算)、また終了している場合はワークアウトを Appで終了させるように通知を送信
- ヨガおよびハイキングのワークアウトで関連する 測定値を正確に表示
- 屋外ランニングワークアウトの目標ペースを設定し、ランニング中に目標より速いか遅いかについての通知を受信することが可能
- 走行中のケイデンス、または毎分の歩数を測定、および平均ケイデンスをワークアウトの概要に表示
- ランニングワークアウトで、直近の1km(または 1マイル)のペースを表示するローリングペースを表示
Apple Podcast
- Apple Podcastで登録済みの番組を、Bluetoothヘッドフォンを利用して視聴できるようにApple Watch上に同期することが可能
- 登録済みの番組に新規エピソードが追加されるたびに自動的に更新
- Wi-Fiまたはモバイル通信ネットワークに接続さ れている場合、Apple Podcastのエピソードまたは番組をストリーミング再生可能
- 文字盤で新しいPodcastコンプリケーションを利用可能
トランシーバー
- Apple Watchを使用している友達を会話に招待することが可能
- 話すときはボタンを押し、指を離せば相手の声を聴くことが可能
- Apple Watchを持っている相手であれば誰とでも 一対一の会話が可能
- ほかの通知と区別可能な特別なサウンドと触覚フィードバック
- “トランシーバー”で現在会話できる状態かどうかを設定可能
- “トランシーバー”はApple WatchがWi-Fiまたはモバイル通信ネットワークに接続されているか、またはiPhoneにペアリングされている場合に使用可能
文字盤
- “呼吸”文字盤で以下の3つのアニメーションを選択可能: クラシック、カーム、フォーカス
- 手首を上げたりタップするとアニメーションが始まる新しい3つの文字盤: Fire & Water、Vapor、 Liquid Metal
- “写真”文字盤で、“メモリー”のオプションを使用して写真ライブラリから厳選された写真を表示可能
- 新しいPodcastと“トランシーバー”用のコンプリケーション
Siri
- 位置情報や時間情報に基づいてその場面にふさわしいショートカットを賢くあらかじめに表示するようにSiri文字盤をアップデート
- “マップ”機能をSiri文字盤に統合し、ターンバイターン経路および次のカレンダーイベントの場所までの予想到着時刻を表示
- 心拍数の測定値(安静時心拍数、歩行時平均、心拍数の回復を含む)をSiri文字盤に表示
- Siri文字盤で他社製Appのショートカットに対応
- “手首を上げて話す”機能により、Apple Watchを口の前に持ってきてただ話すだけでSiriにアクセス可能(Series 3以降)
- iPhoneで作成管理されたSiriショートカットのボイスコマンドに対応
通知
- 通知の管理を簡単にするため、同じAppからの通知を自動的にグループ化して表示可能
- 通知センターでAppの通知を左にスワイプしてそ のAppの通知設定を変更可能
- 新しい“目立たない形で配信”機能により、サウンドやバナーを出さずに通知を通知センターだけに表示させることが可能
- 所定の時間、場所、またはカレンダーのイベントのあとで“おやすみモード”をオフにすることが可能
心拍数
- 安静時と見られる10分間に指定された値よりも心 拍数が下がった場合に通知を送信するオプションを追加
- 心拍数の測定値(安静時心拍数、歩行時平均、心拍数の回復を含む)をSiri文字盤に表示
その他の新機能および改善
- 「メール”または“メッセージ”でリンクを受信した場合、WebサイトのコンテンツをApple Watchで見やすいようにレイアウトして表示
- Apple Watchで都市を“天気”Appに追加可能
- UV指数、風速、空気質指数などの測定値を“天気” Appで表示(対応している地域のみ)
- Apple Watchで株式銘柄を“株価”Appに追加可能
- コントロールセンターのアイコンの表示順序を変更可能
- “設定”AppでWi-Fiネットワークを選択可能、パ スワードを要求された場合入力も可能
- FaceTimeビデオ通話にApple Watchでオーディオ通話として返答可能
- ソフトウェアアップデートを夜間にインストールする機能を追加
- Apple Watchで都市を“世界時計”Appに追加可能
- “メール”または“メッセージ”で、絵文字をスクロ ールして選択する場合の表示を改良
- 対応するシステム言語にヒンディー語を追加
一部の機能は、デバイスや国や地域によっては利用 「できないことがあります。詳しくは次のWebサイトを参照してください:
https://www.apple.com/jp/watchos/featureavailability
このアップデートのセキュリティコンテンツについ ては、次のWebサイトをご覧ください:
https://support.apple.com/HT201222
なお、watchOS 5にアップデートするには、iPhoneなどペアリングしているデバイスの【Apple Watchアプリ】から【一般>ソフトウェア・アップデート】で行うことが可能で、Apple Watchが以下の条件を満たしている必要があります。
- Wi-Fiに接続されたiPhoneの通信圏内にある
- 充電器に接続されている
- 50%以上充電されている
寸評
ヘルスケアや通信面での強化が図られています。新型デバイスのApple Watch Series 4が予想以上の売れ行きのようで、それに伴ったwatchOS 5のアップデートはこれまで以上に充実している感じがします。自分が所有しているApple Watch Series 2での動作はどうか、暫く様子を見てみたいと思います。
tvOS 12
対応機種
- Apple TV 4K
- Apple TV 第4世代
リリースノート
今回リリースされたtvOS 12では、以下の新機能が追加されています。
- 「Apple TV 4K」がDolby Atmosに対応
- iPhoneまたはiPadから保存済みパスワードを自動かつ安全に入力して、Apple TVアプリに簡単にアクセス可能に
- 国際宇宙ステーションから撮影された、美しい地球の景色を表示することが可能に
- 代表的なホームコントロールシステムがサポートされ、Apple TVを操作したり、Siriで検索可能に
なお、アップデートは【Apple TV】の設定アプリで、【システム>ソフトウェア・アップデート】から可能となっています。
iOS 12/tvOS 12アップデート用の公式ファームウェア(IPSWファイル)はこちら
iOS 12をクリーンインストールしたり、複数台アップデートする時など、あらかじめiOS 12ファームウェア(IPSWファイル)を母艦にダウンロードしておき、iTunesでアップデートするという方法の方が効率がよかったりしますので、ご利用ください(順次更新予定)。全てApple公式データベースへのリンク集となっておりますので、本物です。ご安心ください。
記事は以上です。