Apple、独自の次世代Lightningコネクタの特許取得、今後のiPhoneに採用か?

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

多くのスマートフォンメーカーがmicroUSBから世界基準で超高速のUSB-C規格に移行している頃、Appleはもともと独自の30pinコネクタから、iPhone 5の時代に独自のLightningコネクタに移行したのは記憶に新しいところです。そして先日当ブログでもお伝えしたとおり、今後EUがAppleに対して圧力をかけ、強制的にUSB-Cを導入させるように仕向けていく動きになりそうです。

6年前の2012年、AppleはiPhone 5でLightningコネクタを採用しました。現在その他のスマートフォンの殆どには、共通のUSB-C規格のコネクタが用いられていますが、Appleは独自路線を貫き、自らがテクノロジー界の”一匹狼”であることを主張しているかのようです。

そしてEUが上記の通りAppleに共通規格のUSB-Cコネクタ採用に向けて圧力をかける中、Appleはどうやら独自のマグネット式のコネクタを、現在のLightningコネクタの代替品(次世代Lightningコネクタ)として用意しているようだ、と海外メディアのPatently Appleが報じています。

iPhone-Lightning-Magnet

Appleが更新したLightningに関する特許

実はAppleは新しいLightningコネクタの特許をいくつも出願しています。その新機能としては、更に多くの電力を提供したり、保護機能やイノベーティブな機能(例えば防水特性など)などが挙げられます。

今年4月、アメリカ合衆国特許商標庁(USPTO)が、Appleの最も大胆な新型Lightningコネクタの特許を公表しました。この特許は更に先進的で、新たに設計し直されたLightningコネクタで、将来的にAppleデバイス上で使用されるのではないかと考えられています。

そして今週、この特許がUSPTOによって、上記の新型Lightningコネクタの特許(特許番号:20180226747)の更新が行われ、マグネット充電タイプの次世代Lightningコネクタの設計・デザインについて、更に多くの情報が追加されました。

Next-Generation-Lightning-Connector_Patent_Apple

Appleの最初の特許の中で、Appleは上図に示されたコアの設計とその配置を説明しています。Appleは上図の1102-a、1102-b、そして1152の表面から見ることができる大きく3つに分けられる部分を使って、多くの”浮動接点を含むマグネットLightningコネクタ”を描写しています。

そして今週更新された特許書類の中で、AppleはこのマグネットLightningコネクタに関する詳細の記述を追加しています。その中には、多数のバネによるリード線配列による配置を追加しています。同社は、下図(断面図)の6A、6B、6Cによって、コネクタリード線が内部のバネ構造によって弾性を持つ”Pogoリード線”によって構成される”移動可能な磁石”で接続するとしています。

Next-Generation-Lightning-Connector_Patent_Apple_02

この特許によってもたらされるメリットとは

Appleはこのコネクタを、スマートフォンの充電に限らず、多くのオプションデバイスがこのマグネットコネクタの恩恵を受けるとしています。例えばバッテリー付きのケース、外付けバッテリーの筐体、外付けキーボードやタッチペン、ワイヤレスイヤホン、ドッキングステーションなどとしています。

海外メディアのMILL-MAXが技術的な要素が非常に強い文章でこの特許の詳細について分析していますが、その中で、「モバイルデバイスが別のデバイスとドッキングしてデータや電源のやりとりを行う場合、これは完璧で理想的なソリューションだ」とべた褒めしています。文中では、このマグネット式Lightningコネクタの素晴らしい接続性能と、大幅に伝送可能な電力容量やデータの伝送速度を向上させることができることも指摘しています。

もちろん、これはAppleが出願した特許の1つにすぎず、Appleはこれまで取得してきた特許の全てを実際の製品上に適用してきたわけではないため、今回の特許が今後のiPhone等に採用するかどうかは定かではありません。ただ、Appleが次世代のコネクタを模索しているのは間違いなく、また同社がすぐに共通規格のUSB-Cを全機種統一で導入することも考えにくいといえるでしょう。

確かにこのマグネットLightning方式は非常に便利で、従来のLightningコネクタと同様上下の方向性がないため挿し間違いも発生せず、そしてマグネットのため従来のLightningコネクタで発生していた、コネクタが折れたり、ケーブルが曲がってちぎれるという問題もかなり回避できそうです(実際私自身も、モバイルバッテリーを使用してLightningケーブルを挿したiPhone Xを、ジーンズのポケットに入れて座ったら、力がかかってケーブル側のLightningコネクタが折れたことがあります。。)。

AppleはMacBook等でMagSafe電源コネクタを既に廃止。iPhone版MagSafeとして復活か?

ただ、AppleはMacBookシリーズでUSB-Cを採用したことから、MacBook Airシリーズ以外からはMagSafe充電コネクタを廃止していることから、マグネットによる接続についてはそれほど必要ないと判断しているのかと個人的には思っていました。また、MacBookのコネクタをUSB-Cに統一したということは、今後モバイルデバイスのiPhone/iPadなどもUSB-Cに統一していくサインなのかとも思っていました。

私個人的にはMagSafeは特にノートPCなどモバイルの環境で使うにはかなりメリットがある接続方法だと考えていて、サードパーティのLightningコネクタをマグネット方式に変更する製品などを使用していたこともあり、それが公式にiPhone/iPadなどに導入されるのは大歓迎ですが、一度MacBookで廃止に向かった技術を復活させるとはちょっと今回のAppleの動きは不思議ですね。ブランド全体で捉えれば、迷走ともとられかねない挙動です。

しかしいずれこのマグネット式Lightningコネクタが実現したら、今後はこの技術が再びMacBookシリーズにも再導入される可能性もあり、それもいいことなのかなと思います。全ては推測の中での話ですが、現行のLightningコネクタにはMFi認証による収入もあることからそれを簡単に手放すとは考えられにくく、AppleはiPhone/iPadに関してはすんなりとUSB-Cを導入しないような気がします。

記事は以上です。

(記事情報元:Patently Apple

Visited 136 times, 1 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人