Apple、有機ELディスプレイのキャパを増強か?台湾の友達光電(AU Optronics)に投資

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Appleは台湾企業を囲い込んでiPhoneの有機ELディスプレイを自社の息のかかった範囲で調達できるようにして、サムスンと対抗するつもりなのかもしれない。

Apple、台湾の友達光電(AU Optronics)に投資の予定。有機ELディスプレイの生産キャパ増強のためか

サプライチェーンからの昨日の情報として、Appleが台湾のパネルメーカーの友達光電(AU Optronics)に投資する予定であることが伝えられている。その目的はAppleがかねてから将来のiPhoneに搭載すると噂されている有機ELディスプレイの生産キャパシティ(製造能力)を向上させるためだという。ただ、この件について友達光電自身はコメントを避けている。

友達光電_AU-Optronics
友達光電(AU Optronics)の中国蘇州工場の外観写真

鳳凰科技の報道によれば、Appleは友達光電を有機ELディスプレイのサプライヤーにし、将来的にiPhoneのために部品を供給するように望んでいるという。もし友達光電がAppleの投資提案に同意すれば、友達光電の売上げや粗利益は大きく成長するものとみられる。ただ、友達光電としては単一製品ラインや各顧客に関することについてのコメントはしないとしているため、事実かどうかは現在のところ不明だ。

 

友達光電は台湾の最先端パネルメーカー。目的はサムスンとの対抗か

過去10数年、友達光電は長らく有機ELディスプレイ(AMOLEDディスプレイ)の開発を続けており、既に多くの技術特許を取得している。昨年、友達光電は中国企業、例えばファーウェイ(HUAWEI)やTCLに向けて有機ELディスプレイの出荷を始めた。Appleが現在iPhoneに使用しているのはLTPS (Low Temperature Poly-silicon)ディスプレイで、製造しているのは日本のJDI(株式会社ジャパンディスプレイ)、シャープ(SHARP)、そして韓国のLGだ。Appleは友達光電に投資して同盟を組もうとしているのは、その目的は完成品としてのスマートフォンやタブレット市場でライバルとなっている韓国のサムスン(SAMSUNG)電子との競争を有利に進めるためだとみられる。

友達光電は台湾を代表するパネルディスプレイメーカーだ。なお、上記の噂を受けて友達光電の株価は昨日5.15%(1株あたり9.53ニュー台湾ドル、約33.65円)上昇した。

なお、来る1月28日に友達光電は株主総会を開き、2015年の最後の四半期の財務レポートを行うとされており、また現在の四半期の業績予測も公開するものとみられる。

 

画蛇添足 One more thing…

これが株価を操作するための噂ではないことを祈るのみだ。ただ、AppleはiPhoneに搭載されているメインチップ(SoC)のみならず、有機ELディスプレイでもサムスンを頼るとなると、多くの面でサムスンに生産キャパや製品性能を左右されることになる。それを避けるための行動と考えれば、今回の措置は納得のいくものだ。

いずれにせよ、友達光電の財務レポートや業績予測を観測し、それが突然よくなるようなことがあれば今回噂になっているAppleからの投資があったものと見ていいと思われる。

ただし、最終的にいつからiPhoneに有機ELディスプレイが採用されるのか(業界の噂では2018年の、順当に番号付けが進めば【iPhone 8】から)、また友達光電から部品が支給されるのか、更には複数社からの購買を進めたいAppleとしては友達光電1社のみからの購入になるかどうかも不明だ。

Appleは台湾に研究室を設置して自社でも有機ELディスプレイの研究をしているという情報もあった。

また韓国のLGディスプレイが既に有機EL生産工場に対して巨額の投資をしているという情報もある。将来のiPhoneが有機ELディスプレイを採用するということで、日本・台湾・韓国・中国企業がさながら投資合戦の様相を呈しているようなところもある。

今回の報道が正しく、Appleが台湾の友達光電に投資したとしたら、iPhoneの有機ELディスプレイの採用に関しては友達光電が一歩リードしたことになる(メーカー・サプライヤー自社の投資よりも、Appleからの投資であれば生産ラインを独占的におさえることができ、言うことを聞かせられるからだ)。

現在はiPhoneに採用されている日本企業のJDIやシャープ、そして韓国のLGもうかうかしていられないだろう。

記事は以上。

(記事情報元:鳳凰網科技

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