本日未明にブログ記事でもお知らせしたとおり、AppleがiOS8.3正式版(iOS8.3.0)をリリースし、多くのバグなどを修正した。また安定性なども向上し、通常ユーザにとってはインストールするに値するiOSバージョンになったのかもしれない。
しかし脱獄(ジェイルブレイク、Jailbreak)ユーザにとっては、iOS8.3のリリースはいい知らせとはいえないかもしれない。なぜならAppleはiOS8.3で多くのセキュリティホールを修復し、それには現状世界最新の脱獄ツールを開発している中国のiOS脱獄ハッカーチーム、TaiGチーム(太极团队)が発見したセキュリティホールが少なくとも1つ以上含まれているからだ。
あのMuscleNerdが、iOS8.3ではTaiGチームの発見したセキュリティホールが塞がれていると報告
欧米のハッカーチームとしては以前最強を誇ったevad3rsのメンバーにしてまとめ役でもある@MuscleNerdが、iOS8.3がリリースされてからすぐに彼のTwitterアカウント上で、今回のiOS8.3では39個ものセキュリティホールが修正され、そのうちの1つはTaiGチームが発見したものだとツイートした。
The 39 security bugs fixed in today's iOS 8.3 https://t.co/eiV23ubkpv rivals the 7.x->8.0 release (but JBers still need to avoid it)
— Ⓜ MuscleNerd (@MuscleNerd) 2015, 4月 8
iOS8.2においてもAppleはTaiGチームが発見したセキュリティホールを塞いでおり、これはiOS8.2やiOS8.3の脱獄の実現が楽観的ではなくなってきたことを示している。MuscleNerdは上記のツイートで、脱獄ユーザのiOS8.3へのアップデートを推奨していない。
iOS8.2/iOS8.3用脱獄ツールはTaiGなど中国のハッカーが開発中。待つしかない!
ちなみに最新の脱獄ツールではiOS8.1.2までしか完全脱獄できない(iOS8.2ベータ版を除く)。また、現状ではどのハッカーも、そしてどこのハッカーチームも次にいつ脱獄ツールをリリースするかを表明していない。しかし、当ブログでもお知らせしたとおり、TaiGチームが先月北京でMSS(モバイルセキュリティサミット)を開催し、TaiGチームが現在iOS8.2やiOS8.3の脱獄ツールの開発にいそしんでおり、その開発では中国のハッカーが主要な役割を握っていることがわかっている。
いずれにせよ、脱獄ユーザは最新iOSにしないように気をつけつつ、中国のiOS脱獄ハッカーの活躍による脱獄ツールの登場を待つしかない(基本的に脱獄ツールは無料で、有料ツールはフェイクなので要注意!)。
記事は以上。