小米(シャオミ)のCEOレイジュン(雷軍)、同社の将来の発展について語る

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小米_美女

「皆さんに誤解しないでいただきたいのは、小米はEVも作っていませんし、家の内装もしません、また不動産業に進出する予定もありません。」

3月6日、中国全国人大代表で(日本的にいえば国会議員)、小米(シャオミ、xiaomi)の代表取締役社長、レイジュン(雷軍)が「華夏時報」の取材にこたえ、市場で多くの”小米はどんなことでもする計画がある”という噂があるが、それらは小米オフィシャルとしては全く関係ない、と誤解を払拭しようとしている。

2014年、小米は触ったらやけどするほどホットなネット企業となり、また中国国内で最大のスマートフォンメーカーとなった。レイジュンによれば、2015年には小米の販売台数は8,000万〜1億台になるという。しかし、小米がAppleを超越するつもりだといういわれ方について、レイジュンは小米はあくまで市場規模を重視し、「Appleとは違う領域を目指す」と述べている。

小米_雷軍_xiaomi_Lei-Jun_シャオミ_レイジュン

小米は何でもやるわけではない

今年の全国両会(日本の国会のようなもの)で、レイジュンは2つの政策法案を提出した。そのうちの1つは長年叫ばれている”公司法(企業法)”の改訂で、もう1つは今後火が付きそうなスマートホームに関する領域の提案だ。レイジュンは、インターネットと家電等の伝統企業の開放と協力関係を結ぶことによって、スマートホームデバイスの統一基準を作ることを呼びかけている

レイジュンは、現在のスマートホームは過渡期の混乱状態にあり、各メーカーが勝手に自分の製品基準を乱立させていると考えている。「みんなが自分のエコシステムを構築しようとしている。ひどいものは、完全にクローズドなエコシステムにしようとしている。しかし私は、クローズドなエコシステムは長続きしないと思う」。彼は、各方面が協力することで、最終的に比較的開放されたエコシステムを構築することを望んでいるという。

携帯市場から立ち上げ、2014年初頭には小米は産業チェーンへの投資を始めた。レイジュンの計画では、将来的に100社のスマートハードウェアメーカーに投資するとのことだ。現在のところ、小米は紫米科技等27社に対してベンチャー投資をしており、モバイルバッテリー、Go Proのようなアクションビデオカメラ、空気清浄機などの各種製品をリリースしている。また、小米は美的(家電メーカー)、Youku(優酷、ネット動画サイト)、QiYi(愛奇藝、ネット動画サイト)などと戦略パートナー関係を結んでいる。

これらの積極的な投資が、”小米は何でもやる”という噂をかき立てたようだ。

これらに対して、レイジュンはメディアを通じて、市場で笑えないような噂について、例えばEVや家の内装業界に進出するというものについては全く小米と関係がないと明確に否定している。

「過去一年間、私も状況がよく見えていませんでした。一日中朝から晩まである人が、私がEVを作ると触れ回っていて、3ヶ月前になぜそのようになっていたかをようやく突き止めました。とある会社が陰でこのような噂を流していたのです。しかもその会社はなんと”雷軍電動車”という社名だったのです!しかしこの会社は私や小米とはそれこそ1銭の金銭関係もありません。」営業のうまいレイジュンでさえ、「こういう営業の仕方はちょっと悪いやり方ですよね」と笑うほどだ。現在、様々なルートを使ってこの会社と連絡を取ろうとしているところとのこと。

上記の通り、EVの他にもう1つ微妙なのが”小米ホーム”だ。過去数ヶ月、小米が内装業界に進出するという噂が繰り返し耳に入るようになり、多くのユーザが小米に家の内装の見積を依頼したり、フランチャイズ加盟について問い合わせが入るようになったという。これについてレイジュンは、小米は一切内装については行っていないことを断言し噂を払拭している。この噂の背後には、実はとあるアントレプレナーがレイジュンと連絡をとった後、”愛空間”という社名の会社を立ち上げたといい、そこに小米の子会社のベンチャー投資企業”順為資本”がほんの少しだけ投資をしたという。しかし同社と業務内容については小米本体とは一切何も関係がないという。またレイジュンは将来的にも不動産関係に進出する気は全くないという。

レイジュンによれば、この5年間で小米の布陣は終了し、これから新しいジャンルに広げていくことはないという。つまり、携帯電話、タブレット、テレビ、テレビ視聴ボックス、ルータを5つの柱とし、「その他の製品については、全て別の会社が作っている」という。彼は同時に、小米はエコシステムを構築しようとしており、そこで小米は自社が投資した企業としか協力関係を結ばないというが、それは事実ではないという。「始めた頃は、誰も我々と協力関係など結ぼうとしなかったんですよ。だから自分で稼いで自分で投資するしかなく、そうやって積極的にプッシュしていくしかなかったんです」とレイジュンは解説している。

今後5年内はIPOはしない

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今回のメディアとの交流で、レイジュンは初めて2015年の小米の業績目標を公開した。
レイジュンによれば、2014年に小米は6,500万台を出荷し、6,100万台を売ったという。2015年の小米の予測販売台数は8,000万〜1億台としており、営業収入は1,000億〜1,200億人民元(約1兆9288億円〜2兆3,145億円)となるという。彼は同時に、将来5年間、小米はIPO(証券市場への上場)を目指さないという。

そして面白いのは、市場からは”オタクの逆襲”とみなされている小米は、常にAppleと比較されて話題となることだ。それは殆ど劇場化されているといってもいい。

多くのマーケティングリサーチ企業が、2014年には小米は中国国内市場で出荷量がNo.1となり、韓国Samsung(三星)の牙城を崩したといわれている。しかし一方では、昨年第四四半期には大型ディスプレイのiPhone6/6 PlusがAppleからリリースされ、Appleの出荷量が爆発的に増え、中国国内でこれまで5位に甘んじていたのがあっという間にランキングを上り詰め、1位か2位に入ったとされる。これもまた、小米とAppleのトップ争いとして話題を呼んだ。

更に一部のメディアで報道された、以前レイジュンが10年以内にAppleを超えると発言したことが、余計にこの2社が争っているという話題を作り出すこととなった。しかしレイジュン本人はメディアに対して、「私は一度もAppleをやっつけるなんて言ったことはありませんよ」と否定している。

私たちはAppleとは違うんです。Appleは市場No.1を求めている会社ではないかもしれませんが、私たちはインターネット企業として、ユーザ数を最も重視します。それは私たちにとっては販売額や利益よりも重要な要素です。というわけで、私たちが気にしているのは、10年以内に市場シェアNo.1のインターネット企業・携帯電話メーカーになっているか、ということです。Appleにとっては、そこは全く気にしていないでしょう」。

2014年、小米は正式にグローバル化を進め、インド市場をはじめとした多くの新興市場に進出したが、中国国内市場での競争激化による他社の追随だけではなく、初めて海外での大規模な特許訴訟を経験している。特に後者ではエリクソンがインド市場で小米に対して起こした訴訟によって販売停止処分となる危険性がある。またAppleの幹部たち、特にデザイントップのジョニー・アイブ(Jony Ive)がかつて小米はAppleのコピーをしているということを述べていることもあり、将来的にAppleが小米に対して何かを仕掛けてくるかもしれないことが懸念されている。

これに対してレイジュンは、特許訴訟合戦については、スマートフォン業界においてはこれは単にゲームのルールに過ぎないと考えているようだ。AppleだろうとSAMSUNGだろうと、毎年のように訴えたり訴えられたりして、みんなが原告であり被告だとし、「小米の特許の蓄積が比較的少ないので、割を食っているだけです」と考えているようだ。彼は同時に、これから3〜5年以内に、これらのトラブルは更に増えるだろうと考えていると正直に発言し、積極的な心持ちを崩さないつもりだという。「訴訟は小米が成人の日のようなもので、グローバル化するためには通らなければならない道だと考えています」。

画蛇添足

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レイジュンが言いたいのは、シェアをとってしまって、ユーザを取り込んで味方にしてしまえば何でもできる。。ということなのだろう。それもまた真だ。

更に彼はスマートホームの標準化を進め、業界そのものの活性化を進言している。素晴らしいことだと思う。

以前小米の紅米Note(Redmi Note)を買ったことを書いたが、デバイスだけ見ても小米のその成熟度、そして圧倒的なコストパフォーマンス、更に物流などを含めた改善、圧倒的なユーザ参加・主導型のインターネット企業としての立ち位置を確認した。今月には小米Noteのハイスペック版が登場するし、Go Proのようなカメラも3月10日に売り出される(日本・中国時間3月10日未明のAppleの新製品発表イベントのタイミングを狙っていると思われる)。

小米の動きには今後も注目だ。

なお、レイジュンの人を奮い立たせるようなインタビューについて友人のブログで日本語で紹介されているのでぜひご覧あれ。

・華やかに見える小米手机(Xiaomi:シャオミ)への報道の見立て
・奮い立つ!小米(Xiaomi)董事長 雷軍の台湾での新年の挨拶(前編)
奮い立つ!小米(Xiaomi)董事長 雷軍の台湾での新年の挨拶(後編)

記事は以上。

(記事情報元:華夏時報

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