先週Appleが公開した文書の中で、同社は初めて2014年にAppleがCEOのティム・クック(Tim Cook)個人のセキュリティのために699,133米ドル(約8,233万円)を支払ったことを明らかにした。
Appleが公表した文書の中で、クックの昨年の収入が920万米ドル(約10億8,348万円)で、セキュリティ費用はその中で”その他の報酬”に含まれていることがわかっている。クック個人のセキュリティの出費は年々増加する傾向にあり、2012年は17,274米ドル(約203万円)、2013年は52,721米ドル(約621万円)となっていた。そう考えると2014年は2013年の10倍以上と飛躍的に上昇していることがわかる。
Appleは書類の中で、同社のセキュリティ保護措置について、”従業員には特別手当は出さず、また幹部にも通常はセキュリティ措置は提供しない。会社としてはこれは彼の個人の利益となる特別手当とは考えておらず、会社がクックに提供する家庭と個人のセキュリティ保護措置と考えている。なぜなら彼個人のセキュリティは会社と株主にとって大変重要だからだ。会社としては、これらのセキュリティ保護措置は会社の利益にとって非常に合理的でそして必須のものだと考えている”と説明している。
実はテクノロジー業界を含む多くの業界で、このようなセキュリティ措置は珍しいことではない。例えばオラクル(Oracle)のCEOラリー・エリソン(Larry Ellison)は、セキュリティ費用として1,530,610米ドル(約1億8,026万円)も使っている。
なお、ティム・クックは2013年と2014年に自身に与えられた休暇を使っておらず、そのためにそれぞれの年に35,000米ドル(約412万円)と56,923米ドル(約670万円)の特別手当ももらっている。彼の給与に比べれば微々たるものだが、我々一般人から見ると有給休暇の買い上げだけでそれだけもらえるとは何とも羨ましい限りだ。
画蛇添足
2013年から2014年にセキュリティ費用が10倍以上に跳ね上がった原因はなぜか、問いただしてみたい気もする。もしかして、同性愛であることをカミング・アウトしたことも影響しているかもしれない?
しかし、これだけ給与がもらえるということは、やはりその地位にしがみつきたくなるのはよく分かる話。。これだけ給与をもらっているのだから、もっと問題のないまともなOS出してくださいよ、ダサい線が入ってなくてカメラが飛び出てないスマホ出してくださいよ、お願いしますよ、と頼みたくなってしまう。
ちなみに創業者のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)はAppleからの基本給与は1ドルしかもらっていなかった(但しピクサーから報酬を得ていた。ディズニーの個人筆頭株主となった時には役員報酬を辞退している)。なお、同じく共同創業者でAppleの礎となったApple IやApple IIを一人で完成させたスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak、ウォズ)は今でもAppleから一般従業員並みの給与をもらっていることを自著「アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝」にて語っている。
記事は以上。