Apple Watchはなぜラグジュアリーウォッチとは比べ物にならないのか

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多くの人が、Appleが今年リリースするApple Watchがラグジュアリーウォッチなのか、それとも普通のラグジュアリーウォッチにないある程度決まった機能が追加されただけの時計なのか、という分析をしようとしている。数日前、Above Avalonの記者Neil Cybartが書いた文章では、Apple Watchはいくらどれだけ機能が増えてもやはり単なる腕時計にすぎないという。そう、iPhoneがあくまでも携帯電話であるのと同じように。

Cybartは、Apple Watchは従来のラグジュアリーウォッチと並べて比較するべきではないとしている。もっと重要なのは、ラグジュアリーウォッチの優勢とは、”恒久的な価値”にあるという。これはまさにApple Watchが面している拭いがたい問題でもある。これまでのラグジュアリーウォッチは、時間の洗礼を受けてもその価値は変わらず、また持つ人が代替わりをしても次の代にそのまま受け継がれてきた。Apple Watchはそれとどうやって競争するというのだろう?一体誰が、数十万円(もしかしたらApple Watchの高級バージョン”Edition”はそのくらいになるかもしれない)も出して、時間の洗礼を乗りきれない製品を求めるだろうか?

しかし、恒久的な価値は、Apple Watchが考慮するべき問題ではない。なぜなら、Apple Watchはもともとラグジュアリーウォッチなどではなく、単なる1つのデジタルデバイスでしかないからだ。デジタルデバイスとして、Apple Watchの本当の競争相手は伝統的なラグジュアリーウォッチではない。Apple Watchがいくら優秀な時計であったとしても、アップグレードや代替わりを余儀なくされる。逆に、Apple Watchはモバイル腕時計型コンピューティングデバイスを促進する役割を果たすだろうし、既にiPhoneやiPadを持っている子供や家庭ユーザは、更に追加してApple Watchを買おうと思うだろう。

画蛇添足

まさにCybartの言うとおり、デジタル技術の日進月歩の進化の中で、Apple Watchの代替りはどうしても欠かせないものだ。特に株価を気にするクック船長の指揮下のAppleにとっては、iPhoneと同様1年に1回のマイナーチェンジと2年に1回のメジャーバージョンアップが求められる。1年や2年に1回買い換えるものに、iPhoneなどスマートフォン以外に更に他のデバイスが増えたら。。お金がいくらあっても足りなくなる。それがもしラグジュアリーウォッチのような値段だったらなおさらだ。

ラグジュアリーウォッチがなぜ恒久的な価値を持つのか?基本的に、機械式の高級腕時計の機能は、昔からほとんど変わっていない。時計、カレンダー、クロノグラフ、ムーンフェイズ、、様々な機能があるが、これらの機能はクォーツやコンピュータの登場であっという間に簡単にできるようになってしまい、更に値段もぐっと下のものに負けてしまうことになった。一番大事な時計の機能もクォーツの方が断然桁違いに精度が高い。現在は電波時計機能で時間はさらに正確になってしまった。更にコンピュータであれば時計以外の機能もいとも簡単に表示することが可能だ。

それでもなぜ人は機械式の高級腕時計にあんなにも高いお金を出すのか?それはそこに恒久的で不変の価値を見出すからだ。正直、高級腕時計は購入価格が高いだけでなく、定期的なオーバーホールにかかる費用も全くバカにならない。それでも、代が替わっても持つことができるモノというのは価値があるのだ。そして、それを大事にしているという自分の価値さえも周りに示すことができる。高級腕時計には、自分の価値を仮託することができるのだ。ブランドとはそういうものだ。

Apple Watchには正直そんな腕時計のような価値は作り出すことはたぶんできない。高級腕時計と違う、ウェアラブルデバイスとしての道を目指すべきなのは間違いないだろう。それでもEditionのようなものを出してしまうところが、今のAppleの迷走していると思われるところではないだろうか。

記事は以上。

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