昨日Gigazineにこんな記事が出ていた。
・匿名通信システム「Tor」を自宅のモデムにつなぐだけで実現できるルーター「anonabox」
ということで早速記事の中身を見てみると、どうやらこれを通せば自動的にTorで通信できる無線/有線LANルータらしい。
anonabox、仕組みはこんな感じ
ちなみにTor(トーア)とは、エドワード・スノーデンが暴露した米国政府諜報機関の監視システム「PRISM」に対しても効果があったことが極秘書類の中で明らかにされているほどの匿名通信手段。こりゃ、ロシアに亡命してしまったスノーデンレベルの匿名性が得られるってことだね。
anonabox、中国の壁越え(ネット規制回避)可能なの?
一ヶ所気になるところが。
・ジャーナリスト:ウェブが検閲されている地域でも匿名化を行った上でインターネットにアクセスできるため、安全に情報を入手可能。
しかもわざわざウェブが検閲されている地域に中国のネット検閲・制限システムのGFW(グレートファイアウォール)について紹介しているリンクを張っている。
実はTorは一時期、北京オリンピックの頃(2008年頃)の中国のネット規制回避に使われていた方法だ。かなりスピードは落ちたが、匿名性も高くしかも壁越え可能で、私も使っていた。
しかしその後すぐに中国の当局にばれてしまい、そのグレートファイアウォールによって、TorなどP2P匿名通信プロトコルは完全にブロックされてしまい、普通には使用できなくなってしまった。だが、もしそれを超えられるのであれば画期的。
ということで、とりあえず1個Kickstarterで投資してみた。
Kickstarterのリンクは以下の通り。
・anonabox : a Tor hardware router
51米ドルとそんなに高くない。それに15米ドルを追加すれば米国外にも配送してくれる。
ちなみに私は既にbacker。You’re a backer.と書いてあると、「あんたバカぁ?」に読めてしまう私が悲しい。
中国に配送してもらう予定だが、INVOICEに通信機器とか書かれて税関で没収されたりしないか心配ではある。
画蛇添足:早とちり!日本語では(勝手に)あのなボックスと命名
その後上記のKickstarterの原文見たら、、
The journalists and protesters might be able to get back out to the regular Internet if they could just run a vpn or proxy through it.
とある。
ということはVPNやプロクシ(SSH接続等)で先に壁越えてないと(=規制回避してないと)ダメってことじゃないかい!(ちなみに中国壁越え=ネット規制回避の方法は当ブログ記事でまとめてある)
Gigazineの記事はかなり誤解を与えているかも。
そりゃ安全に情報を入手可能かもしれないけど、まず接続するための前提条件がいるではないかい!
これを繋いだ後、端末側でVPNを超えられるのかが問題だ。しかも恐らく無理だ。
ルータモデム側で壁を超えなきゃいけないなら、結構ハードル高い(VPNルータって結構値段するので)。
もっとちゃんと読んでから買えばよかったが、まあいいか。とりあえずリアルタイム検閲に関しては更に匿名性を保つことが可能ということになるのだから。
とりあえず届いたら使ってみることに。
報告はもちろんブログ記事にする予定。
なお、スノーデンにいわせればFacebookやGoogleそのものに近づくなと。というわけでTorを使っても、それらのサービスを使っている限りは、そこにアクセスしたり蓄積したデータに関しては米国政府の検閲の対象となるので、そこは誤解のないように。
そんわけで私は個人的にこのanonaboxに、日本語で「あのなボックス」に命名することにした。
あのなー!
おあとがよろしいようで。。
(そのまんまやがな、というツッコミは歓迎)
記事は以上。