海外のメディアgsmarenaによると、Rightware BasemarkによるApple(アップル)の最新iPhone「iPhone6」に対するベンチマークテストで、新しいA8チップを搭載したiPhone6の獲得ポイントは21,204で、iPhone5sに比べてたった5%しか向上していないという。
iPhone6のA8チップ、ベンチマークではApple公式発表とは違う残念な結果に
A8チップはiPhone5sに搭載されたA7チップと同様64ビットのほぼパソコン並のチップセットをもち、20nmプロセスで台湾のTSMCによって製造されている。チップ面の面積は89平方ミリメートルで、A7チップよりも13%小さくなっている。
9月9日に行われた発表イベントでは、Appleの公式発表ではA8チップはA7チップに比べ25%の性能アップ、GPUに関しては50%の性能アップとされていた。しかしベンチマーク結果を見る限り、iPhone6は21,204で、iPhone5sの20,253に比べて5%しか性能アップしていないことになる。iPhone5sはiPhone5に比べ85%も性能アップしていたのに比べてその差は歴然としている。
iPhone6のA8チップ、GPUは噂よりも低い性能のGX6630を採用の可能性
AppleのA8チップの動作クロックは1.4GHzで、これまで通りCycloneデュアルコアを採用しており、内部のGPU(画像処理チップ)は6コア版のPowerVR GX6650で、192個のコアプロセッサも含んでいるとされていた。GX6650はImagination社が今年頭のCES 2014で発表した最高級のGPUで、同社の最高級のPowerVR Series6Xシリーズに属するものだ。
しかしGPUが本当にGX6650ならば、理論的にはiPhone6のベンチマークテスト結果はもっと明らかにiPhone5sよりもいいはずだ。現在のところGPUが確実に上記のGX6650が使用されているかは確認がとれていないが、ベンチマークテストの結果を見ればGX6650より少し性能が劣るGX6630が採用された可能性もある。
画蛇添足:iPhoneはベンチマークテスト結果が全てではない。が。。。
ベンチマークテスト結果は大したことはなかったが、これが実際のユーザ体験に結びつくかというとそうではない。特に新しいiOS8がどのくらいコードが効率化され、A8チップとの親和性が高くなっているかが鍵を握る。ソフトウェアとハードウェアの親和性が他に全く真似ができないほど高いレベルのiPhoneは、どのAndroidのフラッグシップモデルよりもスムーズな動きをするだろう。
いずれにせよ、CPUのスピードやベンチマークテストの結果はそれほどスマートフォンの性能そのものには影響しないともいえる。よっぽど重たい画像処理の3Dぐりぐりのゲームを遊ぶのでなければ。私からいわせればもう既にCPUは十分に速い。MacやPCと同様、他のところにボトルネックがあるような気がする。
AndroidがオクタコアCPUの時代に入っても、AppleのiPhoneが相変わらず1.4GHzのデュアルコアCPUを採用しているのは理由がある。
iPhoneはエンジンとの相性が非常によく性能を究極に引き出す車体を持っているスーパーカーのようなものなのだ。
それにしてもここまでiPhone5sとの差がはっきりしないと、5sから6というメジャーバージョンアップをしたはずなのに大して性能アップしてないじゃないか、という批判が成り立ってしまう。
5sでもう少し手加減するべきだったのか、それとも。。
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