Appleが中国国内でiPhone5sとiPhone5cを世界と同時に販売して2週間。
Appleの予測に反し、廉価版iPhoneのiPhone5cよりも、
ゴールド色のiPhone5sの方が中国国内市場に圧倒的に受け入れられているようだ。
しかし中国国内では隣の香港やその他諸外国と比べて、
iPhone全体の価格がずいぶんと高くなっている。
その原因は一体何だろうか。
当然中国独特の重い増値税(通常17%)が上乗せされていることが最大の原因でもあるが、
更にその原因の一端は、これまでのAppleのiPhone輸送経路にありそうだ。
これらの輸送に関するコストを削減するため、
Appleがその輸送経路についててこ入れをすることがメディア情報で伝わってきている。
iPhoneの組立を一手に引き受けていることで有名な、
台湾メーカーのFoxconn(富士康)。
AppleはこのFoxconnから中国国内のApple Storeや公式リセラー(小売店)に、
直接出荷するという方法に変更することを検討しており、
台湾メディアのDigitimesから出されたニュースによると、
Appleは既に中国の税関部門と中国国内への直接出荷に関して手続きを開始しているという。
ここまで読んで、
「え、じゃあ今まで直接送らず何をしてたの?」と思う人の方が正常だ。
私も正直そう思う。
実はこれまでAppleは、
iPhoneをFoxconn(一ヶ所ではない)から出荷させた後、
まず香港或いは深圳の港湾まで運ばせて、
輸出をした後、再度輸入をして中国のApple Storeや小売店に納品していた。
なぜそんな煩雑で無駄と思われるようなことをしていたかというと、
恐らくこれまでAppleは物流を一元管理した方がよいと考えていたか、
AppleにとってiPhoneの世界最大市場である本国米国へのiPhone供給が最優先であったか(中国国内直接出荷をすると、中国国内に根こそぎ持って行かれる可能性がある)、
或いは中国税関や政府とAppleの間で何らかの取引があったことが原因として考えられるのではないか。
しかしもしFoxconnから直接中国国内への出荷が実現すれば、
当然輸入関税や運送費の削減が見込まれる。
その分が消費者に還元されれば、
iPhoneの中国国内販売価格の低下に繋がる。
それがiPhoneの売上げを促進し、
AppleにとってiPhoneの世界で2番目の市場の中国市場での販売数量が激増すれば、
Apple自身の業績の大幅アップに繋がるという大切な決断となる。
実は9月から、Foxconnの中国河南省鄭州工場からは、
少量だが中国国内向けの出荷が始まっているという。
Foxconnのインドネシアやブラジルの工場も、
直接自国内への出荷について検討をしているという。
やはりメーカーとしては地産地消が一番で、
いったん輸出するなどという行為は無駄以外の何物でもないと私も思う。
記事は以上。