Appleは今年秋に次世代iPhone【iPhone 7s】シリーズと、iPhone発売10周年記念(アニバーサリー)モデル【iPhone 8】或いは【iPhone X】をリリースするとみられている。そして特に後者は今年最も注目されるスマートフォンと目されている。
そして10周年記念モデルのiPhoneはディスプレイが5.8インチとなってこれまでよりも大きくなり、有機ELディスプレイや曲面ディスプレイ採用によって更にその品質が向上するとみられている。更にもう1つの噂としては、内部構造を見直してバッテリ容量を増やすというものがある。
次世代iPhone、iPhone 8のバッテリー容量が大きくなるとコストアップに
確かに、現行のiPhone 7シリーズはiPhone 6sシリーズよりもバッテリ容量が大きくなっている。iPhoneは基本的に、代を経るごとにバッテリ容量が大きくなっているのだ。
もし【iPhone 8】或いは【iPhone X】のバッテリーが従来よりも40%増えるという噂が正しければ、確かにユーザにとっては朗報だ。多くの人がiPhoneのバッテリの持ちはそれほどよくないと感じているからだ。しかしアナリストによれば、そのバッテリーの容量増加によってiPhoneの価格に影響することが心配されている。なぜなら大きいサイズのバッテリーの購入にはコストアップがつきものだからだ。
しかしiPhoneのコストの大半はディスプレイパネル(フロントパネル)によるものといわれていて、バッテリ一つが値上がりしてもいくらでもないと考える人もいるかもしれない。確かに、昨年IHSの分解後の分析によれば、iPhone 7のバッテリのコストは2.5ドル(約284円)で、つまり40%増量されると1ドル(約113円)ほどの追加という計算となる。
またApple社自身のサプライチェーン管理能力と交渉能力、そして購買量によって、更に購買単価を下げることも可能だろう。
新たな問題。。バッテリーによく使われる原材料コバルトの価格が急騰中
しかしアナリストはここにきて、Appleは新しい問題に直面していると分析している。
それは、最近鉄族元素のコバルトの価格が昨年の倍以上に跳ね上がっていて、特にここ数ヶ月の上昇が激しく、正に急騰中であることが指摘されているのだ。
下のロンドン金属取引所のコバルトの価格グラフを見れば、その価格高騰・急上昇は一目瞭然だ。
コバルトの価格急騰は次世代iPhone価格上昇の要因の一つ
コバルトはリチウムイオンバッテリーの肝となる部品で、言うまでもなくコバルトの価格が上昇すると、iPhoneに使用されているバッテリーの製造コストも更に高くなるのは間違いない。
このことは確かに細かいことのようにみえるが、もしAppleがワイヤレス充電機能や更に大きいディスプレイサイズを採用するとなると、更にコストが上昇するのは火を見るより明らかだ。
そしてAppleはできるだけ自社の”利益率”を確保しようと動くため、次世代iPhoneは現行のiPhone 7シリーズよりも値段があがってしまうのは避けられないとアナリストは分析する。
売価の上昇は消費者心理にも影響する
価格の上昇は消費者心理にも強く影響する。もし【iPhone 8】或いは【iPhone X】の価格がぐっと値上がりするとなると、やはりどのくらい値上がりするかによっては買い控えが出てしまうだろう。そして上記の通り更にここにきてコバルトの価格が凄まじい勢いで上昇し、この流れが続いた場合、これからどんなことが発生するか誰にも予測できない、とアナリストはいう。
「もし消費者が次世代iPhoneにより多くのお金を支払うとしても、それほど驚くべき事ではないと思う。しかし更に大きいバッテリーとコバルトの価格上昇は、たった1つのモジュールがデバイスそのものの価格を高くしてしまうことを表している。細かいことだが、無視することはできない」
画蛇添足 One more thing…
これまでの噂情報では、【iPhone 8】或いは【iPhone X】の価格は最低容量のモデルでも1,000ドル(約11万3,000円)を超えるといわれている。
そこにきてコバルトなどの価格上昇で更に価格が押し上げられるかもしれない。それでもあなたは買うだろうか?
記事は以上。
(記事情報元:Seeking Alpha)