アメリカの携帯電話キャリア、AT&Tが昨日、4年間の猶予期間を経て、2G無線ネットワークを2017年1月1日に正式にクローズしたことを発表した。
AT&Tの2Gネットワーク閉鎖で初代iPhoneが携帯として使用不能に
The Vergeは、AT&Tによる2Gネットワークのクローズは、初代iPhone(iPhone 2G)がAT&Tが提供する携帯電話パケットネットワークに繋がらなくなることを意味する、と指摘している。既に2Gネットワークが閉鎖されて2週間経っているが、既に初代iPhoneを使っているユーザは殆どいないようだ。コレクション目的で初代iPhoneを集めたり使用している人は、今やWi-Fi環境下で使うか、或いは脱獄してSIMロック解除をしてまだ2G GSMの電波が残っている国や地域で使うしかなさそうだ。
初代iPhoneは既に10年前の製品
2007年に発表されリリースされた初代iPhoneは、2008年には製造停止となり、2013年にこの製品はAppleにとってはレガシー製品となり、”時代遅れ”となった。2009年にiOS 3(もともとはiPhone OS 3)がリリースされた後、この初代iPhoneはもうソフトウェア・アップデートができなくなった。AT&Tによれば、2Gネットワークをクローズすることは、例えば次世代5Gネットワークのような将来のネットワークテクノロジーのインフラのために貴重な周波数帯を空けることになると説明している。また今回解放された2Gネットワークの周波数帯は、すぐにでもLTEネットワークで使用する予定とのこと。
初代iPhoneは骨董品的価値も
初代iPhoneは既に日常的に使っている人は殆どいないと思われる。オークションでは未使用未開封の美品に200万円以上の価値がつくほど、既に骨董品扱いだ。まだ初代iPhoneを持っている人は、できるだけ綺麗なままとっておいた方が、今後価値はますます上がることは間違いないだろう。
現在のAppleの全盛期を築いた製品iPhoneの初代製品ということで、この初代iPhoneはその歴史的な意味は褪せることはなく、永遠に記録されるだろう。
画蛇添足 One more thing…
日本ではそもそも発売さえされなかった初代iPhone。2G GSMネットワーク専用ということで、日本ではGSMの電波がなかったということもあった。
しかし日本もGSMの電波が実はゼロではなく、基地局が一部対応していた時期もあった。それは海外の2G GSMのSIMの日本でのローミングの際の、認証のためだけにGSMのネットワークが使用できたのだ(実はSIMロック解除用の”SIM下駄”はその技術を使用して認証をごまかしている)。
さて初代iPhoneは脱獄してSIMロック解除しないと普通には携帯ネットワークには繋がらなくなってしまった。そんな初代iPhone、皆さんはどんな思い出があるだろうか?
私は2007年末に中国北京で手に入れ、iPhone 3Gが手に入るまで使い倒した。購入時に既に脱獄と脱獄ツールによるSIMロック解除がされていて、中国でも問題なく使用できたのを思い出す。当時は多言語が難なくできることが本当に画期的だったが、脱獄しないとコピー&ペーストができなかったのは本当に使いにくかったのを思い出す。ちなみに現在でも中国(大陸)には2Gネットワークが残っているので、中国ではSIMロック解除さえされていれば、初代iPhoneを携帯電話として使用することができる。
記事は以上。
(記事情報元:The Verge)