Apple Insiderの報道によると、アメリカのヘヴィメタルバンド「メタリカ(Metallica)」のドラマー、ラーズ・ウルリッヒ(Lars Ulrich)が、AppleのBeats 1ラジオで”It’s Electric”と題された音楽番組を担当する。最初の番組はパシフィックタイムの5月7日午後3時から始まり、今後も週1で放送される予定だ。
ウルリッヒによれば、この番組はジャンルにとらわれず、また台本もないアドリブによる音楽番組で、そして第1回のゲストはなんとイギー・ポップ(Iggy Pop)だという。ウルリッヒはZane Loweのインタビューを受けた際に、この番組は国境を越え世界的なオーディエンスに向けたものにする、と答えている。
「僕はみんなにもっとたくさんのクールな音楽をプレイしてもらいたいと思っているんだ。流す音楽は恐らくみんながそれほど聴いたことがないアーティストによるもの。僕達は限界というものを信じず、全てをオープンにしている。多くの人が僕に電話をかけてきて、毎週番組を聴くよって言ってくれるんだ」とウルリッヒは語る。「多くの人が、音楽業界はめちゃくちゃで、もう消滅しかかっていると言っている。でも、まだまだ美しい音楽は存在しているから、僕は全世界のオーディエンスと僕が興奮するようなものを共有したいんだ」
Appleのストリーミングミュージックでは、Apple Musicで大量に独占的なコンテンツを用意しているほか、Beats 1ラジオも非常に重視されている。Beats 1には多くのビッグアーティスト達がBeats 1オリジナルの番組を持っていて、それぞれが独特な音楽をかけている。
Beats 1はAppleが買収したBeatsの代表者だったDr. Dre(ドクター・ドレー)が担当していることもあり、全体的に彼の得意分野のヒップホップが殆どだった。しかし今回メタリカのラーズ・ウルリッヒが加わることで、Beats 1でかかる音楽の幅が拡がることに期待が寄せられている。イギー・ポップがゲストというのもなかなか面白い。今後のウルリッヒの活躍に期待したい。
ちなみにラーズ・ウルリッヒはドラマーでありながら多くのメタリカの楽曲の制作に関わっている、メタリカのオリジナル・メンバーであり、しかもバンドの中心・核心となる人物だ。ただ17年前の2000年に、メタリカは当時ファイル共有ソフトをリリースしたナップスター(Napster)を著作権侵害として訴え、ウルリッヒはメタリカを代表して法廷で表立ってナップスターを批判するなど、ネット音楽配信反対派の急先鋒のような存在だった。そんなウルリッヒがAppleのBeats 1に参加するというのはなかなか隔世の感がある。
私個人的にもHR/HMは大好きで、メタリカも大好きなので、今後のAppleでの活躍を期待したい。
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(記事情報元:Apple Insider)