ジョニー・アイブCDOがiPhone Xのデザインを語る。Appleは長い間全画面ディスプレイを渇望していた

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最近、Appleのデザイン部門のトップ、ジョニー・アイブ(Jony Ive)CDO(Chief Design Officer)が、スミソニアン・マガジン(Smithsonian Magazine)の取材を受け、そこで彼が1人のデザイナーとしてどのようなスタートを切ったのかから、Appleの新社屋Apple Park、また現在最新のiPhone Xのデザインまで語っています。その中で、iPhone Xのデザインについては皆さんの注目を集めるところだと思うので、紹介します。

Jony-Ive_Smithsonian-Magazine

ジョニー・アイブが子供の頃、彼の父親はデザイン&テクノロジー学院の教授で、彼にいつも他とは違うクリスマスプレゼントをくれていたそうです。。それはある約束の書でした。「もし君が時間を使って何をしたいかを決めるのであれば、絵を使ってそのアイデアを膨らませなさい」ジョニー・アイブは振り返ります。「父は私に時間をくれました。そして一緒に大学のアトリエに入って、それを完成させたのです」

ジョニー・アイブ達は親子で共に家具や手押し車、そしてログハウスを一緒に作りました。木材や各種の金属の材料を使って工作をしたのです。ジョニー・アイブは、「私は物心がついた頃から、絵を描いたりモノを製作するのが好きでした。」と語ります。ジョニー・アイブはずっとそのシンプルなデザインで知られています。しかしここ数年、自身の絵画作品はどんどん少なくなっているということです。

その他にも、ジョニー・アイブはiPhone Xについても言及しています。アイブは全面ディスプレイこそがAppleが”何年も渇望していた”ものだったと語っています。彼はインタビュアーが使っているiPhone 7 Plusを手に取り、「私が見ると、これはいくつかの相当に繋がりのない部品たちが1つのケースの中に収められているようにしか見えないのです」と話しました。

しかしジョニー・アイブは更に、デザイナーはいきなり1回目で全てのものごとをうまくできるわけではないということも指摘しています。もちろん、自分自身も含めて。例えばApple Watchは初期のユーザなどからの批判によって、その機能を調整したといいます。「私たちは常にずっと正しいわけではありません」とジョニー・アイブはAppleの製品が完成するまでの過程について語ります。「デザイナーとして、私たちは常に学んでいかなければならないのです」

以前、ジョニー・アイブがAppleのイノベーションについて聞かれたときに、「私個人的には、現在有効な機能の道や、どんな対価を払っても守らなければいけない道というのは、失敗に向かう道だと思っています。短期的にはそれではリスクも少ないし、より安全な道ではあるのですが。」そしてアイブ氏はこう続けています。「もしあなたがもっといい方法を見つけたら、現状を固持することは最良の方法ではなくなってしまうのです」。

ジョニー・アイブ氏のインタビューはもっと長いのですが、この一部だけ抜粋しただけでもなかなか示唆に富んだものになっていると思います。ただ、過去の製品を否定することで新しいイノベーティブなモノを生み出しているとはいえ、特に私もまだサブとして使っているiPhone 7 Plusを手に取っての上記の台詞は、当時少なくないお金を出して買ったユーザにとってはちょっと残念なんじゃないかと思ったりします。その当時はジョニー・アイブとしても最高のモノを作っていたことは間違いないはずですし、ユーザもそれを信じて買うわけですからね。いつか、iPhone Xもそのようにいわれてしまう日が来るのでしょうか。。

まあ、それもやはり非凡な製品を常に生み出していくためには必要なことなのかもしれません。最近は個人的にもiPhone Xの操作に慣れてきて、やはりFace IDはいくつかの不満もありながらも、素晴らしいと思うようになってきました。いいものって後からわかるものなのかもしれません。考えてみれば、最近のAppleでいえば初代iPodや初代MacBook Air、初代iPhoneでさえデビューした直後はかなりの批判を浴びていました。それでもやはり時間が経つにつれ、代を重ねるごとに、その素晴らしさが認識されていくような気もしています。

話が逸れましたが、ジョニー・アイブCDOのインタビューについては、Smithsonian Magazineのページで見ることができます(英語ですが)。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors

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