ジャパンディスプレイ(JDI)が2018年発売のiPhone用の有機ELディスプレイを製造することを認める

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ロイター社(Reuters)の報道によると、ジャパンディスプレイ(以下JDI)が本日、2018年に有機ELディスプレイを量産し始めることを認め、12月から将来のiPhoneに採用されるのではないかという噂についても認めたと報じられた。JDIはソニー、東芝、日立によるジョイントベンチャー。現在はLGディスプレイとサムスンと競合関係にある。そしてジャパンディスプレイとLGとサムスンは皆iPhone用の有機ELディスプレイを支給するのではないかと噂されていた。

私たちは有機ELディスプレイの開発において、進化した薄膜(フィルム)トランジスタの技術で優勢があります」とJDIリサーチセンターの瀧本昭雄所長がリポーターに語っている。

有機ELディスプレイ(OLED)の構造
有機ELディスプレイ(OLED)の構造。画像引用元:H.INOUEの雑科学ノート

JDIとライバルのシャープは、既にAppleのiPhone用にLCDディスプレイを供給している。2015年、iPhoneが将来的に有機ELディスプレイを採用し、そうなると2007年にリリースされた初代iPhone以来初めてのLCDではないモデルになるとの情報が流れた。

ただそれは少なくとも3年後ということで、2018年以降のiPhoneに有機ELディスプレイが採用されるのではないかと見られていた。今回のJDIの2018年から有機ELディスプレイの量産を始めるというのもこの情報と一致する。

最近の有機ELディスプレイの噂としては、Appleが台湾に研究所を設置し、有機ELディスプレイとマイクロLEDテクノロジーを将来のiPhoneに搭載させるべく研究開発を進めているというものがあった。

そして昨年末には、Appleはいわゆる”iPhone 8″のためにサムスンとLGディスプレイの2社と有機LEDディスプレイの製造に関する最終合意に至ったという噂も流れていた。また、そのためにLGとサムスンはそれぞれ128億米ドルもの投資をして2018年のiPhoneのために有機ELディスプレイを量産する準備を進めるという情報もあった。

なお、3日前の1月20日の読売新聞の報道では、シャープが産業革新機構から3,000億円程度の出資を受けるとともに、不振の液晶事業を分社化、機構が大株主のジャパンディスプレイ(JDI)と経営統合する再建案で最終調整に入ったと報じられた。つまり日本の大手ディスプレイメーカーはほぼJDI一つになったといっても過言ではない。

今回JDIが2018年の量産とAppleへの支給を認めたことで、日本勢が一気呵成に協力し合ってAppleのiPhoneのためにディスプレイを供給することになる。日本勢対LG・サムスンの韓国勢という図式になりそうだが、Appleは他にも台湾の友達光電(AU Optronics)に投資するという話もあり、そうなると日本vs台湾vs韓国という三つ巴の争いになりそうだ。

ただ、2018年もiPhoneが現在のように大人気なのかどうかは誰もわからない。そもそもスマートフォン市場、特にiPhoneが属するハイエンド市場は世界的に市場が飽和して伸び率があまり望めないどころか、今後iPhoneの製品シリーズとしての人気の下落が心配されており、どのメーカーもそこまで巨額の投資をして回収できるかどうかは不透明だ。有機ELディスプレイに関してはある意味投機的な要素もあるのではないだろうか。

全てはAppleのさじ加減1つで決まってしまうだろう。

記事は以上。

(記事情報元:MacRumors

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