ついに折れた?Apple、約25億円でCover Flowなどに関わる特許裁判を一気に解決

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Network-1をご存じだろうか?実はテック業界では有名で、多くのテック業界の巨頭がNetwork-1の特許裁判の標的にされているが、その中には当然のことながらAppleも含まれる

物語は8年前、2008年まで遡る。当時、Mirror Worldという企業がAppleを提訴した。Mirror Worldの言い分は、AppleのMac用OS、OS XのSpotlightとTime Machine、そしてCover Flowが同社の特許を侵害しているということだった。

OS X Mac Timemachine

Mirror Worldは1996年にイェール大学のコンピュータ学部のDavid Gelerntner教授とその教え子のEric Freeman博士によって設立された会社だ。上記の特許裁判で陪審員達はAppleに、Mirror Worldに対して6億2,550万ドル(現在のレートでは約629億円)を支払うようにという判決を下したが、Appleの上訴が成功し、その巨額賠償の判決は覆された。しかし裁判官達はこのMirror Worldが所有する3つの特許について有効だと考えていたようだ。

そして今度は冒頭で紹介したNetwork-1が最近またAppleを訴えた。Network-1の言い分は、AppleのCover Flowなどが同社が1999年に取得した米国特許番号6006227番「covering a system that stores documents in a stream ordered chronologically」の特許を侵害しているというものだった。Network-1は去年同じ特許についてマイクロソフト(Microsoft)を訴えたことがあり、最終的にマイクロソフトに460万ドル(約4億6,250万円)で和解をせざるを得ないところまで追い込んだ。そしてNetwork-1の所有する特許は、実はMirror Worldからもたらされたものだったのだ(Mirror Worldは2013年にNetwork-1に買収され子会社となっている)。

ではこの特許とAppleにはいったいどんな関係があるというのだろうか?それを説明するには6年前の2010年に遡る必要がある。当時OS Xに搭載されたSpotlightがこの特許を侵害したとして、Network-1から訴えられたのだ。その際判決でAppleはNetwork-1に465万ドル(約4億6,700万円)の支払いを命じられたが、その後Appleによる再審の申請によってその請求は差し戻されたのだった。そしてNetwork-1は最近また捲土重来とばかりに再度Appleを訴えたというわけだ。Appleとしては致し方ないという感じだっただろう。

network-1_patent_Apple_Mac_OSX

そしてAppleは最終的に2500万ドル(約25億円)の支払いに応じ、一気にiTunes Cover FlowとOS XのSpotlight、そしてTime Machineなどの特許問題を解決した。Appleが支払いに応じたということは、自ら特許を重視しているという姿勢を内外に示すためにも、この25億円は必要経費だと判断したからかもしれない。

特許問題は常にテック企業の急所であるといわれている。今回Appleもそれを深く思い知ったに違いない。ただし、20兆円を超える現金保有高を持つAppleにとっては、25億円は大した出費ではない

記事は以上。

(記事情報元:PR Newswire

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