HUAWEI Mate XT2は約46万円で初日発売。Xiaomi 18 Foldは初日3.6万台か

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HUAWEI(ファーウェイ、華為)の三つ折りスマートフォン第2世代「Mate XT2 Ultimate Design(中国名は非凡大師)」が、9月12日10時08分に中国で初日販売を始めました。価格は16GB+256GBが19,999元(約46.1万円)からで、最上位の16GB+2TB手書きペンセット版は29,999元(約69.1万円)です。同じ週の9月10日に発売したXiaomi(シャオミ、小米)の「Xiaomi 18 Fold」は、第三者集計による推計で初日に約3.6万台が売れたとされます。Appleの折りたたみ「iPhone Duo」が10月23日に発売される前に、中国の2社が実売の数字を先に外へ出した形になりました。本文の円換算は1元=23.03円(三菱UFJ銀行が2026年9月11日に公表した対顧客外国為替相場の仲値TTM)で計算しています。

暗い背景の中、左に3枚の画面が折り目2本でつながった一枚の広い板として展開したHUAWEI Mate XT2を想起させる三つ折りスマートフォン、右に本のように開いたXiaomi 18 Foldを想起させるブック型折りたたみスマートフォン、奥に輪郭だけが分かるぼかした紙幣が積まれている
画像はイメージです。

Mate XT2の価格構成と発売日

Mate XT2 Ultimate Designの初日販売時の構成と価格は次の5段階で、現地メディアIT Homeが伝えた内訳とも一致します。メモリは全構成16GBで、差はストレージと付属品だけです。

  • 16GB+256GB: 19,999元(約46.1万円)
  • 16GB+512GB: 21,999元(約50.7万円)
  • 16GB+1TB: 23,999元(約55.3万円)
  • 16GB+1TB覗き見防止画面版: 24,999元(約57.6万円)
  • 16GB+2TB手書きペンセット版: 29,999元(約68.7万円、9月23日発売)

注目したいのは、覗き見防止画面が全構成の標準ではなく、1TB版に1,000元(約2.3万円)を上乗せした専用版として売られている点です。三つ折りは展開すると10.2インチの画面が横に広がるため、電車や飛行機で隣席から丸見えになります。ハードウェア方式で正面以外を黒く見せる仕組みを載せたのは、大画面を外で使うという三つ折り特有の弱点への答えです。ただし専用版だけに載せたのは、独立したデュアル画素を敷く分だけパネルの原価が上がり、全構成に載せると最下位の価格を20,000元以下に保てないからだと見られます(この理由づけは推測です)。

Kirin 9050 Proの伸び幅と薄さの意味

チップは初搭載のKirin 9050 Proで、Engadgetも伝えているとおり前世代比で総合性能42%増、IT Homeの発表資料ではCPUの単核性能24%増、多核性能52%増とされています。単核より多核の伸びが大きいのは、三つ折りが3面同時に別のアプリを走らせる使い方を前提にしているためで、1つの処理を速くするより並列に回す力を優先した設計だと読めます。

厚さは折りたたみ時12.3mm、展開時3.5mmで、3枚重ねで12.3mmという数字は1枚あたり平均4.1mmに相当し、展開時の3.5mmは一般的なスマートフォンの半分以下になります。この薄さの中に電池とヒンジ2組を収めるため、放熱と剛性の両立が設計上の最大の課題になります。IP58/59の防塵防水と、折りたたみ機で初となるECG心電分析(医療機器認証取得)、HarmonyOS 7の初搭載も初日販売版に含まれます。

内側画面は10.2インチの3K表示で縦横比は12.8:9、外側画面は6.5インチ(2442×1140)で最大輝度6,500ニトです。外側画面の6,500ニトは直射日光下の視認性を狙った数字で、折りたたんだままの利用時間を長くする意図が読み取れます。

Xiaomi 18 Foldの初日3.6万台の読み方

Xiaomi 18 Foldは9月7日発表、9月10日発売で、価格は12GB+256GBの10,999元(約25.3万円)から16GB+1TB陶磁器特別版の15,999元(約36.8万円)までの5段階です。初日の販売台数は約3.6万台という数字が出ていますが、これは中国のデジタル業界インサイダー「RD観測」による第三者データの集計で、IT Homeの記事でも集計者自身が参考値と断っています。Xiaomiの公式発表ではないため、本記事でも参考値として扱います。

数字の重さを検算します。3.6万台がすべて最下位構成だったとしても、売上は10,999元×36,000台=約3.96億元(約90.7億円)になり、上位構成が混ざる実際の売上はこれより大きくなります。Xiaomiの中国区総裁である王暁雁氏は「前世代の大型折りたたみ比で310%増」と述べており、これは4.1倍という意味です。仮に3.6万台が4.1倍にあたるなら前世代の初日は約8,800台だった計算になりますが、2つの数字は出所が異なるため、この逆算は推測にとどめます。またXiaomi集団総裁の盧偉冰氏によれば、最上位色の西野レッドはオンライン全チャネルで欠品し、一部のXiaomi之家(直営店)にだけ在庫があるとのことです。欠品が最上位色に集中したのは生産量の少ない色に注文が偏る初日特有の現象で、総需要の強さをそのまま示すものではありません。

iPhone Duoとの価格差と発売時期の差

比較の基準はAppleのiPhone Duo日本版の価格(256GBが364,800円、512GBが399,800円、1TBが469,800円、2TBが574,800円)と、中国本土版の256GBが15,999元、2TBが26,499元です。予約は10月16日21時から、発売は10月23日です。

  • Mate XT2の最下位19,999元(約46.1万円)は、iPhone Duo日本版256GBより約9.3万円高く、中国本土版256GBより4,000元(約9.2万円)高い水準です。倍率にすると1.25倍になります。
  • Mate XT2の2TBペンセット版29,999元は、iPhone Duo日本版2TBより約11.2万円高く、中国本土版2TBより3,500元高い水準です。
  • Xiaomi 18 Foldの最下位10,999元(約25.3万円)は、iPhone Duo日本版256GBより約11.3万円安く、中国本土版256GBの69%にあたります。
  • Xiaomi 18 Foldの最上位15,999元は、iPhone Duo中国本土版256GBとちょうど同じ額です。

つまり中国市場では、三つ折りのMate XT2がiPhone Duoの上、ブック型のXiaomi 18 FoldがiPhone Duoの下に位置し、Appleは価格帯としても形状としても2社のあいだに入ります。発売時期で見ると、Xiaomiは10月23日の43日前、HUAWEIは41日前に実売を始めており、折りたたみを検討する中国の購入者は、Duoの実機を触る前に他社製品の購入判断を迫られる格好です。

利用者にとっての差は形状です。三つ折りのMate XT2は展開すると10.2インチになり、タブレットの代替を狙えますが、その分だけ重さと厚さが増え、価格も高くなります。ブック型のXiaomi 18 FoldとiPhone Duoは同じ形状で価格帯が異なるため、直接の競合になるのはこの2機種で、HUAWEIはAppleと正面からぶつからない位置に価格を置いたと言えます。

中国市場での見え方

中国本土ではiPhone Duoの256GBが15,999元で、Mate XT2の最下位より4,000元安く、Xiaomi 18 Foldの最上位と同額です。HUAWEIの折りたたみ機はこれまで中国の折りたたみ市場で高いシェアを持ってきましたが、Appleが同じ市場に折りたたみを投入する初めての秋になります。HUAWEIが初日販売の日時を10時08分という細かい時刻まで公開し、Xiaomiが幹部の発言で伸び率を強調するのは、Duoの発売前に「売れている」という印象を先に固める狙いがあると見られます(この意図は推測です)。

小龍的にはこう思った

小龍的には、今回いちばん面白いのは3.6万台という数字の中身より、その数字が独立集計のブロガー発だという点だと思っています。Xiaomi自身が確定台数を出さず、幹部の口から出るのは「310%増」という比率だけで、実数は外部の推計に語らせる形になっているのは、比率の方が印象操作として都合がよいからでしょう。前世代の実数が公開されていない以上、310%が3,000台からの310%なのか3万台からの310%なのかを読者は判別できず、大きく見える数字を選んで発言している可能性は十分にあります(これは推測です)。一方のHUAWEIは台数を一切出さず、10時08分という発売時刻の細かさだけで「速報性」を演出しており、両社とも実売の中身よりも語り口を先に整えてからDuoの発売日を迎えようとしているように見えます。iPhone Duoの実機がまだ誰の手にも渡っていないいまの段階で、中国の2社が先に「売れている」という物語を確定させにかかっているのは、10月23日という同じ日を睨んだ番狂わせの仕掛けとして、なかなか手が込んでいますね。

そしてこれが中国大陸外で使う、日本人など外国人にとってとても大事なポイントなのですが、HUAWEIの中国国内版は、独自OSのHarmonyOSを搭載しています(参考)。Androidの互換性がなく、Googleモバイルサービスも使えません。中国国内で中国のアプリ圏だけで生活すると割り切れるなら、本機は最良の選択肢になります。しかしそうでない環境の方には、Google系サービスが使えない時点で候補から外れるでしょう。

さらに、HUAWEIは2019年のエンティティリスト掲載や2020年の半導体規制など、米国の厳しい輸出規制を現在も受けています(TechRepublic)。本機が搭載するKirin 9050 Proチップについて、HUAWEIは主要部品を米国の規制対象技術を使わずに設計したと説明しています。ただし性能をうたう主張は主にHUAWEI自身の測定に基づくもので、AppleやQualcommなど他社のプロセッサに対する実際の競争力は、独立した検証を待つ段階です。世界水準の最新技術を使っていないにもかかわらず、本機の価格は約46.1万円にも上ります。iPhone Duoの364,800円やXiaomi 18 Foldの約25.3万円を大きく超える超高額な設定には、個人的に納得しきれない部分があります。Mate XT2はあくまで中国人のための、ほぼ中国大陸内専用機であることを忘れてはなりません。

画蛇添足 One more thing…

Xiaomi 18 Foldの価格については、小龍茶館でも発表前に一度取り上げていました。9月7日の同日発表を伝えた記事では、事前情報として最低価格を1万2,000元(約28万円)前後と見込んでいましたが、実際の発売価格は10,999元(約25.3万円)で、事前の観測より2万円ほど安く着地しています。折りたたみ機の価格予想は「高めに外れる」ことが多い印象がありましたが、今回は逆に「割安に外れた」珍しい例でした。

記事は以上です。

(記事情報元:Engadget、TechRepublic、Gizmochina、XimiTime、Apple(iPhone Duo日本版価格ページ))

※記事中の画像はイメージです。円換算は1元=23.03円(三菱UFJ銀行が2026年9月11日に公表した対顧客外国為替相場の仲値TTM)で計算しています。

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