Appleは日本時間本日2018年1月24日未明に、モバイルデバイス用OS、iOS 11.2.5正式版をリリースしました。iOS 11.2としては3度目の小数点2桁のアップデートとなりました。iOS 11としては通算10個目のバージョンアップとなります。一つ前のバージョン、iOS 11.2.2(iOS 11.2.3とiOS 11.2.4は飛ばされました)が1月9日にリリースされてから、15日でのリリースとなりました。
iOS 11.2.5アップデートの内容・修正点、リリースノート
以下がAppleによるiOS 11.2.5のリリースノートです。
iOS 11.2.5にはHomePodのサポートが含まれ、Siriにニュースの読み上げ機能が追加されました(アメリカ、イギリス、オーストラリアのみ)。このアップデートには、バグの修正および改善も含まれます。
HomePodのサポート
- HomePodの設定するとApple ID、Apple Music、Siri、Wi-Fiの設定が自動で転送されます。
Siriニュース
- “Hey Siri, play the news”と頼むだけで、Siriにニュースを読み上げてもらうことが可能に。スポーツ、ビジネス、ミュージックなど、特定のニュースカテゴリを頼むことも可能。
その他の改善および修正
- “電話” Appで、通話履歴に不完全な情報が表示されることがある問題に対応
- Face IDでiPhone Xのロックを解除したときに一部のExchangeアカウントからの“メール”の通知がロック画面から消える問題を修正
- “メッセージ”で、会話の表示順が一時的に乱れることがある問題に対応
- CarPlayで、トラックの変更を複数回行うと“再生中”コントロールが反応しなくなる問題を修正
- VoiceOverで、再生出力先とAirPodsのバッテリー残量を知らせる機能を追加
このアップデートのセキュリティコンテンツについては、次のWebサイトをご覧ください:
https://support.apple.com/ja-jp/HT201222
引用元:Apple
HomePodサポートとSiriニュース読み上げ機能の追加
いよいよリリースされる新デバイス、HomePodのサポートが追加されます(日本での正式発売日は未定)。またSiriニュース読み上げ機能が追加されましたが、これはiOS日本語版ではNews(ニュース)アプリがないため、恐らくまだ対応していないと思われます。
ということで、HomePodを買わない人や、日本語版を使う人、Siriをあまり使わない人にとっては、機能的にはあまり意味がないアップデートかもしれません。
“ChaiOS”と呼ばれる悪質なリンク関連バグを修正
iOS 11.2.5では、”ChaiOS”と呼ばれる悪質なリンクを踏むと、システムがクラッシュしたり再起動したり、または極端に動作が遅くなったり、バッテリーの消耗が激しくなるような問題への対応がなされていると思われます。
CPUに存在する重大なセキュリティホールを修正
今回のアップデートでも、重大なセキュリティホールの修復が、iOS 11.2.2から引き続き行われているものとみられます。
先日から話題になっている、ここ15年ほどで製造されたインテル(Intel)・ARM・AMDのCPUに存在する、本来は特権がないとアクセスできない、重要なデータが収納されているカーネルメモリにアクセスできてしまうようになるセキュリティホール、”Meltdown(インテルのCPUに存在)”と”Spectre(インテルではないCPUに存在)”の2種類のうち、ARMのアーキテクチャを基本とするAppleのAシリーズチップを搭載するiOSデバイスに存在するセキュリティホール”Spectre(後者)”の脅威を更に減らすことができると思われます。
ちなみに、”Spectre”を利用するのはハッカーとしても非常に難しいようで、そこまでの危険性はないとされています。とはいえ、”Spectre”を利用されて攻撃されると、カーネルメモリにアクセスされるようになり、全てのプライベートのデータが盗まれてしまうため、万一に備えてアップデートをしておくことをお勧めします。
iOS 11.2.2からのアップデートで、小数点2桁を2つ飛ばす結果に
今回のバージョン数はiOS 11.2.5で、1つ前の正式版はiOS 11.2.2だったので、11.2.3と11.2.4を2つ飛ばしたアップデートということになり、かなり特殊・特例のアップデートということになります。
HomePodの販売時期に合わせたこと、またセキュリティやバグの修正を急いだことからこのようになったのかもしれませんが、最近ちょっとAppleのアップデートは行き当たりばったりな感じでよくわからないですね。。とはいえ、iOS 11.2.5はデベロッパ向けベータ版が7個も出て、かなりデベロッパのバグ報告や修正依頼を受けてのアップデートと思われますので、これまでより安定していることを期待したいですね。
OTAでアップデート可能
例によって、設定>ソフトウェアアップデートから、OTAアップデートが可能です。iOS 11.2.2からのOTAアップデートですと、自宅にあるデバイスのアップデート容量は以下の通りです。
- iPhone X: 178MB
- iPhone 7 Plus: 164.9MB
- iPad Pro 10.5インチ: 163.2MB
小数点2桁アップデートとしては、かなり大きなアップデート容量となります(通常60〜70MB)。その分ダウンロードやアップデートには少々時間がかかるので、余裕をもって行いましょう。
脱獄する人はアップデートを待て
もちろん、脱獄フリークの方はアップデートは避けましょう。もしかしたら、Spectreを利用した脱獄ツールが準備されているかもしれません。。が、今のところ具体的な情報はありません。現在のところ、iOS 11.1.2以下の脱獄ツールが開発中との情報があります。
そして脱獄する必要がなければ、今回は重大なセキュリティの修正が行われているので、迷わずアップデートしておくのがいいでしょう。
iPhone X用ファームウェアを含む、iOS 11.2.5オリジナルファームウェアのダウンロードはこちらから
【iPhone X】用も含め、iOS 11.2.5のファームウェア(OFW)のダウンロードリンクはこちらです。
先にファームウェアをダウンロードしておいて複数台をアップデートする、或いは一つ前のiOSでSHSHが発行されているバージョンへのダウングレードやバージョン維持復元の用途でお使いいただけると思います。
なお、Mac用にはmacOS High Sierra 10.13.3アップデートがリリースされており、こちらでは”Meltdown”の追加修正及びその他のバグ修正が行われています。
またApple TV用のtvOS 11.2.5、そしてApple Watch用のwatchOS 4.2.2もリリースされています。
記事は以上です。