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Appleのティム・クック（Tim Cook）CEOが、CEOに就任してから7回目の訪中をしている。
本日5月16日朝、クックCEOは全中国のフラッグシップともいうべき北京は王府井のApple Storeに美女と共に登場した。一緒に現れた美女とは、先日10億ドル（約1,100億円）というAppleからの巨額投資が発表されたばかりの、中国民間最大のネット配車サービス「滴滴出行（Didi Chuxing）」の総裁、柳青（Jean Liu、Liu Qing）女史だった。
しかもこの2人は、滴滴出行（Didi Chuxing）のアプリを使って呼んだ、専車（专车＝専用車、タクシーではない一般の自動車）に乗って現れたのだ（でも、現実的には英語だけじゃ北京のタクシーの運転手には殆ど通じないのと、滴滴出行を使うには中国に銀行口座とAlipayかWeChat Payのアカウントがないと使えないので、外国人がそう簡単には使えないのだが）。
“Taxi!” Caught a cab in Beijing this morning with Didi Chuxing’s Jean Liu. pic.twitter.com/Sl2xnzXtNY
— Tim Cook (@tim_cook) 2016年5月16日
以下の写真は全て腾讯科技（Tencent Tech）による（リンクは記事の最後に）。
北京王府井のApple Storeには更に中国を代表する各種サービス、グループ購入（グルーポン）の美团（Meituan、美団）、画像処理アプリの美图（Meitu、美図）、ニュースアプリの今日头条（今日頭条）、ゲームアプリのTap4Fun、料理アプリの日日煮のそれぞれの代表（CEO）が集められ、iOSプラットフォームに関する見解やApp Storeのアプリの開発、今後のAppleの中国での発展方向に関して滴滴の柳青総裁を司会として公開座談会が行われた。
滴滴の柳青総裁はiOSプラットフォームがデベロッパに多くの起業のチャンスを与えていると考えているようだ。
美图（Meitu）の呉欣鴻（吴欣鸿）CEOは座談会で、AppleがApp Storeの中でインタラクティブにデベロッパとユーザが会話できるスペースが欲しいとした。そのことで、デベロッパがユーザからのフィードバックによってよりアプリを改善しやすくなると提案している。
その他の座談会の内容は長いので翻訳は省略するが、主にiOSやApp Storeのおかげで金が全然なく、単なるオタク集団のようなデベロッパ達が今では非常に多くの稼ぎを叩き出していること、そしてプラットフォームの主流がPCからスマートフォンに移行していることなどが話し合われた。
ティム・クックは最後に、若い頃に中国からのものとして、「1年間の成功が欲しければ穀物を植えよ、10年間の成功が欲しければ木を植えよ、もし100年の成功が欲しければ人材を育成せよ」ということわざを読み、そのことわざをもとにApp Storeで人材を育成して、成功する人と協力してくれる人を作り出したいと考えていると語って、座談会は終了した。中国に学ぶという姿勢を示すとは、クックCEOもずいぶんとリップサービスをするものである。
なお、今回のティム・クックCEOの訪中の目的は明らかにされていないが、先日中国政府の通達によって突然サービス停止をされられてしまったiBooksやiTunes Video・Movieの復旧のために政府高官と会ったり（もちろん政府高官は見返りを求めるのだろう。。）、また今後のiPhoneの販売戦略の見直しためにキャリアと話し合ったりするのが目的なのではないかとみられている。
個人的には最後の写真で、男性参加者のうち3人がジーンズにニューバランスのスニーカー、という出で立ちで明らかにスティーブ・ジョブズを意識しているのがうけた。。笑
記事は以上。