「彼が一番」!?Appleのジェフ・ウィリアムズ新COOとはどんな人物?

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

「彼が一番だ!」

AppleのCEO、ティム・クック(Tim Cook)はとある声明の中で、今回同社COO(Chief Operating Officer)に昇格したジェフ・ウィリアムズ(Jeff Williams)についてそう評価している。

Appleが先日エグゼクティブの人事異動を発表したことは当ブログでもお知らせした通りで、今回の人事異動で同社のCEOのティム・クックは長らく自らの右腕として使っていたジェフ・ウィリアムズをCOOにし、クックのNo.2の地位に据え付けた形だ。

アメリカのテックメディア≪Re/Code≫の分析によれば、クックがCEOになった後、ウィリアムズは数年ほどクックがCEOになる前に担当していた世界のサプライチェーン・マネジメント(SCM)の責任を負っていたが、その後その職責はどんどん拡がり、ウィリアムズはいつの間にかAppleの中でのいくつかの大型プロジェクトの重要な進行役になっていた。そしてそのうちの1つが、Appleが5年ぶりにリリースした新製品にしてキープロダクト、【Apple Watch】だった。

Jeff-Williams_Apple-Watch

報道によれば、背が高く痩せた外見のウィリアムズはおとなしい性格で、17年前の1998年にAppleに入社したが、その注目度は他のAppleのエグゼクティブほどではなかった。最近になって急にウィリアムズの地位は日を追うごとに上昇し、去年2014年3月のAppleの新製品発表イベントでは「ResearchKit」という医療研究プロジェクトの説明のために初めて登壇、そして2015年には≪Re/Code≫が主催した第一回「Code Conference」にてインタビューを受けたのだった。

ウィリアムズがCOOになったということは、それは彼がクックの最終的な後継者になったということを表しているのだろうか?内情をよく知る人物は、この見方に否定的な見解を示している。この人物によれば、Appleは既に世界的にハイクラスな会社運営のプロを何人も雇っているため、他にも候補がいるというのだ。例えば昨年2014年にAppleに入ったアンジェラ・アーレンツ(Angela Ahrendts)は元バーバリー(Burberry)のCEOだった。

ウォールストリートはウィリアムズの昇格を歓迎しているようだ。というのもAppleのCOOという職位は2011年にティム・クックがCEOになってから空位のままだったからだ。アメリカの投資会社FBR Capital Marketsのアナリスト、ダニエル・アイブズ(Daniel Ives)によれば、「ウィリアムはAppleの内部でとても尊敬されている人で、彼は仕事も部下も完璧に掌握している。クックには補佐が必要で、ウィリアムが加入することで更に管理チームを補強することができるだろう」と評価している。

「Code Conference」のインタビューで、ウィリアムズは自らが長期間担当していたApple Watchプロジェクトについてこのように語っている。「私はテクノロジーの発展が人の身体の上に移っていくことはおおかた避けられないことだと確信していて、腕のこの部分も非常に注意深く選択しました。20世紀初頭、とある南米のパイロットが友人に、彼は一日中飛び回っていて、ポケットの中から懐中時計を取り出すのが億劫なので、なんとか腕の上に時計が着けられないかなあと話していたそうです。私はそれが私たちがウェアラブルデバイスを腕の上から始めるきっかけにしようと考え、そしてApple Watchプロジェクトを展開したのです」

 

 

画蛇添足 One more thing…

ジェフ・ウィリアムズはおとなしい人物で、メディアからはクックの中のクックと呼ばれている人物といわれただけあって、まさにクックにとっては扱いやすい人物なのだろう。ただし、Appleのエグゼクティブの中には既に他の誰もが知っている大企業から多くの企業経営を経験したメンバーが入っているため、まだ彼がクックの跡取りと決まったわけではないということだ。

ウィリアムズが最後に挙げたのは、伝統的な機械式腕時計の誕生のきっかけになったとされるエピソードだ。ただ、それが機械式腕時計からクォーツ、そしてスマートウォッチへと移り変わるかどうかの説明にはなっていないような気がする。既にクォーツの腕時計が驚くほど安価で買えるのに、妙に高いApple Watchでは時計の機能さえ激安クォーツ時計にかなわない。それは常時時間を表示しておらず、腕を傾けてちょっと時間が経たないと表示されないため”タイムラグ”が発生するからだ。ウォッチとして売り出したからには、そのあたりは次世代以降でしっかり改善してもらわないといけない面だと思う。

記事は以上。

(記事情報元:Re/Code

Visited 189 times, 1 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人