Appleの共同創業者の1人、スティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak、以下ウォズ)が今週、近年のウェアラブルデバイスは使い道が殆どない、Appleのスマートウォッチ、Apple Watchもそうだ、と述べていることがわかった。
今週オーストラリアのシドニーで行われたFTS(Future Transport summit)にて、ウォズはウェアラブルデバイスを「消費者を惹きつける購買対象ではない」と評価している。ウォズにとってこれらのデバイスに対する最大の問題はスペックが低く計算能力がないことで、またスマートフォンに依頼しないとネットに接続できないことにも不満を述べている。
ウォズは、ハードウェアレベルにもっと多くの機能を増やしてほしいと願っているという。例えばiPhone 4ではハードウェアレベルの音声識別機能がついていてそのレベルが高かったため、ユーザが連絡先に言葉での指示で電話をかけることが可能だったが、iPhone 4sではSiriに集約されてしまったため、この機能はネットに接続しないと使えなくなり、使いにくくなったことを例に出している。
更にウォズは、Apple Watchを使ってApple Payで支払おうとした時に、よく自分のiPhoneを家に忘れてしまい、それでApple Watchがネットに接続できず支払いができないことがあったといい、それに非常に失望したという(ただ、実際はApple Watchでの支払いはiPhoneが近くにある必要はないのだが)。
ウォズはApple Watchの全体的な状況を、「結構なお金を払っても、私たちの生活がほんのちょびっとだけ便利になるだけ」と総評している。
ウォズは、ウェアラブルデバイスがいつもスマートフォンとBluetooth接続していなければいけないが、実際Bluetoothはイヤホンだけでもユーザは不便を感じているといい、いずれウェアラブルデバイスに対しても同じような感覚を覚えるようになるだろうと指摘している。そしてそれはApple製品でさえ例外ではないことも。「一部の人は、Appleのロゴが刻印してさえいれば、人々が行列して買うと思っている。私は、Apple Watchはもっとやらなきゃいけないことが沢山あると思う」。
そうとうApple Watchに不満をお持ちのようだ。他にウォズがFTSで未来のテクノロジーに関する持論を展開しているが、その発言を要約するとこんな感じだ。
- 自動運転機能のついた車は、将来的には特定の決められた車道でしか使えなくなるだろう。
- 自動車の半自動運転が主流となるだろうが、予測される未来では、やはり事故を避けるためには人の操作の関与は依然として必要であろう。
- 車載スマートシステムは更に応用されるようになり、自動車で赤信号を無視するようなことはできなくなるだろう。
- Appleはコンピュータに音楽や映画、そして家庭用のコンピュータがブロードバンドネットワークに接続されていることを想像したこともない。
- VR業界の突破口はゲーム業界にある。
- Apple IIがあたった多くの原因は、ゲーマーがAtariの非常に値段が高いエコシステムへの依頼から脱出しようと思っていたからだ。
そしてウォズは更に、テスラのModel 3が予約開始された初日に、1台予約を入れたという。この車の詳細についてはよく知らないが、ともかく行列してでも買うべきだと思ったという。
画蛇添足 One more thing…
相変わらず歯に衣着せない感じのウォズだが、爽快でいい感じだと思う。特にウェアラブルデバイスについては、メディアがユーザが思っていても口に出せなかったことをはっきりと指摘してくれたような気がする。
そして自動運転に懐疑的なのにEVで自動運転補助機能付きのテスラのModel 3は予約するという、さすが新しもの好きというところはある。ウォズにとっては手頃な値段というのもあったのだろう。
記事は以上。
(記事情報元:新浪科技)