Appleの現在最強のフラッグシップ機「iMac Pro」がリリースされてからというもの、多くのギークやマニアがその50万円は確実に超える超高級品の分解動画や画像を心待ちにしていたと思います。さて、そんな会社が現れました。ご存じあのOWC(Ocean World Computer)が、iMac Proのベーシックモデルを分解しました。そして、分解の結果、このiMac Proには非常に大きなアップグレードの余地があることがわかったのです。Appleにしては珍しいことですよね。
さて、以下がOWCによるiMac Pro分解の動画です。
動画を見ればわかるように、iMac Proの分解はかなり難しいようです。特にディスプレイの固定に用いられている糊を剥がすのには相当苦労しそうです。そして内部はApple製品の特徴で、スティーブ・ジョブズ以来のお家芸ともいえる「ヴィジュアル潔癖症」がそこかしこに溢れているといえます。ロジックボード(メイン基板)や電子部品の配置は大変きっちりと整理されまた散熱システムやスピーカーなども左右対称の設計となっていて、非常に見映えがいいものになっています。
OWCは、この乞食版(おっと失礼。。最安値でも50万円以上するベーシックモデル)iMac Proには4枚の8GB、合計32GBのDDR 4 ECC RAMが取り付けられており、これはほぼサーバクラスの製品です。RAMスロットは4つあり、32GB版は8GBx4、128GBは32GBx4、64GB版は16GBx4となっており、つまりどの容量のバージョンのiMac ProでもRAM用に4本のスロットがあるため、アップグレードが容易にできることを意味しています。
▼メモリスロット。容易に換装可能。
▼取り外した8GBの4本のメモリ。
同様にハードディスクについても、ベーシック版iMac Proに搭載されている1TB SSDも、512GBのSSDが2本という構成になっており、コネクタはPCI-Eになっています。またユーザは簡単にネジを外すことができ、SSDを容易に交換できるようになっています。
▼SSDベイとT2チップ。
▼取り外した512GBのSSDが2つ。刻印はAppleですが、中国OEM製品です。
更に、SoC(CPUとGPU)もIntel Xeonはロジックボードにはんだ付けされておらず、換装が可能になっています。
▼Intel Xeon SoCチップも換装可能。
▼プロセッサソケット。
▼プロセッサヒートシンク固定用バネクリップ。こちらもねじで取り外し可能。
ただ、5K iMacと比べてしまうと、iMac Proは全体的にはセルフでメモリをアップグレードできるような仕組みとはなっておらず、また普通のユーザは分解が難しいため、プロにお願いする必要があるといえます。
なお、OWCは例によって、iMac Pro用にも更に高品質なメモリやSSDのアップグレード用部品や交換サービス、またDIYができる人には分解ツールを提供していくとのことです。ただし、メモリに関しては4スロット全てを交換する必要があるため、オリジナルの4本のメモリが無駄に鳴ってしまいます。もともと大容量のメモリを必要とする人は、大きめのメモリのモデルを購入しておくことをお勧めします。
記事は以上です。
(記事情報元:Rocket Yard)