Appleの折りたたみ式iPhone【iPhone Duo】のレビューが、日本時間10月21日の夜に一斉に解禁されました。発売は明日(記事更新時点)10月23日です。各媒体の実測で、詳細な数字と仕様がはっきりしました。Webを見続けるバッテリーテストはiPhone 18 Pro Maxより約4時間短い結果です。重さは254gでiPhone 18 Pro Maxとわずか5g差であり、生体認証はFace IDの代わりにサイドボタンのTouch IDだけを備えています。一番の見どころは、元WSJのジョアンナ・スターン氏による耐久試験(検証動画)です。自作の機械で4晩かけて3万2,000回以上開閉しても、ヒンジは緩むどころか計測上は前より固くなっていました。この詳細はMacRumorsのまとめ、Engadgetのレビュー、Appleの製品ページで確認できます。

3万2,000回の開閉でヒンジはむしろ固くなるも、1日100回換算では1年分未満
MacRumorsによると、スターン氏はレビュー機にケースを付けたまま自作の装置に載せ、4晩で3万2,000回以上開閉しました。校正済みの押し引きゲージで試験の前後にヒンジの硬さを測ったところ、緩むどころか前より固くなっていたということです。本人の感覚でも「3万2,000回開閉した後も初日とほぼ同じ」で、折り目が目立つようになったかどうかにはコメントを控えています。装置は本体を平らに開きます。ただ、毎回少しすき間が開いていたとのことなので、実際の使い方より少し優しい試験ではあります。装置の作り方と試験の様子はスターン氏の動画で公開されています。
Appleは製品ページなどでヒンジの試験結果や開閉回数の耐久値を非公開としています。比較対象になるのはSamsung Displayが2025年にGalaxy Z Fold7向けパネルで公表した50万回で、Samsung Displayは1日100回開閉する人なら10年以上、200回なら6年以上に相当すると説明しています。同じ物差しで今回の3万2,000回を割ると、1日100回で約320日、200回なら約160日です。つまり今回の試験は長くても1年弱の使用に相当するもので、Samsungの50万回の6%ほどにとどまります。4晩でヒンジが緩まなかったことは分かりましたが、2年、3年と使ったときにどうなるかは、これからの検証課題です。Appleが数字の公表を控えている以上、現時点で手に入る耐久性の情報はこれだけです。
内側の7.6インチ画面はAppleの仕様表にあるとおりNano-texture仕上げで、Engadgetは正面から見れば折り目はほぼ消え、角度によっては小さな溝が見えると書いています。Engadgetによると、このNano-textureの層は49ドル(約7,800円)で交換できるということです。
バッテリーはiPhone 18 Pro Maxより4時間短いもののAppleの仕様表どおり
MacRumorsがまとめたTom’s Guideのバッテリーテストでは、iPhone Duoが13時間20分、iPhone 18 Pro Maxが17時間31分、Galaxy Z Fold8が10時間6分でした。このテストは画面の明るさ150ニト、5G接続でWebページを読み込み続ける条件で行われています。iPhone DuoはiPhone 18 Pro Maxより4時間11分短く、割合にすると約24%減です。一方でGalaxy Z Fold8には3時間以上の差を付けていて、折りたたみとしては長い部類に入ります。Engadgetの動画連続再生テストでも、iPhone Duoは28時間48分でGalaxy Z Fold8の28時間14分を上回りました。
この4時間の差は、実はAppleの仕様表を見れば予約開始の時点で分かっていた数字です。iPhone Duoの仕様ではビデオ再生が内側ディスプレイ使用時に最大31時間、外側ディスプレイ使用時に最大44時間で、iPhone 18 Pro Maxは最大45時間です。内側画面を使う前提では31÷45で約31%減、外側画面だけならiPhone 18 Pro Maxとほぼ同じという設計で、Tom’s Guideの約24%減はこの範囲に収まっています。当ブログでもお伝えしたとおりバッテリー容量は4,883mAhで、この容量で7.6インチの内側画面を点け続ければ3割減るのは物理的に当然の結果です。バッテリーの短さを騒ぎ立てるようなこととは違い、内側画面をどれだけ開いて使うかで持ちが決まるということですね。
充電はAppleの仕様で60W以上のアダプタを使って約20分で50%、Engadgetの実測も同じ20分でした。iPhone 18 Proシリーズの約15分より5分長くかかります。ワイヤレスはMagSafe・Qi2とも最大25Wです。性能はGizmodoのGeekbench 7でシングルコア4,002・マルチコア10,728とiPhone 18 Proとほぼ同じで、当ブログが予約開始の日にお伝えした初期ベンチマークの結果と一致しています。
重さ254gはiPhone 18 Pro Maxと5g差、Face ID無しと黒帯は時間の問題
Engadgetは重さ254gを欠点の筆頭に挙げ、Galaxy Z Fold8より25%以上重いと書いています。ただしAppleの仕様表で比べると、iPhone 18 Pro Maxが249gなので差はわずか5gです。iPhone 18 Pro(211g)からの乗り換えなら43g増ですが、iPhone 18 Pro Maxユーザーにとっては今の重さのまま画面が7.6インチに広がる計算で、Galaxyから乗り換える人とは重さの感じ方がまったく違います。Engadgetの採点は10点満点で8.8点、The Vergeは「高価で妥協だらけ、時に非常にいらいらする」と、同じ製品に正反対の評価が付きました。
Appleの仕様表によると、生体認証はFace IDの代わりに、サイドボタンに内蔵されたTouch IDを採用しています。9to5Macは「Touch IDが速く確実に動くとしても、わざわざサイドボタンに指を伸ばさなければならないのは後退に感じる」と書いています。iPhoneの顔認証は2017年から続いてきたので、約9年ぶりに指で解錠する操作へ戻ることになり、ここは買ってから慣れるしかない部分といえるでしょう。
アプリの対応はもっと分かりやすい問題です。WIREDは「Apple初の折りたたみを試したいなら、開発者がアプリを最適化するまで数か月待て」と書き、MacRumorsによると内側画面の幅に未対応のアプリは左右に大きな黒帯が出るレターボックス表示になります。開発者がiOS 27.1のSDKでビルドし直せば直るものなので、これは時間が解決しますが、思わずかつて巨大サイズと言われたiPhone 6 PlusやiPhone XS Maxが出た頃のことを思い出してしまいますね。
もう一つ、Mrwhosetheboss氏が示したのは、開いた状態で縦置きのMagSafeスタンドに付けると、重心が片側に寄って本体が傾いてしまう現象です。MacRumorsによるとMagSafeのリングは背面の片側半分にしかなく、磁力の弱い充電器では片側に偏った重さを支え切れません。The VergeのNilay Patel氏は横向きで問題なく充電できていて、一部の充電器に限られますが、縦置きスタンドは閉じて使うのが無難で、平置きの充電器なら影響を受けません。また、他でも散見されるレポートでは、スタンドの種類などによっても異なるようなので一概には言えないと思われます。
1月22日まで待つ日本の予約者にとって、Duoの欠点は時間が解決する?しない?
日本の予約者の多くは出荷が2027年1月22日前後で(Apple Storeの状況)、発売日に受け取れるのは予約開始から30分ほどの間に注文できた人だけです。この3か月の待ち時間で以下について妥協点が減ると考えれば、待つ価値もあるのではないでしょうか(なんでこんな形で、しかも製造台数が圧倒的に足りない状態でリリースした?という批判はさておき。。
- 時間が解決するもの:アプリの黒帯(iOS 27.1 SDKでの再ビルド待ち)、MagSafeスタンドの傾き(幅広のスタンドが出てくるはず)、初期のバグ。1月に届く頃には、発売日に受け取る人より状態の良いiPhone Duoが手に入るのではないかと思われます。
- 解決しないもの:内側画面で使うとバッテリーが3割減ること、254gの重さ、Touch IDだけで顔認証が無いこと、望遠カメラが無いこと(背面は48MPのメインと超広角の2つで、2倍はメインカメラの中央を切り出す方式)。これらはハードウェアの設計そのもので、ソフトウェア更新での改善は見込みにくい状況です。
つまり待たされる3か月は、解消しない方の4点が自分の使い方で我慢できるかを確かめる期間です。バッテリーと重さはiPhone 18 Pro Maxとほぼ同じ土俵なので、iPhone 18 Pro Maxから乗り換える人にとっては実質的に「Face IDと望遠を手放して7.6インチの画面を得る」という取引です。価格は日本で364,800円(米国は1,999ドル、約31万7,000円)からと変わらないままです。
小龍的にはこう思った
小龍的には、今回のレビューで一番価値があったのはスターン氏のヒンジ試験で、Appleが出さない耐久性の数字を外部が初めて埋めたと考えます。3万2,000回で緩まず、むしろ固くなったという結果は、少なくとも1年目にヒンジがへたる心配はしなくてよいことを意味しています。一方でバッテリーの4時間差は、Appleの仕様表の31時間と45時間を見比べれば予約開始の時点で分かっていた話で、レビューで初めて判明した欠点ではありません。
The Vergeの「妥協だらけ」とEngadgetの8.8点という正反対の評価が同じ製品に付いたのは、比べる相手が違うからです。Galaxy Z Fold8と比べればバッテリーも性能も上で、iPhone 18 Pro Maxと比べればバッテリーもFace IDも望遠も劣ります。明日の発売日に受け取る人は、黒帯とバグとの付き合いが数か月続きます。一方で1月22日組はその分だけ熟成した状態で受け取れるので、今から注文する人が焦る必要は全くありません。店頭に並んだら、閉じたまま片手で使えるかと、Touch IDに指が自然に届くかを試すのが先で、ヒンジの心配はスターン氏が代わりにしてくれました。
それからちなみに折りたたみスマホの重さはこんなもんだと思った方がいいです。私自身も3年ほど、3台Android折りたたみスマホを乗り継いできていますが、中国でも日本でも店頭にある様々なメーカーの折りたたみの機種を実際に手に持って試しています。最近の機種はほとんど重さは変わらず、それほど気になるものではありません。Pro Max系をご利用の方なら全く違和感なく使えます。Airとかからの乗換だと重いと感じると思います。ただ、HUAWEI Pura X MaxやXiaomi 18 FoldというピッタリiPhone Duo(当時は噂でしかありませんでしたが)の大きさに合わせて先行リリースしてきた2機種を持ったときには、あの大きさの割には重いなと感じたのはありました。
私も香港法人ビジネスアカウントでの注文とはいえあとから注文したので、到着は来年だろうなと気長に構えて待っています。さて、その頃はどうなっていることでしょうね。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors、MacRumors、MacRumors、Engadget、9to5Mac、The Verge、WIRED、Apple(日本)、Apple(日本)。円換算は1ドル=158.41円(三菱UFJ銀行が2026年10月21日に公表した対顧客外国為替相場の仲値TTM、TTS 159.41円とTTB 157.41円の平均)で計算した参考値です。)


