Appleが先月【iPhone 8】と【iPhone 8 Plus】をリリース発表した際に、この2種類とも高速充電が可能であることを明らかにしました。また、Apple公式サイトの仕様ページにも、高速充電の状況下で、【iPhone 8】シリーズは30分で最大50%の充電ができると書いてあります。
しかし、Appleは【iPhone 8】と【iPhone 8 Plus】の梱包箱に、高速充電対応の電源アダプタやケーブルをデフォルトで用意していません。つまり、ユーザが高速充電機能を使うためには、別売りの29W USB-C充電アダプタと、安くないUSB-C Lightning変換ケーブルを購入しなければならないということになります。
Apple純正のものを買おうとすると、合計で1万円を超えてしまいます(もちろん純正を使わず安上がりにするという手もありますが、やはり大事なiPhoneのために、できればMFiの規格がとれたものにしたいものです)。
そんなわけで、【iPhone 8】や【iPhone 8 Plus】、ひいては11月3日販売開始予定の【iPhone X】のためだけに高速充電対応の29W USB-CアダプタやUSB-C Lightningケーブルを買ってそこに1万円以上を使うのは非常にコスパが悪いことだと言わざるを得ません。
更に、Apple Insiderによるテスト動画と記事によって、Appleが曖昧に書いている高速充電時間の全容が明らかになっています。
上記の高速充電用アダプタとケーブルを使うと【iPhone 8 Plus】が0%〜100%に充電されるには90分かかり、12WのiPad用電源アダプタを使っても15分多い105分となっています。それに比べると、iPhoneにデフォルトでついてくる5Wの電源アダプタはかなり長く、150分かかるということです。というわけで、上記の29W USB-C電源アダプタとUSB-C Lightningケーブルを買うより、12W iPad用電源アダプタを買った方が明らかに安く高速充電を使うことができるということになります(ケーブルは付属のLightningケーブルで問題ありません)。こちらですと新品でも2,780円、ロープライスだと1,200円ほどで済んでしまいます。
もちろん、高速充電のよいところももうちょっと細かく見なければなりません。実際の測定結果によると、29W USB-Cアダプタを使うことで、【iPhone 8 Plus】のバッテリー残量は30分以内に0%〜52%に充電可能となっています。12W iPad用アダプタでは36%、5W iPhone標準アダプタでは21%しか充電されません。
もしあなたが【iPhone 8】シリーズに数時間のバッテリー駆動時間を与えたいだけなら、高速充電も悪くない方法でしょう。しかしバッテリー容量が50%以上になった時、Appleはその充電速度を緩め、それによってバッテリー寿命に影響を与えないようにしているので、上記より更に長い時間がかかることになります。ちなみにこのやり方はAndroidのメーカーも同様です。
ということで、ご使用のシチュエーションにもよりますが、個人的にはわざわざ高速充電のためだけに無理をして29W USB-CアダプタとUSB-C Lightningケーブルを買う必要はないと思われます。もちろん単なる個人的な意見なので、一応ご参考程度にしてください。
私自身はモバイルバッテリーをAnkerの26,800mAh大容量モバイルバッテリーに新調したのですが、このモバイルバッテリーへの高速充電用に「27W USB-C電源アダプタ」がついていたため、それを流用できることになりました。Apple純正の29Wより若干数字は落ちますが、ほぼ同じレベルかと思われます。まだUSB-C Lightningケーブルを買っていないので、試すのはこれからですが。。
ちなみにワイヤレス充電機能のためにQi規格の充電パッドを買うのも、よほどワイヤレス充電機能の需要がなければコスパがよくないかもしれません。とりあえず私が購入したのはBelkinのこれですが、充電が遅くてちょっとイライラするかもしれません。
ちなみにこのBelkinのQi認定ワイヤレス充電パッドですが、Amazonでは在庫不足になっていますが、10月2日、記事更新3日前の池袋のビックカメラ(東口パソコン館1F)には現品在庫がありました。
記事は以上です。