今年発売予定の次世代iPhoneのうち、iPhone10周年記念モデルのスペシャルバージョン、iPhone 8にはワイヤレス充電機能が追加されるという噂は昨年から様々なテック系メディアで取りざたされていた。
そして昨日、台湾のテック系メディアDigiTimesの報道によって、その証拠が示された。台湾のメーカー”Lite-On Semiconductor(ライト・オン・セミコンダクター、敦南科技)”社が、iPhone 8のワイヤレス充電に関する部品の巨額の受注をしたことが明らかになった。
Lite-On Semiconductor社が、Appleからワイヤレス充電器に用いられる部品全体の半分を受注か
DigiTimesによると、Lite-On Semiconductor社は「将来のiPhoneのワイヤレス充電用充電器に用いられる、GPP方式の整流器全体の半分の受注をした」という。
Lite-On Semiconductor社が台湾の証券取引所に提出した資料の中でこのメディアの報道に対するコメントがあった。それによれば、同社は客先の発注書に関しては一切コメントをしない、というものだった。しかしLite-On Semiconductor社がAppleからの受注をとったという噂が既に投資筋には伝わっており、同社の株価はストップ高となり、1月19日現在28.75ニュー台湾ドル(約103円)までその株価を上げている。
Appleは既に別の1社にワイヤレス充電テクノロジーを発注か
もしこの噂が本当であれば、Lite-On Semiconductor社はAppleの2つ目のワイヤレス充電関連部品のサプライヤーになったということになる。昨年末、ワイヤレス充電を主な業務内容とするベンチャー企業Energous社とドイツのチップメーカーDialog Semiconductor社がハードウェア製品の開発と販売に関する提携を締結し、Energous社のSteve Rizzone CEOが今年頭にアメリカで行われたCES上でAppleが主要顧客であることをほのめかしていた。
Appleは遠距離ワイヤレス充電を次世代iPhone【iPhone 8】で実現か
ワイヤレス充電機能については、ここ数年来、iPhoneの目玉新機能として何度もメディアの噂にのぼってきたが、ご存じの通りこれまで実現されたことはなかった。AppleはiPhoneに恐らくこれまでのAndroidに採用されてきたワイヤレス充電システムとは一線を画したものを搭載するのではないかとみられている。
Energous社はCESにおいて、わざわざデバイスを充電器の電磁センサーの上に置く必要がない遠距離充電テクノロジーを展示していた。そのEnergous社のテクノロジーを使えば、ユーザはiPhoneを手に持って使いながら、遠距離ワイヤレス充電をすることもできるようになる。
Lite-On Semiconductor社は別の部品をAppleに10数年納品しているサプライヤー
実は10数年来、Lite-On Semiconductor社はAppleの部品サプライヤーだった。現在のところ、Lite-On Semiconductor社の部品が、遠距離ワイヤレス充電システムに用いられるのか、或いはこれまでの伝統的なワイヤレス充電システムに用いられるのかははっきりしていない。
Apple自身もワイヤレス充電の技術特許を取得済
ちなみにApple自身も低電力消費デバイスのためのワイヤレス充電に関する技術特許を取得しており、同社の製品ではApple Watchで既にワイヤレス充電機能が用いられている(ただし、やはり充電ケーブルと台座を使って充電しているので、あまりワイヤレスな感じはしないのだが)。
画蛇添足 One more thing…
遠距離ワイヤレス充電が実現すると、充電器の周辺にいる間は殆ど充電を意識しなくてもよくなるが、逆にiPhoneが何らかのアプリケーションの動作によって高負荷となり熱を持った状態で充電をするとバッテリーに負担がかかってバッテリーの寿命を縮めるだけでなく、最悪液漏れや爆発に繋がる可能性もある。
遠距離ワイヤレス充電が実現した場合は、特に端末への負荷がかかった状態での充電について気を遣わないと、何もしていないのにiPhoneが突然爆発したり異常な過熱状態になる可能性もあるため、少々心配なところがある。もちろんAppleは素人の私でも考えつくようなところは当然考慮して安全措置をとるのだろうとは思うが。
記事は以上。
(記事情報元:DigiTimes via Apple Insider)