Appleが小売業者や通信事業者(携帯キャリア)向けに出しているAppleSales FAQによれば、先日新たに発表されたiPhone 12シリーズをデュアルSIMモード(情報元によれば物理SIM+eSIMという前提と思われますが)で動作させると、セルラーデータ通信速度が4G(LTE)に制限されてしまうようです。
Appleの内部FAQ文書ではデュアルSIMモードでは5Gが使用できず、4Gになるとの表記が
iPhone 12シリーズは中国モデル以外は基本的に物理SIM+eSIMによるデュアルSIMとなっています。そしてRedditに投稿された上記のAppleのセールスWebのFAQにある「iPhoneの5Gについて知っておくべきこと」とされる画像によれば、デュアルSIMモードがアクティブになっているiPhone 12はどちらのSIMも5G通信をサポートしないことが明記されています。具体的には以下のように書かれています。
Q: 「5GはデュアルSIMで動作しますか?」
A: デュアルSIMモードで2つの回線を使用する場合、5Gデータはどちらの回線でもサポートされず、4G LTEにフォールバックします。お客様がeSIMのみを使用していて、5Gがサポートされているキャリアとサービスプランを利用している場合は、5Gにアクセスできます。
上記文書では、どちらかのSIMを無効にするだけで、5Gの速度を利用できるようになると示唆されています(ただ、書いているのはeSIMのことのみで、物理SIMのみを使用している場合については書いていません。。が、常識的に考えてどちらか一方のみと理解するのがよいのかもしれません)。
つまりこの制限は仕事用と個人用などで別々で5G回線を使用することを目的としていた「iPhone 12」シリーズ購買者に対しては非常に重大な欠陥として問題となりそうな案件といえます。
ソフトウェアによる制限の可能性があり、アップデートに期待
ただし一応一縷の望みは残っています。このiPhone 12シリーズのデュアルSIMの5G非互換性はソフトウェアの問題である可能性があるため、したがってAppleが将来的に解決できる可能性があるのです。実際、上記の画像を投稿したRedditユーザーは、2020年後半に予定されているアップデートにより、デュアルSIMモードを使用すると5Gが有効になると主張していますが、その根拠については明らかになっていません。
この情報はAppleの内部トレーニング文書で明らかにされているとされていますが、このデュアルSIMモードにおける5Gの動作については、現在のところAppleの公式サイトのiPhone 12関連のページのどこにも書いていません。
iPhone 12シリーズの中国+香港版の物理デュアルSIM版(物理DSDS版)の5G動作は不明。。
なお、当ブログでは中国版(+香港版)iPhone 12シリーズについて、世界で最も詳しいと思われる物理デュアルSIM版(DSDS版)の情報を記事でアップしています。
中国+香港版のiPhone 12 miniを除く物理SIM2枚によるデュアルSIMモードでも5Gが使えなくなるかどうかについては検証が必要です。ソフトウェア的にできなくしているのであれば、iPhone 12シリーズのiOS 14はiPhone 11シリーズと同様、IPSW(iOSオリジナルファームウェア)が全世界で統一されているため(iPhone XS/XS Max/XRまでは中国版のみ別だった)、iPhone 12シリーズでは中国版(+香港版)も物理デュアルSIMモードで5G通信ができない可能性は高いといえます。
私は一応中国版iPhone 12 Pro Max(=物理デュアルSIM版)を手に入れる予定ですが、現在契約している中国の中国聯通のSIMを5Gにするかはまだ決めていません。が、人柱としてはやはりしたほうがいいのでしょうね。。
人柱+検証できるようになったら報告しようと思います。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors)