iPhone 11 Pro Maxの製造原価は売値の半分以下か、TechInsightsによる分解レポート

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Appleの現行最高峰でフラッグシップのスマートフォンといえば、iPhone 11 Pro Maxです。昨年のiPhone XS Maxに引き続いてスマートフォンの中では最高級に高額な部類に入ります(貴金属や宝石などで装飾されたスマートフォンなどは除く)。しかしその部品費と組立費を足した製造原価は、その販売価格の半分以下になるという計算が出ています。

TechInsights がiPhone 11 Pro Maxを早速分解し、全ての内部に収められている部品を識別し分析、そしてそれぞれの部品にかかるコストを算出しています。

部品の中の最高額は73.5ドルで、これは今年のiPhone 11 Proシリーズでリニューアルされたあのトリプルレンズカメラユニットの価格です。その次がタッチスクリーンの有機ELディスプレイ(AMOLED)ユニットで、TechInsightsはこのユニットを66.5ドルと見積っています。なおそのすぐ下の3位には、iPhone 11 Pro Maxの心臓部ともいえる、AppleのA13プロセッサが64ドルと計算されています。

そして全体の組立費は、フォックスコン(Foxconn)の中国かインドで、21ドルとして計算されています。

iPhone 11 Max Proの全ての部品と組立コストを合計した製造原価として、TechInsightsは490.5ドルとしています。これは販売価格の45%ということになります。

もちろん、残りの608.5ドルが全てAppleの儲けというわけではありません。部品表(bill of materials、BoM)には、当然Appleの従業員の給与や広告宣伝費などのその他の販管費は含まれていません。ハードウェアやソフトウェア(iOS含む)のR&D費用も含まれていません。

ちなみにこのTechInsightsは昨年のiPhone XS Maxも分解して価格を分析していますが、iPhone 11 Pro Maxよりもコストが安いと見積もっています。販売価格は同じなのに。。です。

但し、TechInsightsの分析は、どれだけの数を購買すればそのような価格になるのか、またSonyの他社には出していないトリプルレンズカメラなどの特殊品の価格をどうやって割り出しているのかが不明です。バイヤーとしての正確な価格情報は恐らくそれぞれのサプライヤーからは得られていないと思われます。というわけで、上記の価格が正しいかどうかは眉唾物と言わざるを得ません。Appleの場合は発注数が半端ではないため、製造ラインや工場そのものを独占して生産することが多く、また強気の価格交渉をするため、実際は予想よりも断然安い価格で調達できている可能性もあります。

また、Appleはそれぞれの製品毎ではないですが、全体的な利益率を四半期毎の決算報告で明らかにしています。第三者が原価を推し量るのは確かに興味深いところではありますが、誰もAppleレベルでの購買をやったことがないので、実際にどのくらいで製造できているかについてはやはりブラックボックスなのではないでしょうか。

なお、TechInsights にはiPhone 11 Pro Maxを分解した写真が多数、また詳細のBoM、ジャンル別の価格ボリュームグラフなども掲載されています。興味がある方は是非どうぞ。

記事は以上です。

(記事情報元:TechInsights via Cult of Mac

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