調査会社Omdiaが11月5日に公表した2026年7〜9月期の世界タブレット出荷統計で、世界のタブレット出荷は前年同期比23%減の3,200万台となりました。Appleの【iPad】は約28%減で、シェア36%の首位を守ったものの、前年同期の38.2%から2.2ポイント下げています。上位5社で台数を増やしたのはLenovoだけで、HUAWEI(ファーウェイ、華為)は43%減と最も大きく落ち込みました。この数字はメーカーが販売店や流通へ送った台数(セルイン)の統計で、店頭で実際に売れた台数とは別物です。iPadの現行ラインナップはAppleの日本の製品ページにまとまっています。

市場全体の23%減より大きいAppleの28%減、シェアは38.2%から36%へ
市場全体が23%減のところ、Appleは約28%減ですから、iPadは市場平均より5ポイントほど大きく減ったことになります。シェアで見ると前年同期の38.2%から36%へ2.2ポイントの低下で、首位の座は変わりませんが、世界で出荷されたタブレットの3台に1台強がiPadという構図は少し薄まりました。2位のSamsungは540万台で22%減と、ほぼ市場全体と同じ減り方です。540万台は3,200万台の約17%に当たりますので、Appleの36%との差は2倍以上です。今回の統計では、首位と2位の間にこれだけの開きがあります。
上位5社の7〜9月期の出荷台数と前年同期比は次のとおりです。シェアはOmdiaが本文で示したAppleとLenovoの値だけを載せています。
- Apple:約28%減、シェア36%(前年同期38.2%)
- Samsung:540万台、22%減
- Lenovo:410万台、12%増、シェア12.7%(前年同期8.7%)
- Xiaomi(シャオミ、小米):230万台、11%減
- HUAWEI:180万台、43%減
上位5社で唯一の成長、Lenovoはシェア4ポイント増
Lenovoは410万台で12%増と、上位5社の中で唯一台数を伸ばしました。シェアは8.7%から12.7%へ4ポイント上がり、Appleが落とした2.2ポイントを上回る伸び幅です。Omdiaはこの理由を、欧州と中南米以外の地域で、キーボードを持たない板状のスレート型タブレットの流通向け出荷が支えたと説明しています。Omdiaの説明に沿えば、Lenovoの伸びは地域と製品の種類を限った流通向け出荷が中心です。市場全体の23%減と並べると、同じ四半期でもメーカーごとに出荷の明暗が分かれたことが今回の統計で確認できます。Xiaomiの11%減も市場全体より小さい減り方で、同じ中国の2社でもHUAWEIの43%減とは明暗が分かれました。
中国・中東・西欧で大きく減少、回復は2028年以降がOmdiaの予測
地域別では、Omdiaは中国・中東・西欧を特に大きく落ちた地域として挙げています。HUAWEIの43%減は世界合計での値です。今回の発表に載っているのは世界合計と上位5社の数字までで、国別のメーカー実績は含まれていません。
先行きについて、Omdiaの調査マネージャーのヒマニ・ムッカ氏は、タブレット市場の本格的な回復は2028年より前には見込みにくいと予測しています。この見方はOmdiaの担当者の予測として示されたもので、メーカー各社の計画とは別の話です。2026年7〜9月期から2028年までは1年以上ありますので、かなり先を見た予測です。
メーカー出荷と店頭の実売は別物、7〜9月期の統計と11月発売後の期間も別物
ここで注意したいのは、Omdiaの数字が「メーカーが販売店や流通へ出荷した台数」である点です。店頭で消費者に売れた台数(実売)とは集計の対象が違います。一般に、流通が在庫を減らす局面では出荷が実売より少なく出て、在庫を積み増す局面では多く出ます。今回の23%減に在庫の増減がどれだけ含まれているかは発表に載っていないため、この数字は出荷ベースの変化として読むのが正確です。
もう一つは期間です。今回の統計は7〜9月の3か月分で、昨日11月6日に発売されたiPad mini(A20 Pro)の売れ行きは一切含まれていません。次の10〜12月期の統計で確かめられるのは、発売後の四半期にiPad全体の出荷がどう動いたかです。iPad miniの機種別の内訳が公表されるかは、Omdiaの次の発表次第です。また、メーカー出荷には店頭発売より前の流通への配備分が含まれることもありますので、9月までの出荷統計と11月の店頭発売後の実売は別の動きになります。今回の数字は、新型の店頭発売より前の期間の出荷が落ちたという事実を示しています。
小龍的にはこう思った
小龍的には、首位を守ったという見出しより、市場全体の23%減をAppleが約28%減で減少率が上回ったことの方が気になります。シェア36%の会社が平均より大きく減ったということは、市場の縮小分のかなりの部分をiPadが担ったことを意味しています。一方でLenovoは4ポイント増ですから、同じ四半期にメーカー間で出荷の明暗がはっきり分かれました。今回の統計に入っているのはメーカー出荷の台数で、消費者がどのメーカーからどこへ買い替えたかは、実売のデータで見る話です。
とはいえ出荷は出荷で、実売は別です。iPad mini(A20 Pro)が昨日発売されたばかりの日本では、買うか待つかはこの出荷統計とは切り離して、新型iPad miniそのものの出来で決めればよいと思います(個人的には出来はとてもよいと思います)。次の10〜12月期の統計では、新型iPad miniの発売後の四半期にiPad全体の出荷がどう動いたかを確かめてみたいですね。
記事は以上です。

