【28万回開閉でもヒンジと折り目は無傷】iPhone Duo、CNETの機械で24時間連続試験、11月20日まで継続

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Appleの折りたたみ式iPhone【iPhone Duo】を、米CNETが自作の折り曲げ機で24時間休みなく開閉し続ける耐久試験が、発売から2週間に差しかかっています。9to5Macが11月5日に伝えたところでは、平日のYouTube配信が終わった時点で開閉回数は26万回を超え、ヒンジと折り目は「極めて良好に保たれている」ということです。

iPhone Duo

iPhone in Canadaによると、その後X(旧Twitter)に投稿された8日目の放送では28万1,635回に達し、損傷は確認されず、折り目も箱から出した時と同じ状態だとCNETの試験チームは述べています。CNETは少なくとも11月20日まで試験を続けるとしています。当ブログでは発売直後から、レビュー機の3万2,000回の開閉試験や開閉20回未満で起きた内側画面の亀裂をお伝えしてきました。分解で見つかったヒンジ中央の折れたリンクやAppleの「少数」という声明も紹介しました。対して今回は「壊れにくい側」のまとまった数字です。

 

 

1回4秒・毎時900回、発売日に買った本体をそのまま機械へ

iPhone in Canadaによると、CNETの折り曲げ機「Fold-a-Phone」は米ケンタッキー州ルイビルの同社の試験施設にあります。10月23日の発売日にApple Storeで受け取ったiPhone Duoを、3Dプリントした台座に強力なテープで固定して動かしています。動きは1秒で開き、1秒開いたまま止め、1秒で閉じ、1秒閉じたまま止める、という1サイクル4秒で、1時間に約900回、1日に約2万回のペースです。配信はCNETのYouTubeチャンネルで平日の米東部時間13時から17時、日本時間では翌日の午前3時から7時にあたります。

配信のペースを検算すると、900回×24時間=1日2万1,600回です。26万回に達するまでに約12日、28万1,635回なら約13日かかる計算で、10月23日から数えると11月4日と5日にぴったり重なります。ということは、この機械は発売日から常時動き続けていることを意味しています。

28万回は何年分?1日100回開く人なら約7年半

CNETの検証記事によれば、折りたたみスマートフォンを1日100回開閉する人なら、28万1,635回は2,816日、約7年8か月分です。1日50回なら15年を超えます。この間、CNETのチームは無傷のままで、折り目も最初の状態から保たれているとのことです。

比較の物差しになるのはSamsungの公表値です。Gizmodoによると、Samsungは最新のGalaxy Z FoldとGalaxy Z Flipについて、画面が壊れるまでの開閉回数を50万回と公式に定めていて、以前の20万回から2倍以上に引き上げています。一方Appleは、他の折りたたみメーカーが普通に公開しているこの数字を控えています。日本の製品ページの耐久性の項目にあるのは、グレード5チタニウムのフレームとヒンジカバー、傷に強いコーティングを施したインナーディスプレイ、前面と背面のCeramic Shield、IP68という材料の説明だけで、回数の記載は省かれています。

CNETの28万1,635回はSamsungの50万回の約56%に当たります。残りの約21万8,000回は、1日2万1,600回のペースなら約10日分です。11月5日から数えると11月15日前後に50万回へ届き、CNETが予定どおり11月20日まで続ければ、その時点では約60万回に達する計算です。つまりAppleが公表していない数字を、CNETが代わりに実測で出してしまうことになりそうです。

人の手による7万5,001回とは条件が別、機械試験は「引っ掛かりのない個体」の結果

一方で当ブログでもお伝えした、YouTuberのKuba Klawiter氏が人の手で開閉して7万5,001回目に内側画面の中央に線が出た試験は、CNETの試験と条件がかなり違います。Gizmodoによると、Klawiter氏は5万回の時点でポケットの糸くずを模して土ぼこりを入れた袋にiPhone Duoを入れ、6万回で折り目が深くなり、7万5,000回で低温を模して氷を張ったボウルに入れた直後に線が出ています。Gizmodoは、氷に入れなければ、しかも画面を開いたまま入れなければ、まだ続いていたかもしれないと書いています。Klawiter氏が同じやり方で試したGalaxy Z Flip 3とGalaxy Z Flip 5は40万回を超えて耐えたということです。それらに比べるとiPhone Duoの7万5,001回は見劣りします。ただ、ほこりと氷の影響がどれだけ上乗せされたかは未知数です。

CNETの機械は室温で、ほこりもなく、同じ力・同じ速さで開閉を繰り返しています。ということは、この結果はヒンジと内側画面の機械的な設計そのものが、条件のよい環境で何回耐えられるかを示しています。そして当ブログでお伝えした分解では、亀裂の原因はヒンジ中央の薄いリンクが支持板に引っ掛かって折れることで、引っ掛かりの有無は個体差でした。CNETの本体は28万回動いて引っ掛かっていないので、引っ掛かりのない個体だったと考えるのが自然です。つまりCNETの試験は「正常な個体は何回でも持つ」ことを示していますが、「何台に1台が引っ掛かる個体か」は大量に試験しないとわからないため、1台だけでは何も分かりません。

それでも、機械やロボットで開閉した3件(ジョアンナ・スターン氏の3万2,000回、Tim Pan氏の1万1,500回、CNETの28万1,635回)はいずれも無事でした。割れた報告は購入直後や初期設定の途中に集中しています。この構図は発売2週間ではっきりしました。Appleが「少数で、比較的早く症状が出る」と説明した内容と、第三者の数字の出方が一致しています。

小龍的にはこう思った

小龍的には、CNETの試験は、Appleが出し渋っている開閉回数を、第三者が無料で、しかも生配信で出してくれているようなものだと思っています。11月20日まで壊れなければ、Samsungの公表値50万回を上回る実測値がYouTubeの記録として残ります。Appleとしては自分で数字を出した方が格好がついたはずで、出さなかったのは、当ブログでお伝えした「少数」の個体の問題をAppleが発売前から把握していたからではないか、と疑ってしまうレベルです。

ちなみにSamsung Galaxyやその他中国国産メーカーの折りたたみスマートフォンは開いた後もヒンジの上下に扇形のような部品が少し出っ張っているように貼り付いていて埃などの侵入を防いでいますが、iPhone Duoにはその仕組みがなく、平らになるようになっています。これは他の折りたたみスマートフォンを開発をしてこれまで失敗してきた道をAppleも辿ってしまったのではないかと危惧されます。

日本で364,800円を払ってiPhone Duoを手にする人にとっての意味は、はっきりしています。心配すべきなのは何年も使った後のヘタリではなく、最初から数回、そして数日内の開閉です。つまり、初期不良品が当たったかどうかを慎重に判断しなくてはなりません。届いた本体を初めて開くときはゆっくり開き、固いと感じたら押し切らずにApple Storeへ持ち込む、受け取りから14日以内なら返品や交換の扱いにできる、という当ブログで繰り返してきた対処が、今回の28万回のデータでむしろ裏付けられた形です。引っ掛かりのない個体を引いた人は、CNETの機械が証明しているとおり、何年も開閉を気にせず使えるでしょう。

ただ、40万円近くを払って壮大なババ抜きに参加するのは。。私はいちぬけた、でした。

記事は以上です。

(記事情報元:9to5Mac、iPhone in Canada、CNET、Gizmodo、Kuba Klawiter氏の配信、Apple)

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