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iOS 11.3からiOS 11.4までのバージョンで、ユーザーがiPhone・iPad・iPod Touch上で単語として”Taiwan（台湾）”とメッセージアプリやFacebook、WhatsAppやその他のテキストフィールドに入力するとクラッシュする問題が発生しているのをご存じでしょうか。
Axiosによれば、この現象はDigital SecurityのPatrick Wardle CSO（Chief Research Officer）によって初めて発見され、彼個人のブログ、Objective-Seeの昨日の記事で発表されました。
地域を中国に設定しているiOSデバイスでは、台湾の中華民国旗を表示させないようにしていることが原因か
上記のブログ記事ではエラーコードログを解析して原因を突き止め、プログラムコードの視点からかなり事細かにクラッシュが起こる経緯について説明していますが、かなり説明が煩雑なので省き、簡単にまとめると以下のような感じです。
Appleは台湾を実質的に支配している中華民国旗（青天白日満地紅旗）の絵文字を、中国は1つであって中華民国は存在しないと主張する中国（大陸、内地）政府への配慮から、地域を中国（大陸）に設定されているiOSデバイス上では表示しないようにしています。その中国リージョンで「コードを隠す」という動作をしているために、その他の地域に設定すると、変換候補に出てくる中華民国旗の処理の関係で予期せぬクラッシュが起こってしまうということのようです。
ただ、昨日リリースされた現在最新のiOS 11.4.1ではこの問題は修正されているとのことですので、もしこの問題が気になる人は最新バージョンにアップデートしておきましょう。設定＞一般＞ソフトウェア・アップデートで、OTAでアップデート可能です。
Appleは中国政府への配慮や譲歩を繰り返している
Appleは中国政府に対して様々な点で配慮したり譲歩する姿勢を見せています。例えば、中国政府の要請に従って、多くの政府未承認のVPNアプリを中国のApp Storeから削除しています。また、同様に中国政府にとって都合の悪いニュースを流しているとされる、海外のニュースメディア、例えばThe New York Timesのようなアプリも中国のApp Storeから削除しています。
また、2016年には中国政府当局が、iTunes MoviesとiBooksの中でリリースされていた、香港で作られたインディーズ映画の”十年（Ten Years）”を強制的にシャットアウトしたりもしています。
Appleは中国での法規制の遵守（コンプライアンス）のために実施、仕方のないこと
Appleのあまりにも中国政府に対する譲歩している姿勢はしばしば中国に反感を抱く人達に槍玉に挙げられていますが、中国相手に商売をする時には、このような政治的なことも中国の主張に絶対的に従う必要があります。中国国内基準でいえば、法規制を遵守している（コンプライアンス）といえるのです。
Appleはグローバル企業として中国での売上や製造に非常に重いウェイトを置いていることもあり、仕方がないことだといえます。
中国国内でのコンプライアンスを拒否したために、中国市場から撤退を余儀なくされたのがGoogleです。とはいえ、Androidだけはとてつもないシェア率を誇っていますが。。
今後、日本も経済的にも政治的にも、隣国としてどんどん成長を続ける中国は避けて通れない存在です。色眼鏡を外して実利と互恵のために協力するのが一番いいことだと思いますが、あまりに強硬な態度や現実に即しない主張などに辟易とする気持ちもわからないでもないです。でも、中国様はジャイアンだから仕方ないんです、というしかないですね。
記事は以上です。
（記事情報元：iDownloadBlog）