Appleのモバイル用OS、iOS 11のインストール率が4月22日、76%に達したことが、Appleがデベロッパ向けに公開したサポートページで明らかになりました。この数字は今年1月18日よりも11%成長していて、当時は65%でした。そして去年の11月6日の52%に比べると24%伸びたことになります。
iOS 10とその前のiOSを合わせてもたったの24%
そして上記のAppleによるグラフによれば、19%のデバイスがまだiOS 10を搭載していて、5%のデバイスがiOS 9を含む以前のバージョンを搭載していることになります。これらのデバイスは、恐らくiOS 11にアップデートできない旧機種ではないかと思われます(iOS 11では32bitデバイス、iPhoneでいえばiPhone 5/5cがアップデートできなくなっています)。
iOS 11はiOS 10に比べると普及のスピードは遅い、その原因は?
iOS 11のインストール率は安定的に増加してきていますが、iOS 10ほどの普及率になっていません。ちなみに昨年の2月の時点で、iOS 10は80%近いインストール率になっていました。
iOS 11はHomeKitバグやSpectreやMeltdownといった脆弱性、iOS 11.2.5まではテルグ語等の文字列でクラッシュする問題、そしてユーザにほぼ知らされない形で勝手に旧機種のバッテリー劣化による速度低下が図られるなど、非常にユーザに対する印象が悪くなっていて、それらの情報を見たユーザがアップデートをためらっている可能性も高いといえるでしょう。
1月から4月にかけて11%インストール率が増加したのは、12月のiOS 11.2のリリースと、3月のiOS 11.3のリリースがあったからかもしれません。これらのiOS 11の中でも大きいアップデートでは、キーとなる新機能の追加が行われています。iOS 11.2ではApple Pay Cash(iMessageでApple Payによる送金が可能になる)や、iPhone X/8シリーズの7.5Wのワイヤレス充電機能の追加(それまでは5Wのみでした)が追加され、iOS 11.3ではバッテリー健康状態の管理機能やARKit 1.5、健康状態の記録機能などが追加されています。
なお、iOS 11.4も現在ベータテスト中ですが、既に新しい機能としてMessages on iCloudやAirPlay2などの新機能がテストされていることが知られています。
Androidの最新版インストール率は惨憺たる結果、iOS 11が遥かに上回る
iOS 11のインストール率の増加速度がiOS 10よりも遅いことで、Appleファンとしては少々心配なところがあるかもしれませんが、実はこの数字はGoogleのAndroid OSの最新版のインストール率と比べると圧倒的に高いのも事実です。
4月16日時点で、Androidデバイスで最新のAndroid 8 Oreoが搭載しているデバイスのインストール率はたったの4.6%しかなく、ほとんどのユーザがAndroid Lolipop(2014年)、Marshmallow(2015年)、Nougat(2016年)を使っています。
これだけiOSとAndroidの最新版インストール率に差がつくのは、Appleは基本的に復元の際に最新バージョンにしか復元させない仕組みにしていること、またAndroidはメーカーや機種が星の数ほどあり、それらのメーカーが最新バージョンを積極的に適応させていないという双方の原因が挙げられるかと思われます。ただ、OSの開発元、アプリのデベロッパ(開発者)やユーザにとっても、最新版のインストール率が高い方が動作も安定し、セキュリティも保てることから、iOSデバイスはやはり理想的な状態なのではないかと思われます。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors)