Apple、独自プロセッサ「M1」チップ搭載のMacBook Air、MacBook Pro、Mac miniをリリース発表。気になる点など

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Appleは本日未明、「One more thing.」発表イベントで独自プロセッサ「M1」チップ搭載のMacBook Air、MacBook Pro 13インチモデル、Mac miniをリリース発表しました(発売は11月17日から)。おおまかな紹介は既に他のメディアで出ているのでそちらを参照していただくとして、当ブログとしては個人的にはこれらを買うつもりはないですが、気になる点をいくつか挙げていきたいと思います。

M1チップ

M1チップあれこれ

MacBook Pro搭載のものはその速さは2017年のiMac Pro以上

MacBook Pro M1チップ搭載モデル

今回のMacBook Pro 13インチ搭載のM1チップの速度ですが、8コアCPUが前世代のものに比べて約2.8倍高速、8コアGPUが前世代の5倍、16コアのニューラルエンジンが前世代の11倍という速度とされています。

これは単純計算ですが、2017年に発売された当時最速だったiMac Pro(現在でも税別で55万8000円します)よりも高速であるといえます。それが税別134,800円から買えるようになったというのはとんでもないことだと思います。

動作クロック表記なし

目立ったのが、これまでIntelのチップでは基本動作クロック(例:3.0GHz)やターボブースト時の動作クロック(例:3.6GHz)などが記されていましたが、今回のM1チップでは一切表記されず、CPU・GPU・ニューラルエンジンのコア数のみ表記されていることです。これでは例えばMacBook AirとMacBook Pro 13インチで搭載されているM1チップのどちらが優れているのか、ぱっと見では判断できないことになります。

MacBook Airがファンレスに

MacBook Air M1チップ搭載モデル

上記に関連することですが、M1チップ搭載で、MacBook Airがファンレス設計になりました。これはかつての無印MacBookを彷彿とさせる仕様となっています。

ただ、ファンレスであるが故に、当然熱処理に関してはMacBook Proに劣ることになり、全体の熱設計としてはM1チップの性能を最大限に発揮できないか、或いはM1チップそのもののスペックがMacBook Pro 13インチよりも劣ったものが搭載されている可能性があります。

もちろん、価格差があるのでそれは当然のことですが。。ただ、実際は2〜3万円くらいしか差がないので、個人的にはパワーがあるMacBook Pro 13インチを選択したい気持ちはあります。

あとは性能を求めるか、軽さを求めるかでMacBook ProにするかAirにするかを選べばいいということになります。ファンレスは静かですし、まるでiPadを使っているような感覚です。個人的には同じくファンレスだった無印MacBookが好きだったこともあり、これはお勧めといえます。M1チップ搭載ですし、MacBook Airでも16GBのメモリを選択できますから、かつての無印MacBookのような非力さはないといえるのではないでしょうか。更にバッテリーの持ちもよくなっているので鬼に金棒ですね。

MacBook ProのUSB-Cの仕様に変更が

MacBook Pro M1チップ搭載モデル USB 拡張仕様

これまでのIntelチップ搭載MacBook Pro 13インチのUSB-Cポートは、下位機種はUSB-Cポートx2でThunderBolt 3対応でしたが、今回のM1チップ搭載モデルはUSB-Cポートx2でUSB 4仕様となっています。ちなみに上位機種(Intelプロセッサ)はUSB-Cx4でThunderBolt 3対応となっているので、M1チップ搭載モデルのUSB-Cポート数は、現行では同時に販売されているIntelプロセッサモデルよりも少ないという事態になっています。

ちなみにMacBook Airは完全にM1チップ搭載モデルのみに統一され、USB-CポートはM1チップ搭載モデルのMacBook Pro 13インチと同様、USB-Cポートx2でUSB 4仕様となっています。

バッテリー駆動時間が約倍に

MacBook Pro M1チップ搭載モデル バッテリー性能

今回の大きな目玉は、上記のような大幅な性能アップがあったにもかかわらず、MacBookシリーズのバッテリー駆動時間がこれまでの2倍ほどになっていることです。これは画期的なことだと思います。正直MacBookシリーズのバッテリー駆動時間についてはこれまで殆ど期待していなかったんですが、動画再生で20時間であれば十分な感じがします。

メモリは16GBまで

M1チップ

今回のM1チップ搭載モデルは、どのモデルもメモリは16GBまでとなっているのが少し気になりますね。ただ、これまでのIntelチップと単純に比較はできないのは、メモリの名称が「ユニファイドメモリ」となっているところからも象徴されています。M1チップはSoCで、チップ内にメモリを内蔵するUMA(Unified Memory Architecture)によってメモリの処理が大幅に改善していることが考えられ、16GB、または8GBでも十分その性能を発揮できるのかもしれません。

逆にあまり比較根拠がないとはいえメモリが32GB以上ないと不安だという方は、今回のMacBook Pro 13インチはこれまで4機種選べたうちの下位2機種の更新だと考えれば、今後上位2機種のアップデートがあったときに32GB以上のオプションが選べるようになっているかもしれません。またMacBook Pro 16インチについても今後M1或いはその後継チップの搭載モデルが登場するでしょうから、そこでメモリがどのくらいのものが選べるかによって変わってくるかと思います。

いずれにせよ、今後MacBook Pro 13インチ M1チップ搭載モデルの16GBモデルでの使用感などのレポートが上がってくると思うので、それらを参考に決められてはいかがでしょうか。

Mac ProやiMac ProではAppleシリコンは厳しい?

iMac Pro

M1チップが今回MacBook Air、MacBook Pro 13インチモデル、Mac miniという基本的には比較的低スペックのモデルに採用されたことでわかるように、Appleが開発しているチップは基本的にはiPhoneやiPadなどモバイルデバイス向けに開発されたチップで、省電力が念頭にあって、その制限の中で最大限の力を発揮することに重点が置かれて開発されています。それに比べ、ひたすら高性能であることが求められているMac ProやiMac ProなどのハイスペックなMacへの対応は難しいのではないかといわれています。

Mac Pro

現行のMac ProやiMac ProにはIntel Xeon Wプロセッサが搭載されていますが、これを超えるプロセッサを製造するのは並大抵のことではありません。MacのAppleシリコンへの移行は数年かかるとされていますが、最後になるのがこちらなのではないでしょうか。または通常のMacBook ProやiMacなどが超強力に発展していくことで、それらのマシンとは桁違いに速いMac ProやiMac Proが実現しにくくなるのかもしれません。。

「Apple製品は初物に手を出すべからず」の格言は今回も適用されるか?

「Apple製品は初物に手を出すべからず」という格言もあるとおり、何か思いもよらない大きな欠陥があったり、または1〜2年後には更に驚くような大幅アップグレードがある可能性もなきにしもあらずなので、今回のM1チップ搭載モデルには手を出さないというのも賢い選択かもしれません。

もちろん、数年前のMacBookやMac mini等の機種をご利用の方は、この機に買い替えるとビックリするくらいの速度の変化とMacの進化を感じられるのではないかと思います。最新のものをお持ちでもCPUで3倍近く速いのですから、毎年買い替えるようなApple信者・Macフリークの方でも速さの違いを体感できるレベルとは思います。

私の場合は現在は外出用に2018年にMacBook Pro 13インチモデル(全部盛りCTO)、また家での作業用として今年2020年初にMacBook Pro 16インチモデル(実店舗Ultimateモデル)を購入してしまっているので、正直今はMacBookを新調する予定はありません。ただ、これらのどちらかを下取りに出して、自宅用にはMac mini、そして外出用にはMacBook Airを買いたい気持ちもあります。。が最近は新型コロナウイルス感染症の影響であまり外出もしないので、それも必要ないかなあ、、と思ったりしています。とりあえず現状でも自分の仕事環境からすれば十分なスペックなので、暫く様子見で行こうかなという感じです。

しかも、暫くは様子見しなければならない理由があります。それは、、

中国版は発売日未定

なんと、M1チップ搭載モデルのMac 3機種は、中国版はまだ発売日未定で予約さえ受け付けていないのです。。恐らく許認可の問題と思われますが、ちょっと悲しいですね。中国で買えるようになって実店舗に出るようになったら試してみたいと思っています。

記事は以上です。

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