Apple、iPhoneの不振で一部部門の新規雇用を削減か

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ブルームバーグ(Bloomberg)によると、Appleは昨年末のホリデーシーズン中のiPhoneの売り上げが期待を裏切るレベルで下がったため、同社の一部の部門で採用を削減する予定であると報じられています。 

Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOが今月初めに行われた全体会議でこのニュースを従業員と共有したということです。出席者によると、クックCEOはAppleが雇用凍結を実施するかどうかについて尋ねられたが、それが理想的な解決策であるとは信じていないと述べたとのことで、代わりに一部の部門で採用数が減少するということになったようです。

Apple、部門を選択して新規雇用をカットしていく方針に

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クックCEOによると、Appleはどの部門が採用を削減するのかはまだ決めていませんが、AI部門のようなところは引き続き従業員を増やしていくということです。クックCEOはそれと同時に、Appleの将来に対する部門の重要性はその採用率の調整では判断されないと従業員に語ったとのことですが、後者についてはこれまでのAppleの様々な製品やサービスの切り捨てを見るに、慰めや詭弁のような気もします。

米国の2つの新事務所の雇用には影響なし

雇用の削減がどれほどの広範囲に渡るかは明確ではありませんが、テキサス州オースティンとカリフォルニア州ロサンゼルスに計画されている新しいAppleオフィスには影響はありません。2018年にAppleは9,000人の新入社員を雇用し、2017年にはAppleは7,000人の新入社員を雇用しました。最近のSECの申請によると、Appleは小売店(Apple Store)と合わせると合計132,000人の従業員を雇用しているということです。

以下のグラフの通り、ここ10年間Appleは順調に従業員数を増やし続けていますが、2019年からはどうなるか。。今後の動きに注目したいですね。

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過去10年間のAppleの従業員数チャート(by BloomBerg)

AppleによるiPhone販売低迷原因の分析

Apple はiPhoneの売上が予想を下回って少なかったため、2019年第1四半期の収益見通しが低下していると発表した直後に全体会議を開催しました。Appleは2019年第1四半期の売上高を840億ドルと予想しており、11月の見積もりの930億ドルから89ドル引き下げ、前年同期比で43億ドル減少しています。クックCEOはiPhoneの販売が予想を下回った理由として、

  • iPhone XS、XS MaxとXRの発売時期がずれたこと(XRの販売の遅れ)
  • 米ドル高
  • 供給の制約
  • 中国における景気の低迷
  • 米中貿易戦争の緊張感
  • キャリア補助金の少なさ
  • 低価格のバッテリー交換によるiPhoneのアップグレードの減少

など、複数の理由を挙げています。

AppleはiPhone売上減少をむしろイノベーションのチャンスと捉えている

Appleの幹部たちは、内部的にはiPhoneの売り上げの減少をイノベーションの機会と位置付けており、サードパーティとの統合および今後のストリーミングTVサービスによって、成長しているサービスカテゴリを強化することを計画しているということです。

クックCEOと従業員との全体会議における話し合いの後、AppleのSVP(上級副社長)の中には、iPhoneの売上の減速が新たなイノベーションの機会であることを強調するために、VP(副社長)、上級取締役、その他のグループマネージャ達と個別に会議を開いた、と述べている人もいます。

目前の緊急対策は。。値下げと下取り価格の増加?

一部の部署での新規採用数の減少に加えて、AppleはiPhone販売の低迷により、iPhone XRとXSの生産量を10%削減しました。また販促の戦略として中国での価格の引き下げの実施、また米国やその他の国々での下取り値の増加により、ユーザのアップグレードを促進しています。

小龍のひとりごと

世界各地でiPhoneの旧機種の中古品の値崩れも起きており、ますます新機種との価格差が開くことで、新機種への買い替え需要は冷え込むかもしれません。これはひとえに新機種の価格が高すぎることが原因なのは間違いなく、そのことにクックCEOが触れなかったのは、自社の価格戦略の失策を隠していると捉えられてもおかしくはありません。

しかしそれによって新規雇用を減らすとなれば、結局企業はまずコストとして人件費から削減するというやり方をAppleも踏襲するということになりそうですね。クックCEOはこれまで相当きれい事ばかり述べていますが、その言動不一致が今後指摘されていくことになるかもしれません。

Appleもイノベーションの絶好の機会というのであれば、驚くような新製品に期待したいところなのですが。。サービス部門の強化も、Appleの魅力的な製品があってこそのエコシステムだと思います。今後Appleはいわゆる本当の意味での人材のリストラ=再構築をしていく必要もあるのではないでしょうか。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors

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