Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOが米国国営ラジオ局NPRの取材を受け、それが昨日記事になっています。そのインタビューで、ティム・クックCEOは中国市場での値下げについて語っています。そして中国市場の値下げをどのように米国の価格に反映させるかについて質問されたときに、ティム・クックCEOは簡単にこう答えています。「私たちはその効果がどうなのか、見てみたいと思います」
iPhoneの最近の中国市場での値下げについて、ティム・クックCEOはiPhoneの中国市場での成長の鈍化は人民元の切り下げ(元安)によるものとし、「現地の通貨が1年を通して下がったことから、私たちの製品価格も上昇しました。そしてその価格上昇は、米ドルベースで計算している他の国や地域に比べてもその上昇幅が大きかったのです」と解説しています。そしてその対策として、クックCEOはiPhoneの中国市場での価格を人民元切り下げ前の定価水準まで戻したということで、その値下げの効果を見たいということです。
クックCEOはこのように述べていますが、全く根本的な問題に触れていないかと思います。それは、iPhone XS/XS Max/XRという3機種の現行最新iPhoneの値付けそのものが高すぎたという事実です。米ドルベースであったとしても、やはり高すぎるのです。他の中国国産スマホに比べても非常に高い水準にあり、それでいてイノベーションが生み出せていないため、売れなくなっているのは明らかです。クックCEOは詭弁を弄していますが、さすがにあまりにも見え見えなのがちょっと。
Appleは次世代iPhoneからはある程度適正な価格帯での販売が不可避になるでしょう。
なお、同じインタビューでクックCEOは米中貿易戦争のゆくえについても楽観的な見方を示していますが、それも昨年第四四半期の売上げ減少のいいわけにしていただけに、ちょっと矛盾を感じる発言です。
いずれにせよ、Appleはまだブランドとしての魅力は残っているので、中国でもある程度適正な価格に落ちてくればまた売れるようになると思います。ただ、ファーウェイなどは確実にカメラ性能でiPhoneを抜いてきていますので、挽回は難しいかもしれませんが。。
記事は以上です。
(記事情報元:NPR)