Appleのエディ・キュー上級副社長、働き過ぎで会議中に居眠りも?元従業員が語るその仕事ぶりとは

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2018年9月6日に海外メディアのThe Informationが、Appleのエディ・キュー(Eddie Cue)上級副社長(SVP)の個人的なヒストリーやリーダーシップについて、周辺の人物への取材をもとに特集しています。

特に興味深いのは、サービス部門のトップのキューSVPが、働き過ぎといわれていること、そしてキューSVPがトップになったことで、Appleは本来得られるべき収入と利益が失われたとされていることです。

Eddy Cue, Jimmy Iovine, Apple, Beats Music, Code Conference

アナリストのJames McQuivey氏によると、Appleはここ10年、ストリーミングTVと音楽サービスにおいてNetflix、Amazon、Spotify、などの企業をキャッチアップする必要があったこと、そして全く見当違いなeBooksのカテゴリにおいてフェイドアウトしていること、そしてAppleのマップとSiriについて今でも奮闘を続けていることが問題だと指摘しています。Apple独自のマップとSiriについては、キューSVPが途中で担当を外れています。

そして、The InformationのAaron Tilley氏が24人の人にエディ・キューSVPのAppleにおけるヒストリーについてインタビューをしています。それによると、一部の人は「知性と情熱にあふれたリーダーシップを執る」と評価していますが、一部の人は「彼は働き過ぎ」としていて、「(社内での従業員同士の)衝突の仲裁に失敗している」とも評しています。特に、とある元Appleの従業員が、初期のApple Musicについて、キューSVPは「いつもあまりに多くのことをやり過ぎた」としています。

特にApple Musicにおいては、Beatsの買収から始まったのですが、その際にApple社内のチームとBeatsから来たチームの間で衝突が起こったのですが、キューSVPはその仲裁に失敗したというのです。この匿名を条件にインタビューに答えた元従業員は、「Appleはとても少ない人数でとてつもなくたくさんのことをしようとします」としています。「そしてそれが裏目に出ることがあります。キューSVPが正にそのベストな例です。彼はいつも、Appleであまりにも多くのことを担当しすぎているのです」。

複数の元Apple従業員の証言によると、キューSVPはSiriの責任者になってからかなり熱を上げていたようで、「少なくとも2回の会議中に居眠りをしていた」といいます(働き過ぎの疲労によるものと思われます)。ちなみに、Siriの責任者はその後クレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)SVP、そして現在はジョン・ギアナンドレア(John Giannandrea)氏に移り変わっています。

音楽方面に関しては、元々Appleの共同創業者で前CEOのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が、音楽レンタル事業(ストリーミングを含む)を嘲笑するほど忌み嫌っていたことから、会社全体がその方針に従い、iTunes Music Storeは基本買い取り式になり、メジャーレーベルとの契約において常にSpotifyとぶつかることになります。アメリカでiTunes Musicからユニバーサル・ミュージックが削除されたのも、Spotifyとのいざこざがあったからでした。

そして2011年秋にスティーブ・ジョブズが死去してから、Appleは音楽ビジネスの方向性をストリーミングサービスに切り替えます。そこでApple史上空前絶後の30億ドルという巨額の買収金で、Beatsが買収されることになります。そしてキューSVPがトップに据えられることになります。Apple Musicは正にエディ・キューSVPの肝煎りのプロジェクトということになるのです。しかし、元Beatsの従業員で、買収されたことでAppleに入社したとある人物によると、「AppleはApple Musicをマネージメントするにはあまりにもリソースが足りなかった」と証言しています。

更に、BeatsのシステムをAppleに取り込む決定をするために、この両者の間には正に拳を交えるほどの衝突が起こったといいます。デザイン要素・特徴・美学などの面において食い違いがあり、お互いが全員相手を嫌うほどでした。そしてその原因となったのがキューSVPのリーダーシップのスタイルだったというのです。キューSVPは基本的に「放任」タイプのリーダーシップを執っていたため、配下の2つの派閥が激しい闘争を起こしても調停をしなかったため、争いが絶えず問題が解決しなかったということです。

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そして今後のエディ・キューSVPの最大のチャレンジは、「ストリーミングTVサービス」ということです。キューSVPは、AppleのストリーミングTVサービス用アプリを自社のデバイスだけではなく、Androidなど他のOSにも対応させ、コンテンツを売っていく方針のようです。

これまでキューSVPはあまりに多くのことを一人でやり過ぎて、チーム内の人間関係の調整に手が回らなかったり、1つ1つのことがしっかり完成されないという結果をもたらしてきただけあって、今後彼が担当するプロジェクトには不安が残りそうです。とはいえ殆どのサービスは今でもキューSVPが担当していることから、個人的にはどちらかというと彼の働き過ぎによる健康状態の方が気になります。有能であるが故に、自分で働きすぎてしまうのかもしれません。エディ・キューSVPはスティーブ・ジョブズ前CEOの子飼いだった重要人物で、現在でもAppleの高利益率をたたき出すサービス部門の大部分を司る、重要な幹部です。体を大事にして、社内リソースを調整しながら適度に仕事をしてほしいものです。

その他のエディ・キューSVPに関するインタビューは、The Informationで読むことができます(英語ですが)。

記事は以上です。

(記事情報元:The Information via MacRumors, iDownload Blog

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