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テック業界のニュースでは、中国のBOEが有機ELディスプレイ（AMOLED）の大規模量産を始めた、ジャパンディスプレイ（JDI）やLG等のメーカーがサムスン（SAMSUNG）からAppleの有機ELディスプレイの受注を奪おうとしているなどの情報が報じられていますが、やはり事実上サムスンの有機ELディスプレイ市場を独占しているその地位はなかなか覆りそうもありません。昨日のサプライチェーンからの情報によれば、サムスンディスプレイ（Samsung Display）は来年もiPhoneの唯一の有機ELディスプレイ（OLED）供給メーカーとなりそうです。
サムスンディスプレイは来年、Appleに1.8〜2億枚の有機ELディスプレイ（OLED）を供給する計画があるということで、これらのディスプレイは全てiPhoneで用いられるとのことです。今年、AppleはiPhone Xのためにサムスンディスプレイから5000万枚の有機ELディスプレイを購入しています。来年の数量が1.8〜2億枚になるということは、AppleはiPhone全てを有機ELディスプレイに変更する予定であることは明らかです。これまでのデータで、AppleのiPhoneの年間売上は約2億台強であることがわかっています。そのうちには一部旧型が含まれることを考えると、Appleは来年の新型iPhoneの売上をかなり強気に見積もっていることになりそうです（または、サムスンディスプレイの供給能力に不安があるのか、どちらかでしょう）。
このAppleの巨大な発注はサムスンディスプレイに莫大な利益をもたらしそうです。マーケティングリサーチ会社のIHSMarkitによれば、iPhone Xが使用しているサムスンディスプレイの有機ELディスプレイの価格は110ドル程度で、iPhone Xのコスト370ドルの約3分の1ほどと見積もられています。この金額で計算すると、サムスンディスプレイがAppleに販売する有機ELディスプレイだけでも200億ドル（2兆円以上）にも上ることになります。サムスンディスプレイはこの件について非常に自信満々で、iPhone Xのディスプレイは販売直後、緑の線が入ったり残像が残るなど、いくつかの品質問題を抱えていましたが、サプライチェーン内の噂では、サムスンディスプレイがiPhone Xのために製造している有機ELディスプレイの良品率は80％に達しているとのことです。
ただ、もちろんAppleは敵でもあるサムスンの傘下のサムスンディスプレイにずっと稼がせているつもりではないようです。LGはかつて、確かにAppleの受注を奪おうとしていました。それはLG自身の有機ELディスプレイ技術を守ろうとしているからです。他にも中国のBOE（京東方）もiPhoneのために有機ELディスプレイを支給しようとしているという情報はかなり前から報じられてきました。2019年には廉価版のiPhoneが出るのではないかと噂されていますが、その廉価版iPhoneにはLGやBOE、或いはJDIの有機ELディスプレイが搭載されるかもしれません。ただ、フラッグシップモデルではサムスンディスプレイの独占状況が暫く続くのかもしれません。
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（記事情報元：WeiPhone）