アメリカ合衆国サンフランシスコ現地時間の2月13日朝9時に、Appleは新本社社屋のアップルパーク(Apple Park)のスティーブ・ジョブズ・シアター(Steve Jobs Theatre)で2018年の株主総会を開きました。これはAppleの新社屋での初めての株主総会となりました。ただ、スティーブ・ジョブズ・シアターの座席数に限りがあったため、一部の株主は出席することができず、委任状の形で票を投じました。そしてこの会議上で、Appleと株主達は多くの問題を解決しています。
株主総会では、株主の同意を得て様々な決議を行わなければならない
Appleの株主が一堂に集まったということで、Appleは多くのことを株主の同意を得た上で決定しなければなりません。スティーブ・ジョブズ・シアターで、Appleと株主は多くの株主総会での決定事項(提案)に票を投じ、またティム・クック(Tim Cook)CEOに対して様々な質問が浴びせられました。
普通、株主総会は対外的に開放する必要のないものですが、Appleは今回CNETなどのいくつかのメディアを招待していたため、私たちも株主総会で何が行われていたか、どんな発言があったのかを知ることができます。
6つの議題と決議の結果
まず提案に対する決議投票では、6つの議題があり、そのうち以下の4つが順調に通過しました。
- 役員会メンバーの再選(再選挙)で、ティム・クックCEOを含む8人が問題なく再選
- アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young)の公認会計事務所がAppleのためにサービスが提供することを承認
- 社員ではない取締役(役員)のストックオプション計画の承認
- 幹部の報酬に関する決議
しかし残りの2つは差し戻されました。Apple内部で人権委員会を設立することと、役員会メンバーの推薦条件を緩和する提案です。
ティム・クックCEO、株主との質疑応答においていくつかの重要な情報を暴露
そして株主総会での株主からの質疑応答において、ティム・クックCEOがいくつかの重要な情報を出しました。
- iPhone Xのユーザ満足度は99%に達している。
- Apple Watch・AirPodsを含むウェアラブルデバイス部門の2017年の売上は、Fortuneの世界300強企業のレベルに近づいている。
- 2017年全体で、Appleは19の企業を買収した。2018年にAppleはアメリカ本国に数千億ドル規模の海外資金を戻した。この数字は今後も増える。
- Appleは既に内部にティム・クックに替わり同社のCEOとなる候補者がいる。またこのことは毎年の株主総会での保留項目となっている。
- モバイル決済サービス部門はクックCEOの想像よりも発展が遅い。しかしApple Payの拡張ペースは加速していて、クックCEOも自身が生きている間に現金が消え去っている世界を生きている間に見ることができるかもしれないと述べた(とはいえ2016年の発言からはトーンダウンしている)。特に中国やロシアなどのキーとなる国において、ここ12ヶ月でモバイル決済の普及がめざましいとしたが、残念ながらApple Payによるものではない。
- クックCEOはApple Storeのような実店舗がなくなることはないと考えている。人と人とのインタラクティブな交流が最も優れたユーザ体験だから。
- Appleはオーラルケア(口腔ケア)分野の製品を出す予定はない(Appleはその分野に注力していない)。
- クックCEOは、ブロックチェーン技術に関する質問については直接質問に答えなかった。
- AppleはApple Parkのメインの建築物は一般向けには公開しない。なぜなら内部には多くの機密があるから。
特に4についてはちょっと気になりますね。ティム・クックの後の人選も既に行われているということでしょうか。順当にいけばCOOのジェフ・ウィリアムズ(Jeff Williams)になるのかもしれませんが、ますます影が薄い感じになってしまいますね。。
株主からはユーモアに溢れた質問も
なお、株主総会ではユーモアに溢れた株主による質問がありました。例えば、ある株主がAppleは防水仕様のスマートフォンを出さないのか、という質問をしています。Appleは既に一昨年のiPhone 7シリーズから防水機能を追加しているにも関わらず、です。また、別のある株主は、自分の使っているiPhoneはまだiOS 9のままで、その理由は今のiOSが実にダメだからだ、としました。しかし彼自身がなぜApple株を売らないかというと、他のブランドはもっとダメだから、としています。
Apple会長や取締役の顔ぶれとは
ちなみに、Apple取締役会長にあたるChairmanや取締役会の顔ぶれについてはあまり知られていませんが、当ブログでまとめていますのでご参考まで。
なお、かの有名な投資家、ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイも今やApple最大の株主の1つです。
記事は以上です。
(記事情報元:CNET)