【報道が真っ二つ】20周年記念の全面ガラスiPhoneは中止か、継続か。「中止」報道でApple株は2.1%下落

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iPhone誕生20周年にあたる2027年に投入されると噂されていた【全面ガラスのiPhone】について、8月10日、真っ向から対立する2つの報道が出ました。米ジェフリーズのアナリストが「歩留まりの悪さで開発中止になった」としてApple株の投資判断を引き下げ、実際にApple株は2.1%下落。ところがその直後、Bloombergが「Appleの製品ロードマップは何も変わっていない」と真正面から否定しています。どちらかが盛大に外していることになりますが、両方の記事を読み比べてみると、実はそういう話でもなさそうです。

全面ガラス端末のイメージ

まずは「中止」報道の中身から。20周年記念モデルは30万円前後になる予定だった

発端は米ジェフリーズ(Jefferies)のアナリスト、Edison Lee氏のレポートです。Barron’sが報じたところによると、Lee氏はサプライチェーンへの取材から、20周年記念iPhoneが歩留まり(yield、不良品を出さずに製造できる比率)の低さを理由に中止になったとしています。

ちなみに、噂されていた20周年記念モデルはこんな代物でした。

  • 前面から背面までをぐるりと覆う曲面ガラス。ディスプレイの切り欠きはほぼゼロ
  • ディスプレイ内蔵Face ID
  • ソリッドステートボタン(物理的に沈み込まない感圧式ボタン)
  • 推定販売価格は約2,060ドル。歴代iPhoneで最も高価

2,060ドルというと、為替次第ではありますが日本円で30万円前後。iPhoneというよりMacBook Proの値段ですね。。Lee氏はこの中止を「メモリ価格が高騰する中で、より高価格帯のiPhoneを投入しようとしていたAppleの戦略にとって大きな痛手」と評し、投資判断を「Hold」から「Underperform」へ、目標株価も285.56ドルから263.66ドルへ引き下げました。これを受けてApple株は2.1%下落しています。

ところが同じ日、Bloombergが「ロードマップは何も変わっていない」と真っ向から否定

ここで話がややこしくなります。同じ8月10日、Bloombergが「Appleは来年、新しいガラス的な外観を採用したiPhone Proモデルを投入する見込み」と報じ、「Appleの製品ロードマップは変わっていない」と明言したのです。

Bloombergが挙げている2027年モデルの社内コードネームは【V73】と【V74】。前面と背面がガラスで、それが側面へ回り込む形状。ただし本体の中央部分には金属のバンドが1本通る、とされています。

どちらが正しいのか。個人的には「どちらも部分的に正しい」と見ています

両方の記事を並べて読むと、実は食い違っていないのではないかと思うのです。

というのもBloombergは、上記の説明にさらっと重要なことを書いています。金属バンドのない、より野心的な「完全ガラス版」は既に断念された、と。理由は、ガラスのパネル同士を接合する工程でエンジニアが問題にぶつかり、量産規模まで持っていけなかったから。

つまりLee氏がサプライチェーンで掴んだ「中止になった」という情報自体は、恐らく本物なのだと思います。ただ、それは「完全ガラス版という当初案が没になった」という話であって、「20周年記念の刷新そのものが消えた」という話ではない。今回のV73/V74は、その後に出てきた現実的な妥協案、という順序で理解すると、両者はきれいに繋がります。

これ、サプライチェーン取材の典型的な落とし穴だと思うんですよね。部品メーカーの現場からは「あの案件は止まった」という情報は正確に上がってくるのですが、その後Appleが社内で仕様を練り直して別の形で走り直している、という上流の動きまでは見えない。工場から見えるのは自分に来た発注が消えたことだけですから。逆にBloombergのようにApple社内に食い込んでいるメディアは、そちらの動きが見える。両方見ないと像を結ばない、という良い例だと思います。

ただ、それを踏まえた上でも、この情報だけで投資判断を2段階下げて目標株価を22ドルも切り下げるというのは、ちょっと勇み足だったのではないかなあ、と個人的には思います。実際その日のうちに否定報道が出てしまったわけですし。。

中国のサプライチェーンから見ると、曲面ガラスの接合は確かに相当厄介

曲面ガラスの製造工程のイメージ

中国に住んでいる身として、この「ガラスの接合で歩留まりが出ない」という話は、非常にありそうだなと感じます。

iPhoneのカバーガラスは中国メーカーが主力です。深圳や東莞のあたりでこの手の加工を請け負っている工場は無数にありますが、平面のガラスと違って、四辺が回り込む3D曲面ガラスは加工の難易度が跳ね上がります。熱で成形して、削って、磨いて、強化して、と工程が長く、しかも1枚でも傷や気泡が入れば全部おシャカです。それを前面と背面の2枚、さらにそれを継ぎ目が見えないように貼り合わせるとなると。。年間で億単位を作るAppleの規模でこれをやるのは、正直、相当に無茶だと思います。

そう考えると、真ん中に金属バンドを1本通すという妥協案は、デザイン上の後退というより「量産できる形に落とし込んだ結果」と見るべきなのでしょう。ガラスを2枚貼り合わせずに済みますし、アンテナも通せますし、落下時の割れ方もコントロールしやすくなります。技術屋としては、むしろこちらの方が真っ当な設計判断だと思います。

結局、2027年のiPhoneはどうなりそうか

現時点で言えるのはこのあたりでしょうか。

  • 2027年のiPhone Proは、ガラスが側面に回り込む新デザインになる見込み(Bloomberg)
  • ただし完全な一体ガラスではなく、中央に金属バンドが入る
  • 切り欠きゼロ・ディスプレイ内蔵Face IDが本当に載るかは、まだ不透明
  • 価格は上がる方向。メモリ価格の高騰という逆風もある

個人的にいちばん気になっているのは、やはり中国本土版がどうなるかです。この手の大幅刷新の年は、中国本土版と香港版・日本版で仕様や価格の差が大きく開くことがあります。20万円だ30万円だという価格帯になってくると、どこで買うかで数万円平気で変わってきますので、そのときはまた例によって徹底的に調べてみたいと思います。

なお、直近のモデルについてはiPhone 17シリーズ/iPhone Airの中国本土/香港版SIM仕様詳細まとめで解説していますので、ご興味があればどうぞ。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors9to5Mac
※記事中の画像はいずれもイメージです。実機の写真ではなく、生成AIで作成したものです。

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