Appleのハードウェアエンジニアリング担当バイスプレジデント、Tom Marieb氏が【iPhone Duo】の折り目とヒンジについてTechRadarが参加した合同インタビューで説明しました。彼が語った中で注目のポイントは、折り目を目立ちにくくする「マット仕上げ」の役割です。

マット仕上げによる折り目の見え方
使い続けるうちに折り目が目立つようになるのでは、という質問に対し、Marieb氏は「その点は私たちに責任を負わせてください」と答えました。同氏の説明では、光沢画面は反射によって表面のわずかな形状差が見えやすくなります。マット仕上げには、時間とともに生じる変化を目立ちにくくする効果もあるとのことで、時間の経過によるトポロジーの変化にも寛容だとのことです。
以前の当ブログの折り目対策の画面構造の記事では、発表前に伝えられたガラスの構造を紹介しました。その際には、形状の変化と、それが目にどう映るかの関係性について説明しました。Apple公式資料でも、ナノテクスチャ仕上げで反射と折り目の見え方を抑えるとされています。ただし、公式資料では折り目の深さが将来ずっと一定という保証までは示していません。マット仕上げ(ナノテクスチャ仕上げ)も、どんな使用環境で何千回何万回と折りたたみを繰り返しても劣化しないという保証はAppleも会社としてはできないのでしょう。
ただMarieb氏によれば、マット仕上げにして変化に寛容な仕様にした上で、それらをエンジニアリングサイクルに組み込むことで、数週間で5年分以上の信頼性試験を行ったような形になっているそうで、そこは自信たっぷりに語られていますね。
開閉時と途中の角度で異なるヒンジの役割
インタビューでは、開閉角度ごとの力のかかり方を調整した経緯も語られています。閉じるときのしっかりした感触に加え、半開きの姿勢で操作したときの安定感も狙った設計です。開きやすさと、途中の角度で止まる手応えの両方をヒンジで調整しているということになります。
特に閉じた時に、高級車のドアのような、しっかりした閉じた感覚が残るようにヒンジを設計したというのが印象的でした。また、開閉のトルクをちょうどよいものにし、半開きの状態でもぐらつかないような設計にもしたことで、これらを実現するために大変な努力と時間を費やしたとのことです。
大画面を使う場面は、DuoのSplit Viewを扱った記事でも紹介しました。机に置いて使う場合には画面の見え方に加えて、タップしたときに姿勢を保てるかも使い勝手を左右する重要なポイントだったりします。
外側のガラスと内側のポリマー層
Appleの素材説明では、外側画面にCeramic Shield 2を採用し、前世代比で耐スクラッチ性が3倍になったとしています。一方、内側画面の表面は専用ポリマーのカバー層と耐傷コーティングです。折りたたむパネルの上下には高強度ガラスを置き、接着層がずれることで曲げの負荷を逃がす仕組みになっているということです。
同じ公式資料が示す内側のポリマー層の剛性は、業界で使われる他の素材より最大40%高いというもの。比率に直せば最大1.4倍です。これは素材の剛性の比較であり、折り目が目立つまでの期間や画面の寿命が1.4倍になったというわけではありませんが、単価が高い分素材がいいものを使えているという好例ではないでしょうか。
表面保護フィルムは?「iPhoneに保護フィルムを貼っているのを見るとゾッとする」
保護フィルムについては、Marieb氏が「個人的には、誰かがiPhoneにスクリーンプロテクターを貼っているのを見るとゾッとします。なぜなら、私たちは美しいフロントスクリーンを作るために一生懸命努力しているからです」と述べています。これは個人的な好みも入っていますが、もちろん製品現物の取り扱い条件とは別となります。そして本当にディスプレイを破損してしまった場合、その修理代はバカにならない(正直他の激安中国産スマートフォンが1台買えてしまうレベル)くらいにかかってきます。美しさと耐久性を天秤にかけたら、やはりできるだけ美しさを損なわないスクリーンプロテクター(保護フィルム)を貼っておきたいものですよね。
iPhone Duoでは、外側ガラスと内側画面では、表面を保護する素材が異なります。保護フィルムの扱いも公式案内を確認するのが基本ですが、個人的には基本的に内側には別途保護フィルムを貼る必要はないかと思われます。貼ると、折りたたみの際に折り目の見た目や操作性に絶対に影響するからです。私自身ももう中国国産折りたたみスマートフォンを使ってもう3台目ですが、内側にはメーカーによって既に薄いフィルムのようなものが貼られているのがわかるので、自分で貼ったことはありません。常に外に出ているわけではないので、開いた状態で落として尖ったところに内側ディスプレイが直撃するなどの事故でもない限り、破損する心配は少ないからです。
逆に破損する確率が非常に高い外側は、特にこれまで3台とも曲面ディスプレイが搭載されていたため、私個人は専用の保護フィルムを貼っています。そしてその外側ディスプレイ用フィルムもそれなりの頻度で貼り替えています。特に外出をした時、ポケットに入れていて、何か他のものと当たったときに端っこに傷が付いたり、それが原因で空気が入ってしまったりしたからです。
ちなみにXiaomiは良心的で、メーカー指定公式修理店に持って行くと無料で貼ってくれました。結構貼り替えに来るパターンが多いと窓口の人からも聞いています。現在使用しているVIVO X Fold 5もVIVO公式修理店に持って行けばやってくれるかもしれませんが、最近はTaobaoで買って貼っています。柔らかいのはすぐダメになるので、堅いタイプがおすすめです。iPhone Duoも、外側ディスプレイには保護フィルムは貼った方がいいと思います。
小龍的にはこう思った
小龍的には、iPhone Duo購入前に確かめたいのは「折り目が見えるか」の一言では片付かない部分です。正面から動画を見る場面と、白い画面に照明が斜めに映る場面では、表面の変化の見え方も変わります。特に黒い画面で照明が強い場合は折り目が目立ちやすくなるとのレポートもあり、実際に自分が折りたたみスマートフォンを使っていてもそれはすごく感じるので、そこは手で折り目部分を触ったときに実際気にならないか(iPhone Duoではそういうことをされないように、マルチアプリで使用する場合ぴったり半分にしかアプリを配置できないような仕組みになっているようですが)、または他の折りたたみスマートフォンと比べてどうか、という相対的な評価も必要となってくるでしょう。
もちろん、半開きでタップしたときの安定感もチェックポイントと思われます。個人的には、自分の折りたたみスマートフォンではあまりそのような使い方はしませんけども。。
公式の発売予定は10月23日。今回の説明は、実機を見るときの着眼点になります。画面の見え方、途中の角度での安定感、表面の傷への強さ。この三つを分ければ、マット仕上げの効果とヒンジの完成度をそれぞれ判断しやすくなるでしょう。
SVPのMariebさんの説明では、折り目の見た目・使い心地・耐久性の3点を全ていい感じに実現させるディスプレイとヒンジを徹底して研究開発し、めちゃくちゃ拘りを持って作り込まれているのがiPhone Duoといえそうです。自信溢れた語りっぷりに、個人的にも期待したいと思います。でも高すぎるのと、eSIM専用仕様なのが大陸では不便なので買わない!と心に決めていたのですが、最近思い出したことがあります。深圳華強北で物理SIM改造する、という手です。当ブログでも記事にしたことがあります。ちなみに今の深圳華強北では、あの薄いiPhone Airに物理デュアルSIMを入れられるようになっています。となれば、もちろんDuoも問題なく改造できる可能性が高そうです。そうなると俄然世界で一番価格が安いアメリカ版が視野に入ってきますね。。ミリ波にも対応していますし。
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