中国の三大キャリアが5Gサービスを開始、世界最大の5Gネットワーク始動。Appleは?

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中国の三大キャリアが、今月初めより全国50都市で次世代無線技術5Gのサービスを開始しています。

China Telecom(中国電信)、China Mobile(中国移動)、China Unicom(中国聯通)の中国で通信事業を独占している三大キャリアが、1ヶ月30GBで月額128元からスタートするプランを提供しています。新華社によると、北京・上海・広州・深圳などを含む50都市で商用5Gサービスが利用できるようになり、特に上海では市内の主要な屋外エリアで5Gが使用できるように、12000もの基地局が設置され稼働しているということです。

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中国は世界のどの国よりもモバイルユーザが多く、新華社によれば現在は8億5千万人の人がスマートフォンを使ってインターネットを利用しています。またJeffriesのアナリストによれば、中国では2020年までに1億1000万人の5Gユーザが誕生するだろうとみられています。

これには、世界最大の電子機器メーカーとなったファーウェイ(HUAWEI、華為技術)の影響が大きいのは間違いありません。ファーウェイは上記の中国三大キャリアの全てと5G通信機器の取引をしていて、中国最大のモバイルキャリアであるChina Mobile(中国移動)は、5G通信機器の半分をファーウェイから買っています。ちなみに残りはエリクソン、ノキア、ZTEなどから購入しているということです。

ファーウェイは米国から圧力を受けていて、米国政府はファーウェイの機械を使用すると中国(北京)政府がその機器をスパイ活動に使用することがあるため、使用を禁止するように圧力をかけています。もちろん、ファーウェイはそんなセキュリティリスクをもたらすことはないと否定しています。そして米国からの凄まじい圧力があるにもかかわらず、ファーウェイは世界中で5G通信機器製品の顧客と契約を結んでいます。同社は11月初めの収益報告で、世界中の通信業者60件と商用5Gに関する契約を締結したと発表していて、欧州のライバルであるエリクソンとノキアを破ったとしています。

また、中国国産スマートフォンメーカーのOppo、Vivo、Xiaomiなどのメーカーもこぞって5G対応製品をリリースしていますが、どうやら5Gではファーウェイが支配的な地位を占めることになりそうです。なぜなら中国の通信機器の殆どをファーウェイが製造していて、それらと緊密に対応する端末を作り出せるのがファーウェイの強みとなり、他者との差別化が図れるからです。

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この点ではAppleは完全に他社に後れをとっており、韓国のサムスン(SAMSUNG)にも後れをとった形になりました。本来は今年発売されたiPhone 11シリーズに5Gチップが載るはずでしたが、結局インテル(Intel)の5G対応ベースバンドモデムチップ開発の遅れや、最近まで続いていた同じく5Gベースバンドチップメーカーのクアルコム(Qualcomm)との係争関係などもあり、導入ができませんでした。iPhoneは慣例では1年に1回のモデルチェンジのため、5Gの導入は来年2020年の秋に持ち越されることになりました。ファーウェイなど中国国産メーカーやサムスンなどは既に5G製品をリリースしているため、周回遅れになるのは間違いありません。

ただ、Appleはこれまで一番最初にリリースすることには拘っておらず、どちらかというと誰もがやって失敗してきたことに挑戦し、優れたデザインと機能によってシェアを取ってきました。また、3Gや4Gへの対応もこれまで遅れてきましたが、きっちりした製品を作り上げることで拙速に飛びついたメーカーよりも売上げを伸ばしてきました。今回も5G導入は遅れますが、それがAppleにとって不利になるかどうかはわかりません。ただ、中国ではiPhoneは既に苦戦しており、来年のiPhoneでそれが挽回できるかどうかについては未知数です。

Appleが動くと世界中の大きな通信業者も動くため、よりよいサービスが提供されることになるかもしれません。今後のAppleの5Gの動きに注目ですね。

記事は以上です。

(記事情報元:CNN Business

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