スティーブ・ジョブズがもし今も生きていたら。。許しがたい今のAppleの7つのこと

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“スティーブ・ジョブズが生きていたら”。。これは殆どネット上でもタブーとなっている論議ではあるが、中国のメディアMacXが、「スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がもし生きていたら絶対に許さないであろう7つのこと」をまとめているのでご紹介したい。

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2011年にジョブスがこの世を去ってから、Appleには多くの変化がもたらされた。いくつかの変化は同社にいい影響をもたらした。例えば、iPhoneの販売量が毎年新記録を作り続けていること、Appleの新社屋が建設中であること、そして株価も過去最高であることなどだ。しかしいくつかの変化は、ジョブズが生きていたら絶対に許せないことだろう。

1. Appleが友好的で、暖かく、パブリックリレーションを大事にするというイメージ

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ジョブズの性格は複雑だったが、(誰にでも)友好的だったというのはその性格にはなかったはずだ。ジョブズは自らのアイデアでAppleを起業し、ジョブズの管理下でAppleは非常に秘密主義の会社となり、また時には復讐をするようなことまであった攻撃的な会社となった。ジョブズはGoogleのAndroidがiPhoneやiOSをパクったことについて、核戦争を起こすとまで言ったことがある。

ジョブズの後を継いだティム・クック(Tim Cook)の管理下で、Appleは明らかに友好的に変わった。これは多くの方面に現れていて、例えばAppleは慈善事業に対して援助をするようになったし、政治や環境、SNSを重視するようになった。その他、Appleはデベロッパやメディアに対してももっと開放的になった。もちろん、Appleからいわせればこれらの変化は決して退化ではないが、ジョブズであればこれらのやり方は許せないだろう。

2. 超大型ディスプレイのiPhone6 Plus

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多くのAppleファンはiPhone6 Plusを気に入ったようで、このデバイスも大きな成功を収めたといえる。しかしiPhone6 Plusの欠点は片手で使用できないということだ。初代iPhone、iPhone 2Gがリリースされた時、ジョブズは非常に自慢気に、Appleは片手での操作に最も適したサイズ、3.5インチを見つけた、と語っている。初代iPhoneのディスプレイは、iPhone6 Plusに比べ2インチも小さい。3.5インチディスプレイの優れたところは、片手でディスプレイ全体に指が届くことだ。iPhone6 Plusにも、2回ホームボタンを押すとディスプレイ表示が下に降りてきて上部をタッチできるという機能が備わったが、片手で操作するのは非常に困難だ。
他にも、iPhone6やiPhone6 Plusのカメラが突起していることや、ケース上のアンテナの白い線などは、ジョブズにとっては到底受け入れ難いものだというのは想像に難くない。
(小龍注:ちなみに、iPhone6 Plusを片手で使用できるようにするカバー、”Palmo(パルモ)”を開発中。iPhone5s/5c/5用Palmoは既に完成している。Palmoの紹介記事はこちら。)

3. イノベーティブなものを生み出すのではなく、ブランドを買収

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ジョブズは企業買収が全く好きではなかった。彼は、他の会社を買収するということは、自社がイノベーションができないということを示しているようなものだと考えていた。しかしクックはそのようには考えていないようで、「私達は人材と優秀なテクノロジーを持つ会社を買収することで、それらの会社の企業文化をAppleに溶けこませることができます」とまで語っている。他にもクックは、Appleの他社を買収する価格は、会社が合理的だと判断すればいいとしている。Appleはこれまで買収してきた会社の規模は皆小さく、また買収後は基本的にその会社はサービスを停止し、従業員は皆Appleに入社していた。しかし、昨年Appleは30億米ドルもの巨額な資金を投入してBeatsを買収した。これもジョブズにとっては許しがたいことだろう。

4. Appleの社内に多くの”スーパースター”が存在すること

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テクノロジー業界で最も大きく最も注目される会社として、Appleにはあまりに多くの”スーパースター”級の社員を抱えている。ジョブズがAppleを管理していた時には、そのスーパースター達を(競わせることで)うまく管理してきた。しかし今日、Appleには大きな権力を持つDr.Dre、Jimmy Iovine、Marc Newson、そして最大の権力を持つJony Iveを抱えている。

5. 今になっても競合製品と比べると見劣りするSiri

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ジョブズの生前から、AppleのSiriは既に出現していた。Siriが搭載されたiPhone4sがリリースされた次の日に、ジョブズはこの世を去ったからだ。つまりこれは、当然ジョブズもSiriの開発を承認していたことにほかならない。しかし、Siriは現在もまだベータ版で、SiriよりもMicrosoft(マイクロソフト)のCortanaやGoogle(グーグル)のGoogle Now等の音声技術の方が優れている。こんなことはジョブズだったら絶対に許さないことだろう。

6. iPhone6がレンガ化するiOSアップデートパッチ

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昨年、Appleがたった1時間半だけリリースしたiOS8.0.1のアップデートパッチは、多くのユーザが新しく買ったiPhone6とiPhone6 Plusを文字通り”レンガ化”させ、Touch IDも使えなくなるというような失態を犯した。(このクレームを受けたAppleはリリース後1時間半という短い間ですぐにiOS8.0.1の配布を取り消し、次の日に問題を修正したiOS8.0.2をリリースした。明らかなテスト不足だ。)
もしジョブズ管理下のAppleだったら、こんなことはしでかさなかっただろう。

7. 黒いモックタートルネックが伝説に

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ジョブズがAppleに返り咲いた後、新製品発表イベントなどでは彼は必ず黒いモックタートルネックを着用していた。これもAppleの発表イベントの一つの注目ポイントとなっていた。しかしティム・クックはその伝統を守らなかった。

画蛇添足

個人的には上の7番はどうでもいいと思う。。そして私だったら、他にもいくつか付け足したいことが。

8. 中国市場への傾倒、媚びへつらい

中国の市場がますます重要になっていることはジョブズの生前から明らかではあったが、ジョブズは日本には行っても自ら中国に行くことはなく、その仕事は副官のクックに任せていた。クックがCEOになってからは、クックは他人に任せることなくよく中国を訪問している。中国のメディアがAppleは中国を重視していない、という外国企業叩き(ガス抜きや内需を守るための定期的な動き)の一環としてAppleを叩いたことに対しても屈した形となった。ジョブズだったらそんなの糞食らえというかもしれない。

ただ、現在の世界中の巨大なiPhoneの需要を満たすためには、中国での組立は他に移すことができない重要なファクターとなっている。ジョブズは基本的に製造のこまごましたことは性格的に嫌いだったから、もし今生きていたとしても中国との付き合いはクックにやらせていたかもしれない。いずれにせよ、今の株主や株価を重視するAppleにとっては、中国は市場としても生産基地としても世界で最も重要な位置を占める国であることは間違いない。今後も難しいお付き合いは続くだろう。

9. 中途半端なApple Watch

製品を先に示して、使い方をはっきりと説明しない。。昨年9月の発表イベントで、Apple Watchはそんな発表のされ方をしたような気がする。使い方はユーザに任せる、アプリもデベロッパが自分たちで開発してくれ。。というような姿勢だった。
ジョブズの時代のAppleは、イノベーティブな製品とともにはっきりとその使い方を示してユーザを導くのがジョブズの時代のやり方だった。

しかしクックの時代になってからは、製品のスペックや細かい操作方法の説明に終始し、イノベーティブな使い方を説明しているように聞こえない(言葉はきらびやかなのだが)。Apple Watchは明らかに株主の要望や、ウェアラブルデバイス市場への参加を余儀なくされて生まれた製品のように見える。しかもApple WatchはiPhoneなどのiOSデバイスがなければ屁の突っ張りにもならない中途半端な製品だ。おまけに、せっかくiPhoneで様々な機能が1つの製品に集約されて身の回りのものがシンプルになったのに、更にウェアラブルデバイスを増やして生活を複雑に逆戻りさせるようなことを、Appleはユーザに強いるのだろうか。。
そしてジョブズだったら、あんな中途半端(に見えるような)なものにGoを出しただろうか。

10. IBMとの提携

Appleがかの有名な”1984″の広告(1983年のMacintosh発表のCM)でBig Brotherをもじってハンマーを叩きつける相手のBig Blue、それがIBMだ。
このあまりに有名な動画を見れば、ジョブズがいた頃のAppleがいかにとんがっていたかは一目瞭然だ。

ジョブズは恐らく死ぬまでIBMを仇敵としていた。しかしクックは昨年、企業向け製品について提携を結ぶことを宣言し、周囲を驚かせた。もちろんジョブズ時代には絶対に起こりえないことだ。
ただ、クックの時代になってからはAppleより大きなテクノロジー企業がいなくなって、叩く相手がいなくなったのは間違いない。その代わり、Appleと訴訟を繰り返しているSAMSUNGを発表イベントで叩いたりしている。別にそんなに躍起になって叩かなくてもAppleの方が優れているのは自明の理なのだが、それでも叩くということは余裕の無さの現れのように見える。
ジョブズだったらそんな情けないプレゼンは許さないのではないだろうか。

ある意味仕方ない面もある、とはいえやはり我々はAppleに期待してしまう

ただ、ジョブズは癌によって遂にクックにCEOの座を譲る時に、「私だったらどうしただろうなどと考えてはいけない。ベストなやり方を自分で実行するんだ」と伝えている。時代は移り変わる。その時々のベストというのは移り変わるだろう。ジョブズはそこを見越していたのかもしれない。

とはいえ、私は現在Appleがベストなことを行っているとは思えない。少なくとも、イノベーティブな製品はジョブズが死んでからは生まれていない。
そして今や地球最強の企業となったApple帝国には永遠に、偉大な創業者で皇帝だったジョブズの影が付き纏うのであろう。これは、ソニーを含め偉大な創業者を持った会社が抱えるジレンマでもある。

それでも、我々はAppleに期待してしまう。ジョブズの精神が生きている会社なら、また奇跡を起こしてくれるのではないかと。

記事は以上。

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