イーロン・マスク提唱の超高速列車”Hyperloop”、SF-LA間を30分で結び、総工事費は1兆9,000億円

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Appleのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)亡き後、テクノロジー界でいつも僕らをワクワクさせてくれる存在はすっかりテスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)にとってかわられた。

tesla_Elon-Musk

USA Todayの本日の記事によれば、そんなイーロン・マスクが昨年ぶちあげた、超高速列車”hyperloop”が、数日前にhyperloopプロジェクトを担う米国のHTT(Hyperloop Transportation Technologies)社が76ページにもわたるレポートによって再評価された。

Eron-Musk_Hyperloop_1

そのレポートによると、サンフランシスコ(San Francisco)からロサンゼルス(Los Angeles)までを結ぶHyperloopの総工事費は160億米ドル(約1兆9,000億円)にのぼることがわかった。

Hyperloop_diagram_based_on_design_by_Elon_Musk

今回のこのレポートでは上記サンフランシスコとロサンゼルス間のみに集中して評価が行われたが、当然同レポート内では世界中の都市間が、Hyperloopプロジェクトを採用する候補になりうるとしている。

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レポートによると、サンフランシスコとロサンゼルスの間は611kmほどの距離があり、車で移動すると6時間かかるが、Hyperloopに乗車すれば1時間も使わずに到達可能だ。総工事費は160億米ドルかそれ以上になると見積もられたが、このプロジェクトの目標はHyperloopの片道乗車券を20〜30米ドル(約2,390円〜3,590円)に抑える予定で、”もし都市間で同様のプロジェクトを実行したとしてもこの価格を保つことができ、これによって市民の生活や仕事のやり方を大きく変えることができる”とまとめられている。

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“Hyperloopプロジェクトは低気圧と磁力による加速度を結合したものを採用し、サンフランシスコからロサンゼルスまでたった30分で移動可能だ”とレポートでは触れられており、またこのHyperloopシステムでは電源として太陽光発電と自身による発電によって賄うという。

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しかしこれらのアイデアについてはまだ初期段階だ。レポートによれば、例えばこのHyperloopが通る軌道上のパイプにガラス繊維を使うのか、または鋼鉄やその他の材料を使うのか、まだ検討中であるとされている。

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HTT社はHyperloopプロジェクトで、3種類の列車構成を計画していて、グリーン席、普通席、そして貨物用車両が用意される予定だ。Hyperloopのプロジェクトデザイナーが現在問題としているのはトイレのデザインだ。デザイナーとしてはどうやって乗客の乗車中の疲労を緩和させるかについて検討を重ねているが、もしかしたらあまりに乗車時間が短いためトイレについては設置をしない可能性もあるという。

Hyperloop

HTT社はHyperloopの1マイル(1.6km)ごとの工事費を2,000万ドル(約23億9,100万円)から4,500万ドル(53億7,975万円)と見込んでいるが、通常の公共交通システムは1マイルごとの工事費は2億米ドル(約239億円)に達するため、非常に費用の節約に繋がるとしている。

既に100人以上がこのHyperloopプロジェクトの設計に携わっており、HTT者は将来的に更に多くの人材にこのプロジェクトに参加してもらう予定としている。

画蛇添足:日本の中央新幹線もHyperloopにしたら?

まだHyperloopは設計初期段階だとしても、さすがイーロン・マスク!非常にワクワクするプロジェクトだ。まずスピードがめちゃくちゃ速い。サンフランシスコとロサンゼルス間は611kmもあるのに30分で移動できる。最高速度は1,220km/hで、平均では1,000km/hを超える計算だ。(Hyperloopの詳細についてはWikipedia参照

かたや日本の中央新幹線はリニアモーターカーを採用、最高時速はたったの505km/hでHyperloopの半分以下しかないため、東京-大阪間は438kmしかないのに67分もかかる。しかも総工事費は9兆円で、Hyperloopのサンフランシスコとロサンゼルス間の1兆9,000億円の4.7倍もかかる計算だ。もし同じ距離に換算した場合はHyperloopは1億3,500億円しかかからず、リニアモーターカーの中央新幹線はHyperloopの6.7倍もかかることになる(もちろん、日本の中央新幹線の数字には立ち退き費用など、様々な費用が入っている可能性があるので単純に比較することはできないが)。

更に、工事にかかる時間はすさまじく長く、東京-大阪間の完成は2045年予定と、あと30年もかかる。私なぞ還暦を過ぎてしまう。

しかもリニアモーターカーの電力消費は従来の新幹線の3倍だという。原発が使えない今の日本での電力不足は深刻で、火力発電に頼っている日本は今の円安状態では原油安があったとしても大量の資源を海外から高い金で輸入しなければならない。経済を非常に圧迫するだろう。しかも全然エコではない。更に、乗車料金も当然新幹線より高くなるだろう。消費者にとっても全然嬉しくない。しかし既得権益を持つ人達がズブズブと寄り合って、結局は中央新幹線が見直されることはないのだろう。

Hyperloopは建設にかかる期間が20年(またはそれ以上)というのも、現在の中央新幹線の建設期間が30年と計画されているよりも有利だ。Hyperloopなら私が還暦に達する前に完成する計算だ(個人的ですみません)。

もし現実的なのであれば、日本の中央新幹線もぜひHyperloopを採用するべきではないだろうか。または日本の経営者の中でも孫正義やホリエモンのような気概のある人が中央新幹線とは別にもう1本Hyperloopを作る計画を立てたりしてくれないだろうか。。と本気で思ってしまう。

発展めざましく国土の広い中国は近年高速鉄道の整備を進めてきたが、新しいテクノロジーと世界一になることが大好きでしかも柔軟に新しいものを取り入れる国なので、技術が確立すればすぐにHyperloopに飛びつく可能性がある。日本もうかうかしていられないのではないだろうか?

記事は以上。

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