Apple(アップル)の公式サイトで、
iPhoneやiPadの画像のディスプレイに表示されている時計の時間の殆どが、
9:41 AMになっていることに気づいた人はいるだろうか?
なぜそうなっているか、その理由をtuaw.comの記事がまとめていたのでご紹介。
ほら、iPadも9:41。
AppleはiPhoneやiPad以外についても、
殆どの自社製品ラインのディスプレイの時間を9:41 AMに合わせているのは紛れもない事実だ。
例えば、以下はAppleのOS X Mavericksのマップ(地図)アプリがMacBook Air上で動いていることを、
Appleの公式サイトがキャプチャで説明しているところなのだが、
時間は?
そう、もちろん9:41 AMだ。
ではなぜ殆どのApple公式サイトのApple製品の写真は同じ9:41 AMに設定されているのだろうか?
2010年4月、デベロッパー(開発者)のJon Manning(ジョン・マニング)が、
初代iPadの立ち上げのためにPalo Alto(パロアルト)のAppleストアにいたときに、
Appleの前iOS開発のトップだったScott Forstall(スコット・フォーストール)がいるのを見つけた。
(スコット・フォーストールはその後Appleネイティブマップアプリの失敗で引責辞任している)
そこでなぜAppleが前もって定められた時間を設定しているのか疑問に思っていたマニングは、
フォーストールになぜそうなっているか、その理由と背景を尋ねたところ、
フォーストールはこう答えたという。
「僕たちは大きな製品発表イベントのためのキーノートをデザインするときに、
プレゼンを40分で終わるようにしているんだ。
大きな製品イメージがスクリーンに映し出されたとき、
僕たちはそのディスプレイに表示されている時間が、
プレゼンを見ている人達自身の時計に近い時間を示しているようにしたいんだよね。
もちろん40分がぴったりに収まることはないというのは知っているけどね。」
フォーストールは更に、Appleは40分以上にある程度のクッションとなる余剰時間を設け、
何らかの都合でのイベントの遅れや停滞に対応できるようにしていると説明したという。
(予備知識:Appleの製品発表イベントはAM9:00から始まるのが通例だ。)
そして何と驚くべきことに、
1997年にあの故Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)が初代iPhoneを発表した時の、
Engadgetのライブログの記録に戻ってみて、
iPhone発表イベントの開始時間を見てみると。。
9:41と9:42に重要なポイントになっているではないか!
もちろん、全てのAppleのメディア向けイベントで、
新製品が発表されるタイミングがイベント開始から41分後になっているわけではない。
例えばジョブズが発表した初代iPad発表イベントでは、
登壇してからたったの10分で発表したし、
iPhone5とiPhone5sは現CEOのTim Cook(ティム・クック)が登壇してからそれぞれ13分と34分で発表されている。
いずれにせよ新製品発表イベントで実際に発表される時間がどうであれ、
またイベントだけではなく公式サイトでの画像でも、
Appleは現在でもAM9:41をそのディスプレイ表示の時間に設定している。
まるで7年前にジョブズがiPhoneを発表した、あの伝説のスピーチの瞬間に戻るかのように。
確かに、AppleにとってiPhoneは現在でも同社に最大の利益をもたらす大ヒット商品で、
あのジョブズの1997年の発表はAppleが更に大躍進をするきっかけになったものだ。
Appleはそれを記念碑として現在も製品ディスプレイに残しているのだろう。
ちなみに、初期のiPhoneのプロモーション用画像で表示されている時間にはAM9:42のものもある。
しかしその後AppleはAM 9:41に戻すようにしている。
証拠として、9:42 AMに設定された初代iPhoneのApple公式イメージを貼っておこう。
最後に、Appleが以前に発表していたマーケティング用素材を見てみると、
実はAppleはiPhoneリリース前にもある程度真面目に表示時間を固定していたことがわかっている。
以下の画像はApple公式サイトで2006年12月末頃に表示されていた、
OS X Tigerのスクリーンショットだ。
1時間ほどずれてはいるが、やはり「40分」という時間にAppleがこだわっているのがわかる。
Appleはありとあらゆるところにこだわっているという事実がまた証明された。
このようなこだわりが、価格は高くても多くの人が追い求める、
素晴らしい製品を生み出すための原動力となっているのかもしれない。
記事は以上。