領収書をもらおう!(中国の領収書事情)

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前回の記事「大当たり!」で、
レストランでは積極的に領収書をもらった方がいいと書いた。
中国での領収書事情は日本とは大きく違うので別途記事でご紹介したい。

中国では領収書(发票 fa piao: 發票、ファーピィアオ)は、
・地方(各省、または直轄市、または省以下の市)
・業界(飲食、運送等)
毎に統一の用紙となっており、
金額・品目などを印刷する領収書発行専用印刷機を使って印刷される。

100元当たり01

↑これが上海飲食店の「统一发票」だ。
しかもスクラッチくじが当選してる!(しつこいって)

もちろん手書き用の領収書も無くはないのだが、
最近は上海のような大都市では殆どなくなってきたと言っていいだろう。
※ちなみに定額領収書(定额发票: ding e fa piao)というのもあり、
100元、50元、10元など決まった額があらかじめ印刷されているのもある。
運送業者、通信業者、放送業者などで受け取る額が決まっている場合よく使われる。

税務署の規定により、
領収書の用紙及び上記の領収書発行専用印刷機は、
会社・お店が税務署から買わなくてはいけない。
しかも領収書を発行したら、それが売上の証拠となり課税の対象となる。

中国での会計の基本の元となる原紙書類は全て发票にあるといっても過言ではない。
というより、外に出て普通にもらう(BtoCの)发票は領収書と理解してもいいが、
BtoBの所謂「增值税发票」は日本で言うと請求書兼領収書となる。
日本のように普通の請求書では請求できないのである
(形だけではできるが、財務としては增值税发票を元に支払を行う)。

さて話が飛んだが、
お店で会計の際に、
「请开张发票(Qing kai zhang fapiao: 領収書下さい)」
と言うと、大抵は
「个人的还是单位的?(Geren de haishi danwei de? : 個人のですか、それとも会社の?)」
と聞かれると思う。
会社名が入っているものが欲しければ後者、
そうでない場合は前者でOK。

しかし時々「现在没有 (Xianzai meiyou: 今切らしてまして)」
というような回答が来ることがある。

店を構えているレストランは建前では領収書(发票)を発行する義務があるものの、
しかし現実的には、
タクシードライバーが自ら進んで領収書を渡さないのと同様に、
(理由は領収書はまとめると領収書業者に売れるから。。
そんなわけで中国はスパムメールやスパムFAXは領収書販売業者のものだらけ。)
よっぽど規模が大きかったり、
接待に使われるような高級なレストランでもない限り、
領収書は自らは渡さないようになっているのが現状だ。
お店にとって、
お客が要求しなければ渡さなければいいし、
お客に「没有」と言って諦めてもらえるならその方が自らの利益になるわけだ。
もちろん、領収書用の用紙が切れた、
機械が壊れたなどの理由も全くないわけではない。

その際は後日郵送してもらうなどの落としどころを持ちつつ、
粘って交渉してみるといいかもしれない。
(過去、例えば古羊路のうなぎ屋「いば昇」が本当に後日ポストに入れておいてくれた)

そして前回の記事「大当たり!」のように、
領収書のスクラッチくじで当たった際お店がお客さんに返す現金については、
税務署が領収書発行奨励金として負担するわけだから、
お店としては痛くない(領収書を発行した痛手はあるが)。
だから当たったらすぐにお店に相談してお店に出してもらおう。
高額当選の場合は税務署に行かなくてはいけないこともあるらしい。
まあそんなラッキーなことになった人がいたらぜひコメントください!

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